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【注目トピックス 経済総合】【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(1):◆大イベント前の売り仕掛け◆

2016年9月18日 16:32


〇悪材料揃い、売り仕掛けの公算〇


誰もが様子見になりがちな大きなイベント前に、売り仕掛けを行う投機筋がいる。6月の英国民投票前にも波状的に繰り返された(予想外の結果となって記録も記憶も消えたが)。レイバーデ—明けの先週、直ちには発生せず、8日の「ECB(欧州中央銀行)動かず」を見極めて、攻勢を賭けてきた印象だ。基調として、ボックス圏は崩れないと見るが、20-21日の日米金融政策会合まで波状的に繰り返される恐れはある。また、「蟻の一穴」がダムを崩すリスクもゼロではない。

日米欧の国債利回りが上昇(債券が売られた)したのは事実だが、米株急落を「9月利上げ観測の高まり」とするのは無理があろう。要因とされたボストン連銀総裁の発言はよくある発言で、特段9月を指す具体的なものではない。短期金融先物市場での予想確率は一時30%に上昇したようだが、その後ハト派発言が出て20%に戻っている。独10年物国債利回りがプラス圏を回復したのは手仕舞い売り、日本の20年物国債利回りが5ヵ月ぶり水準(0.435%)に上昇したのはイールドカーブ平坦化を日銀が見直すとの観測が要因。大きな背景としては、投資家が金融政策の限界感を持ち始めているためと思われる。

米株には悪材料が重なった。9日、米下院はサウジを標的とする「テロ支援者制裁法」を可決した(上院は5月に全会一致で可決)。オバマ大統領は拒否権を発動する見込みだが、対イランで拗れた関係の修復に動いていた矢先で、再び米−サウジ関係が緊迫する恐れがある。既にサウジ政府は激しく反発しており、米国債など約7500億ドルの米国資産売却に動く構えを見せている。

韓国・韓進海運破綻を巡っての動きが慌ただしくなった。米国は急遽、商務省副次官補を9日、韓国に派遣し協議に入った。7日開催の米GSの年次会議「流通業カンファレンス」は切迫した物流混乱で持ち切り、流通業の戦略を話し合うどころではなかったと言う。「ブラックフライデー」(11月最終金曜日)からクリスマス商戦に多大な影響が出ると懸念されている。既に140億ドル相当の荷物が荷揚げできずにいるとされるが、そもそも韓進の貨物の9割は海外荷主。国際物流への影響について、韓国政府の無策ぶりが霧笛のように響く。

北朝鮮の核実験は今までにないレベルに入ったとされる。米共和党が「オバマ政権の失敗の結果」と批判を強めているが、中国の北朝鮮支援を巡って軋轢が増大するリスクがある。杭州G20など一連の会議が終わっても、オバマ政権の失敗が目立ち、次期大統領の政策にも迷走感が拭えない。また、米ロで何度目かのシリア停戦で合意したが、前向きな評価より、今までの失敗のツケと見る見方が多いようだ。

原油相場は前日の在庫急減による急上昇から一転、大幅反落した(WTIは前日比1.74ドル安の45.88ドル/バレル)。在庫減は熱帯暴風雨による一時的現象と看做された。また、アップルの新製品「アイフォーン7」への失望感も出た。

地合い悪化が言わせた材料もあるので、各々の材料評価は微妙だが、ネガティブさの織り込み度合いを注目することになろう。ただ、日本株は米株ほど売られない可能性がある。投機筋の円ロングが手仕舞い(IMM通貨先物の円買い越しが9/6時点で前週比9172枚減少)に向かう公算があるためだ。円安含みで推移すれば歯止めの役割を果たそう。日経平均は16000~17500円のボックス圏内の動きが続くと想定する。


以上



出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(16/9/12号)




<TM>

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