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【注目トピックス 日本株】エレマテック Research Memo(3):仕入先と販売先でそれぞれ約6,000社もの取引先を有する

2016年6月10日 16:15

■同社の強み

エレマテック<2715>の「強み」は、業績の安定的な成長実績として顕在化しているというのが弊社の考えだ。また、利益面についても、前期比経常減益となったのは2000年3月期から数えてこれまで4回しかなく、うち1回は営業利益段階では増益だったが為替差損で経常減益となったものだ。

同社の強さの理由として、弊社では以下の3つの点を考えている。

(1)取引先の多様性とそれを実現するための3要素

同社の強みの源泉の第1のポイントを一言で言うなら、「分散」だ。経営の効率化を図るうえで「選択と集中」が取り沙汰されることが多いが、同社はそれとは正反対を志向している。同社は仕入先と販売先の双方にそれぞれ約6,000社もの取引先を有している。同社の規模の企業がこれほどまでに取引先及び取扱品目を拡大することができた要因については、弊社では「独立性」、「商材」、「オペレーション」の3要素が重要な役割を果たしていると考えている。

「独立性」は同社の自由度につながる大事な要素だと弊社では認識している。同社の取引先の数の多さが実現できた大きな要因と考えられるからだ。2012年に豊田通商グループ入りしてからは厳密には独立系ではなくなったが、その後も取扱商材や取引先数の拡大は続いており、独立系としての良さは損なわれてはいないと弊社ではみている。

「商材」というのは、同社の主力商材が電子材料や電子部品であることだ。これらの商材は最終製品に比べて需要と価格が相対的に安定的であるという特徴を有している。また、技術開発や新商品の開発において、重要度の高い部分であり、数多くの素材・部品メーカーがしのぎを削って、新商品が絶えず生み出される領域でもある。そしてさらに重要なことは、素材・部品市場では、依然として日本企業が国際的に競争優位性を保持しているということだ。同社の前身である高千穂電気と大西電気の両社はともに、当時の典型的電子材料であった絶縁材料からスタートした。今は液晶用フィルムなどへと変化しているが、“部材”が持つ需要特性、価格特性といったものはあまり変わっていない。

「オペレーション」とは同社が商社としてどのような機能を果たして顧客にメリットを提供できるか、ひいては自社の存在価値をアピールできるか、ということの全体像を表している。顧客企業においては、開発から始まり、加工、品質管理、物流などを経て製造に至る一連の作業が存在する。その中には「手間」が存在し、それを解決するにはノウハウが必要だ。同社の「オペレーション」とは、専門商社ならではの高度な知識と経験とノウハウ(同社が言うところの“現場力”、“海外ネットワーク”、“調達代行サービス”など)を活用して、顧客が抱える様々な手間についてワンストップ・ソリューションを提供することで、利益を獲得していくということだ。

同社の顧客企業数は5,800社も存在しているが、そのなかで情報収集や海外取引への対応、各種リスクへの対応などの点で、すべてを自社で賄う体制になっているところは少ない。むしろ、同社に代表される商社が間に立つことを前提に、販売・購買の体制や人員配置が構築されているのが日本企業の平均的な姿と言える。これは企業規模の大小を問わない。顧客企業が合理化と効率性追求を進めるほどに、「手間」を外出しせざるを得ない状況となり、それが同社にとっての事業機会、成長機会となっている。

そうした“成長機会の存在”と“成長機会を取り込む力”は別のストーリーだ。同社の強みは、以上の3要素を武器に取引先からの信頼を獲得して、そうした成長機会を着実に取り込むことができている点にある。同社が目指すのは、ビジネスチャンスを1度取り込んで満足するのではなく、顧客にとって必要不可欠の存在になるということだ。現状は、同一顧客における取引企業数と取扱品目数の拡大が象徴するように、同社をもはや手放せないと考える顧客数の拡大ペースが加速している状況だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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