マネーポストWEB「マネーポスト」公式サイト

FiscoNews

【注目トピックス 経済総合】フィスコ世界経済シナリオ:中国、今後の米国債売り圧力の強まりは資金需要の逼迫と捉えられる可能性

2016年9月5日 17:50

8月15日に米国財務省が発表したデータによると、6月末現在の中国の米国債保有残高は1兆2408億ドルとなった。6月中に32億ドルを売却したものの、引き続き世界一の米国債保有国となっている。ちなみに、同月に日本は145億ドルを購入、保有残高は1兆1477億ドルになっている。中国の米国債売りはたびたび話題になるが、2015年3月以降で見ると、月間の最大の売り越し額は184億ドルに過ぎず、最大買い越し額も141億ドルにとどまり、ほとんど大きな変動は見られていないことになる。

一方、2013年後半から翌年始めにかけて、ベルギーの米国債保有が話題となった。2013年9月末の保有残高1725億ドルから2014年3月末には3814億ドルまで増加、2014年はほぼ1年間、米国債保有残高の世界第3位の位置をキープしている。この背景としては、中国が第三国であるベルギーを経由して米国債保有高を膨らませたとの見方が有力であった。ベルギーには国際証券決済機関「ユーロクリア」があり、国名を知られないようにユーロクリアの口座を通じて米国債取引を行なったとみられている。2015年に入ってからベルギーは売却傾向を強め、現在は1563億ドルと、急拡大以前の水準となっている。つまり、2015年はベルギーを経由して、中国が米国債を大きく売り越したものと考えられる。

このように第三国を経由する背景として、米国の「国際非常時経済権限法」の存在が挙げられよう。これは、米国の安全保障や経済に重大な脅威が発生した場合、外国が保有する米国の資産については、その権利の破棄や無効化などができるという法律。非常時には中国が持つ米国債も凍結される可能性さえあり、例えば、中国が米国債の大量売却を試みれば発動される公算があるとの見方も。今後も中国が米国債保有を膨らます場合はこうした第三国を経由する動きが想定されるほか、徐々に現在保有している米国債を緩やかに売却して、第三国経由に移管していく可能性もあろう。

ベルギーの米国債保有残高は、すでに大幅増加前の水準まで減少している。中国の国債保有残高は徐々に減少傾向であるものの、上述の要因から今後さらに大きく売り越す状況は想定しにくい。米国債が売却しにくくなった一方で、中国は足元で米国株の保有を減少させている。2015年7月末から2016年3月末までに、保有する米国株を38%、金額ベースで約1260億ドル相当削減している。もともと中国人民銀行の資産の大半は外貨準備で賄われており、つまり、外貨資産を対価に中国国内で信用創造を行っているため、外貨の減価は担保価値の下落につながることになる。こうした状況のなか、今後どこかの段階で、米国債の売却ペースを早めるようなことになれば、資金の逼迫感が相当強まっているとの解釈がなされることになろう。

<WA>

fisco

「マネーポストFX」の注目記事

半年の最大損失が約6万円なのに、取引全自動で稼ぎは50万円以上のFX
取引全自動のFXシストレ 5万円元手に1か月で8万円稼いだ実力
忙しくてもFX自動売買で1000万円儲けたトレーダー
40代投資家 「守り」を意識した売買で5000万円突破
相場観ゼロでもFXで1000万円稼ぐ方法とは
  • 約1年で140万円の儲け 暴れ馬ポンドで稼いだFXシストレ
  • 年間利回り10%以上も可能 海外銘柄で配当投資を始める方法
  • 2017年夏号(6月1日発売号)

    大特集は〈ただならぬ大化け株 総力発掘50〉。藤野英人氏が見出した「次世代テーマ株」や、戸松信博氏、藤井英敏氏らが注目する爆騰期待の個別株をランキング形式で紹介。橘玲氏、森永卓郎氏らによる連載も充実。定価620円。お早めにお求めください。

    当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。

     日頃、雑誌『マネーポスト』をご愛読いただきまして誠にありがとうございます。このたび、『マネーポスト』は2017年夏号(2017年6月1日発売号)をもって、当サイトに完全移行・統合することとなりました。
     これまでのご愛顧に心から感謝いたしますとともに、「マネーポストWEB」も同様にお引き立ていただければ幸いです。

    2017年夏号(6月1日発売号)

    大特集は〈ただならぬ大化け株 総力発掘50〉。藤野英人氏が見出した「次世代テーマ株」や、戸松信博氏、藤井英敏氏らが注目する爆騰期待の個別株をランキング形式で紹介。橘玲氏、森永卓郎氏らによる連載も充実。定価620円。お早めにお求めください。

    当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。

    小学館雑誌定期購読小学館のプライバシーステートメント問い合わせ広告掲載について

    © Shogakukan Inc. 2017 . All rights reserved. No reproduction or republication without written permission. 掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。