マネーポストWEB「マネーポスト」公式サイト

ビジネス

「バブルの王様」森下安道伝 日本屈指のゴルフ王、そして政界の金主へ

2021年12月18日 19:00 週刊ポスト

複数のゴルフ場を保有していた森下安道氏(写真左、1986年撮影)
複数のゴルフ場を保有していた森下安道氏(写真左、1986年撮影)

【連載『バブルの王様』第7回】貸付総額1兆円のノンバンク「アイチ」を率いた“街金の帝王”森下安道は、やがて金融界に留まらぬ存在に上り詰めていく。巨大なカネの力が政治をも動かしていったのだ。『バブルの王様 アイチ森下安道伝』の7回目、ノンフィクション作家・森功氏がレポートする。(文中敬称略)。

 * * *
「ここができた頃はまわりに大きなビルがなくて、見晴らしがよかったんです。遠くの富士山がはっきりと見えていたくらい。京王プラザができてから、隠れてしまった。このあたりもすっかり変わりました」
 
 1989(平成元)年冬に東京・四谷のアイチ本社ビルの会長室で森下安道に初めて会ったとき、本人がそう昔話をしていたことを思い出した。とかく暗いイメージが付きまとう貸金業者の根城を、吹き抜けの総ガラス張りの明るいビルにしたことが自慢だったのであろう。森下には、そんな子供のようなところがあった。本社ビルを建てて間もなく、京王プラザをはじめとした西新宿の高層ビル群が現れた。
 
 森下はバブル景気の訪れるずい分前から貸金業者として大きな財を成し、これでもかといわんばかりの錦衣玉食を楽しんだ。なぜあれほどまで莫大な財産を手にできたのか。その錬金術について、森下を知るある同業者は次のような自説を展開した。
 
「突き詰めると、森下さんは金融業者ではなかったんだと思います。手形割引でカネを貸していた頃はたしかにそう見えたけど、そこから先のやり方は違う。言ってみたら、森下さんの頼りは土地なんですね。つまり不動産屋だった。戦後、上がり続けてきた優良な地べたを持てば間違いなく儲かる、という土地神話の信奉者。土地を担保にカネを貸した時点で、すでにそれを自分のものにしている感覚でした。株にしても、美術品にしても、表向きそれを担保にカネを貸しているけど、よくよく見ると相手は土地持ち。金利で儲けながら、同時に不動産を自分のものにする。それが森下さんの狙いだったように感じます」

 単なる手形割引業者からゴルフ場経営に乗り出したのも、土地神話を信じるがゆえの発想だったかもしれない。おまけに森下は、単純なゴルフ場のオーナー経営だけではおさまらなかった。ゴルフ場を始めると、会員権という金券を刷りまくり、莫大な資金をかき集めた。会員権商法の先駆者でもある。
 
 もとはといえば、日本の会員制ゴルフ場は、政府や自治体がその公共性を認めて認可する非営利事業だった。が、1950(昭和25)年代後半に入って営利目的の運営が認められ、経営の形が一変する。と同時にゴルフ場の株式会社化が許され、創業者がメンバーに株を売るようになった。それはあくまで資本を募る形だったが、さらにそこから会員の仕組みが生まれる。新たにゴルフ場に入会する資格としてメンバーに保証金を納めさせるようになった。

不動産売却の完全マニュアル
不動産売却の完全マニュアル
【2021年版】不動産一括査定25サイトを徹底比較!
【2021年版】不動産一括査定25サイトを徹底比較!
【無料】すまいValueで大手6社に不動産一括売却査定
【無料】すまいValueで大手6社に不動産一括売却査定

注目記事

2か月で15万円の利益を狙えた?FX自動売買のドル円取引例
人気の最新FX自動売買を8選!稼ぐ投資家の秘訣も紹介

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。

SNSでマネーポストWEBをフォロー

  • facebook:フォローする
  • twitter:フォローする

【お知らせ】

2021年4月1日以降の価格表示に関して

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。