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【注目トピックス 経済総合】中国の外貨準備は張子の虎、資金ショートに備えろ【世界の金融市場シナリオ分析、中国のヤバイ経済学編(1)】

2016年9月16日 15:32


中国の外貨準備は2016年6月末時点で3.21兆ドルと依然として世界最大規模を誇る。ただ、ピークである2014年6月の3.99兆ドルから減少を続け、2015年9月の約3,000億ドルを筆頭に、月間1,000億ドル超も減少した月が散見された。中国の外貨準備は、どのような性質の資金で、どのような状況にあるのか。それによるシナリオなどは事前に準備しておきたいところだ。

日本の外貨準備の状況は、2016年8月末時点で1.25兆ドル。中国との差は圧倒的に見える。ただし、日本の内訳が米国債、各国中央銀行への預金で95%が占められているのに対して、中国の外貨準備に占める米国債は1.2兆ドルと40%を下回る。

中国では、企業が貿易や対外借入等によって獲得した外貨の大半は銀行に預託させられており、そもそも日本の外貨準備と性質が異なる。日本の外貨準備は為替介入などに充当できる資金であるが、中国の過半以上がそのような状況にない。しかも、海外金融機関は中国から資金を引き上げている局面にあり、中国への対内投資額も大幅に減っている。

また、グローバル・フィナンシャル・インテグリティー(アメリカのシンクタンク)によれば、国外へ不正に流出した外貨準備は最低でも1兆ドル以上、最悪のケースで3.76兆ドルとも試算されている。

国際通貨基金(IMF)の手法によれば、中国にとって安全といえる外貨準備の最少額は2.8兆ドルとされている。中国の外貨準備で確実に存在しているのが保有分米国債の1.2兆ドルだとすると、2015年央から2016年初のような外貨準備の減少局面においては、額として心もとない。

外貨準備が枯渇するという状況になれば、IMFへの支援要請、海外への外貨流出の封鎖などが両極端のシナリオとなろう。いずれの場合でも、それに至る前に大幅な元安、それによる外貨建て負債のデフォルトなどが観測されることになろう。前者では様々な改革を強要されて名実ともに世界経済の一員になるが、後者の場合では鎖国に近い状況も想定される。

執筆
フィスコ取締役 中村孝也
フィスコチーフアナリスト 佐藤勝己

【世界の金融市場シナリオ分析】は、フィスコアナリストが世界金融市場の今後を独自の視点から分析、予見する不定期レポートです。今回の中国経済についてのレポートは、フィスコ監修・実業之日本社刊の雑誌「Jマネー FISCO 株・企業報」の次回号(2017年1月刊行予定)の大特集「中国経済と日本市場(仮題)」に掲載予定です。


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