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【注目トピックス 日本株】キトー Research Memo(4):イタリア及びオーストラリアの新規子会社に注目

2016年7月6日 16:23

■業績動向

(2) 2017年3月期通期予想

キトー<6409>は2017年3月期通期の業績を、売上高で53,000百万円(前期比5.1%減)、営業利益で4,300百万円(同17.7%減)、経常利益で4,000百万円(同12.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益で2,400百万円(同3.9%減)と予想している。基本的に数量ベースでは各地域とも前年並みを見込んでいるが、為替レートを円高と予想していることから、仕上がりの決算としては減益を予想している。ただし会社側の目標としては、数量ベースでは横ばいから微増としているようだ。

各地域別の市場環境の前提及び主な施策は以下のようになっている。また為替レートの前提は、USドル105.0円(前期120.1円)、カナダドル75.0円(同91.8円)、ユーロ120.0円(132.6円)、人民元16.5円(19.2円)となっている。

a)日本
日本国内の売上高は12,700百万円(前期比0.0%)と前期並みを予想している。民間設備投資は引続き堅調に推移し緩やかな成長を見込んでいる。加えてインフラ整備や建築土木の需要も動きが出始めており需要拡大が期待できるが、不透明感も残ることから横ばいを予想している。

施策としては、新開発のワイヤーロープホイスト(2016年3月に上市)ほか新製品を導入し、品ぞろえを拡大する。また営業面ではクレーンビルダーとの連携を強化する。このワイヤーロープホイストは世界市場での拡販を狙っている。

b)米州
米州では需要は底堅く推移し、下半期以降は回復を見込んでいる。ピアレス社については、昨年の第3四半期に急減したものの第4四半期からは回復傾向にあることから、今期を通しては徐々に回復するものと見ている。またメキシコや中南米、特にブラジルでは引き続き需要の拡大を見込んでいる。しかしながら、為替が円高に振れると予想していることから、売上高は25,000百万円(同10.4%減)を見込んでいる。

重点施策としては、製品品ぞろえを拡大し市場での競争力を強化する。また現地生産の拡大によりサプライチェーンの最適化を図る。

c)中国
引き続き景気の減速傾向が続くと見ており、景気回復には不透明感が残る。しかしシェアアップ、特に東北・内陸部での潜在需要を掘り起こし売上拡大を図る。現地通貨ベースでの売上高は横ばいから微減を予想しているが、為替の影響により円ベースでの売上高は6,100百万円(同17.8%減)を予想している。

施策としては現地生産をさらに拡大し、製品強化による市場シェア拡大を目指す。またコスト削減をさらに進め、利益確保の施策を継続する。

d)アジア
中国経済の減速がアジア経済に影響し、設備投資の成長が鈍化する公算が強く、引き続き現地のマクロ経済の動向を注視していく。タイでは緩やかな需要回復を見込んでいる。売上高よりも利益を優先する方針であり、このような状況から売上高は5,000百万円(同6.0%減)を予想している。重点施策としては、クレーンのメンテナンスなどサービス事業やホイスト販売を強化する。またタイでの生産拠点集約化が終了したことから、更なる収益性の改善を目指す。

e)新規子会社
2016年2月1日付でイタリアのWeissenfels Tech Chain社を100%子会社化した。Weissenfels社の主要事業はチェーン及びチェーン関連製品の製造販売で、売上規模は約1,100百万円と推定されているが、実際はもっと低いようだ。Weissenfels社は破産により裁判所の管理下となり、破産管財人から約845百万円で事業譲受した。今期後半から「欧州地域」に連結されるが、上記の予想には含まれている。

もう1つの買収は2016年4月29日付で豪州のScaw Metals Pty Ltd.及びその子会社PWB Anchor Ltd(PWBA社)の全株式を取得した。PWBA社は元々同社の豪州での総販売代理店であり、事業内容は同社のホイスト製品の販売、チェーン製品の製造販売を行っており、前者が事業の約40%、後者が60%となっている。前期実績の売上高は約1,800百万円、取得価額は約500百万円。今期後半から「その他地域」へ連結されるが、予想には含まれている。

f)設備投資と減価償却
今期の設備投資額は3,000百万円(前期2,031百万円)、減価償却費2,350百万円(同1,814百万円)の予定。投資額の増額分(約1,000百万円)の大部分は社内ERPシステムの更新(まず日本と米国)に使う計画だ。後述するように同社は新しい中期経営計画の中で「“One KITO”の実現」を掲げており、その施策としてグループERPの統合を進めるが、今期のこの投資(増額分)はその一環である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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