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【注目トピックス 日本株】アーバネット Research Memo(5):15/6期は実質的に4期連続の増収増益を実現

2015年9月15日 16:19

■決算動向

(1)過去の業績推移

過去の業績推移を振り返ると、主力である投資用ワンルームの販売戸数拡大がアーバネットコーポレーション<3242>の業績をけん引してきた。2011年6月期に業績が落ち込んでいるのは、2008年のリーマンショックの影響などによる金融引き締めを背景として、しばらく開発物件を凍結していたことによるものである。しかし、2011年6月期をボトムとして、金融緩和の動きとともに、順調に開発物件を積み上げることで業績は回復から拡大基調をたどっており、2015年6月期は実質的に4期連続の増収増益を実現するとともに、過去最高の売上高、営業利益を更新した。特に、投資用ワンルームの売れ行きが好調であることや、同社の少数精鋭による効率経営の効果も相まって、営業利益率は13.9%の高い水準に到達している。

一方、財務面では、開発物件の積み上げに伴い、有利子負債残高も増加しているが、内部留保の蓄積に加え、2015年6月には新株発行(約13億円)を実施したことにより、2015年6月期の自己資本比率は32.6%の水準を確保している。

(2) 2015年6月期決算の概要

2015年6月期決算は、売上高が前期比13.6%増の11,910百万円、営業利益が同39.4%増の1,652百万円、経常利益が同40.8%増の1,395百万円、当期純利益が同14.4%増の873百万円と大幅な増収増益となった。2度にわたって増額修正となった業績予想に対しては、売上高がほぼ想定どおり、営業利益では若干上回る着地であった。なお、当期純利益の伸び率が比較的緩やかなのは、税務上の繰越損失が2014年6月期に解消したことにより、法人税等が普通に適用されたためである。

主力の不動産開発販売事業において、販売戸数が554戸(前期比28戸増)に伸びたことが増収に寄与した。特に、販売単価の高いコンパクトマンションの販売戸数47戸(前期は3戸)が業績貢献した。賃貸事業についても、前期に取得した賃貸収益物件(1棟27戸)の通年稼働や今期取得分(1棟30戸)の上乗せにより小規模ながら伸長している。

一方、利益面でも、地価の上昇や円安の影響を含めた建設資材の高止まりがあったものの、海外投資家に対する直接分譲(1棟39戸及び店舗)や売上総利益率の高いコンパクトマンションの販売があったことから原価率が大きく低下し、営業利益率は13.9%(前期は11.3%)に上昇した。

貸借対照表の状況については、総資産が15,576百万円(前期末比44.8%増)と大きく拡大した。その内訳として、2016年6期に販売を予定している竣工済の販売用不動産1,895百万円(前期末比62.5%増)のほか、開発中の仕掛販売用不動産が8,689百万円(同37.7%増)と順調に積み上がったことに起因する。また、固定資産も賃貸収益物件の取得などにより2,137百万円(同109.5%増)と増加した。

財務の状況については、2015年6月に新株発行(約13億円)を実施したことにより、純資産が5,081百万円(前期末比59.9%増)に増加したことから自己資本比率は32.6%(前期末は29.5%)と改善した。一方、有利子負債残高についても、棚卸資産(販売用不動産及び仕掛用販売用不動産)の増加により、長短併せて8,077百万円(前期末比29.0%増)に増加しているものの、短期の支払い能力を示す流動比率は217.8%(前期末は186.9%)と高い水準を確保しており、財務の安定性はさらに強化されたとみることができる。

キャッシュフローの状況についても、営業キャッシュフローが大きくマイナス(1,245百万円の支出)となっているのは、売上計上を上回る積極的な用地取得(2016年6月期以降の販売予定分)を行ったことによる。また、投資キャッシュフローのマイナス(1,055百万円の支出)も賃貸収益物件の取得によるものである。

弊社では、地価が上昇傾向にあることに加えて、用地確保が難しくなってきた環境下において、財務の安定性を維持しながら、将来の成長に向けた積極的な用地取得や新たな安定収益源(並びに担保余力)の確保に取り組んできたところは評価すべきポイントであると捉えている。

2015年6月末現在の自社開発物件の状況は以下のとおりである。2018年6月期までの販売予定物件として1,410戸のプロジェクトが進行している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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