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アイチ・森下安道伝 トランプタワーを買った男は漁師の末っ子として生まれた

2021年11月7日 19:00 週刊ポスト

広大な敷地に立つ森下家の墓
広大な敷地に立つ森下家の墓

森下家の墓の総工費は25億円

 安道の従兄弟、栄治をはじめ福江町民にとって忘れられないのが、伊作の葬儀だという。医王寺の住職、小川和尚がこう振り返った。
 
「あのときは驚いたでな。届いた花が本堂に入りきらんで困ったんだわ。ここら一帯が生花と花輪だらけになってしもうてね。東京からたくさん有名人が焼香にいらして、大変な騒ぎでした」
 
 安道の父森下伊作が没したのは、1985(昭和60)年6月19日のことだ。奇しくも安道と同じ享年88だった。すでに末子の安道が金融業「アイチ」を軌道に乗せ、巨万の富を築いていた。伊作を東京に呼び寄せて父親にアイチの社長の肩書を与え、自らは会長に就いていた。
 
 アイチ社長として物故した伊作の告別式に寄せられた花は、あまりに多すぎて本堂どころか寺の境内にもおさまらなかった。この日は田原市はもとより、愛知県内の樒や生花が消えたといわれたほどだ。仕方なく告別式の花は、実に医王寺の門から延々2キロメートルほど道路わきに並べられた。参列者はむろん、町の住民が目を見張った。従兄弟の栄治は今もその異様な光景を鮮明に覚えているという。
 
「ここはやっぱり田舎なもんで、葬儀場もないから告別式は寺でやるしかない。といっても花の注文の数が多すぎて寺には置けない。生花はいったんヴィラ・アイチに集められ、そこからアイチの社員たちがこっちに運んだのよ。あんまり花が多すぎるので、前後の2段に工夫して並べたんだ」

 ヴィラ・アイチとは、森下がアイチの保養施設として伊良湖岬につくったリゾート施設だ。敷地内にはヘリポートがあり、告別式には森下自身や親しい関係者がそこから医王寺へ向かった。栄治の回顧談。
 
「安道さんは東京から自家用ヘリでヴィラ・アイチまで飛んで来て、そこから車で寺にやって来ていました。大月みやこさんもいっしょだった気がします。千昌夫さんもいたかな。とにかく有名人がたくさん見えていましたね。でも、交通の便が悪いもんで、大変だったと思います。なにしろ日本全国から、いろんな方がお見えでしたから」
 
 前述したように医王寺に向かうルートは、JR豊橋駅で新幹線を下車し、そこから自動車を使うパターンが一般的だ。もっとも、数千人にのぼる告別式の弔問者がいたら、とてもじゃないが、駅のレンタカーやタクシーでは足りない。栄治が当時の記憶をたどりながら語る。
 
「豊橋駅で新幹線が停まるたびにどんどん人が降りて来る。人がたまってしもうて大変だ、となったんです。バスもあるけど、ほんのわずかしか出やなもんで、どうもならん。それで、前に福江の町長をやっとった人が、『市営バスを抜いて(チャーターして)こよう』言うてな。暇な路線のバスを3便ぐらい使って参列者を運んだんだ。それでも足りんから、豊橋鉄道のバスも頼んでピストン輸送してもらったんだわ」

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