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【注目トピックス 日本株】サン電子 Research Memo(1):情報通信分野における成長市場への参入により、成長を加速

2016年7月15日 16:30

サン電子<6736>は、情報通信関連事業とエンターテインメント関連事業を2本柱とするIT機器メーカーである。2007年に買収したイスラエルのCellebrite Mobile Synchronization Ltd.(以下、セレブライト社)が展開する携帯電話関連機器が、米国市場を中心に急成長してきた。特に、携帯機器販売店向けに加えて、世界中で需要が拡大している犯罪捜査機関向け(以下、フォレンジック) が同社の成長をけん引している。一方、厳しい業界環境に置かれているエンターテインメント関連事業が縮小傾向にあるものの、創業時から脈々と受け継がれるベンチャースピリットと開発力を武器として、導入実績が増えてきたM2M事業のほか、AR(拡張現実)※市場、クラウドビジネス市場など、情報通信分野における新たな成長市場への参入により、成長を加速する方針である。

※AR(拡張現実):Augmented Realityの略で、拡張現実のこと。フルCGで現実のような世界をつくるバーチャルリアリティー(仮想現実)とは異なり、現実の光景に様々なデジタル情報を重ね合わせて、現実世界の延長として表示する技術などを指す。

2016年3月期の連結業績は、売上高が前期比16.3%減の22,877百万円、営業利益が同82.1%減の408百万円と計画を下回る減収減益となった。遊技台部品事業の縮小は前期の好調さを織り込み、想定内であったものの、ホールシステム事業がパチンコホールの投資意欲の冷え込み等により想定を若干下回ったほか、これまで急拡大してきたモバイルデータソリューション事業が主に一時的な要因等により落ち込んだことが大きく影響した。損益面でも、前期業績の足を引っ張ったホールシステム事業の損益改善を図ったが、粗利益率の高いモバイルデータソリューション事業の落ち込みが利益水準を押し下げた一方、今後の成長に向けた積極投資(モバイルデータソリューション事業における拠点開設や各情報通信関連事業への開発費投入など)を継続したことから大幅な営業減益となった。

2017年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比4.9%増の24,000百万円、営業利益を同71.3%増の700百万円と増収増益を見込んでいる。引き続き厳しい業界環境にある遊技台部品事業及びホールシステム事業の縮小を想定しているものの、モバイルデータソリューション事業を再び成長軌道に戻すことで業績の回復を図る計画である。また、注力するM2M事業についても導入実績の積み上げにより大きく伸びる見通しとなっている。弊社では、前期業績にブレーキをかけた一時的な要因(買い替え需要の先食いによる反動減や予算執行の延期等)が解消に向かうことや、世界的な需要の拡大等を追い風としてモバイルデータソリューション事業が大きく回復するものとみており、同社の業績予想の達成は可能であると判断している。ただ、業績の伸びが総じて下期偏重になっているところには注意が必要である。

同社の成長戦略の軸は、情報通信関連事業の更なる強化である。モバイルデータソリューション事業のリ−ディングカンパニーとして世界市場の開拓を進めるとともに、新たな成長分野であるM2M事業、AR事業、クラウドビジネス事業の成長を加速するため、M&Aを含めて先進的な技術への積極投資を継続していく方針である。弊社では、一旦後退する格好となったモバイルデータソリューション事業の回復、さらには成長加速に向けた道筋のほか、新たな成長分野における収益源の育成や収益モデルの転換(ストックビジネスへのシフト)にも注目している。

■Check Point
・フランス、カナダ、中国に新たな拠点を開設、グローバル展開を強化
・17/3期はモバイルデータソリューション事業の伸びなどで増収増益見込み
・M2M事業、AR事業、クラウドビジネス事業を強化

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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