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バブルの王様・アイチ森下安道伝 ピーク時はゴルフ場18コース所持

2022年1月2日 19:00 週刊ポスト

千葉県君津市の「上総ゴルフクラブ」(現・上総モナークカントリークラブ)のオープニングセレモニーには、ジャック・ニクラウスを招聘した(右奥が森下安道氏)
千葉県君津市の「上総ゴルフクラブ」(現・上総モナークカントリークラブ)のオープニングセレモニーには、ジャック・ニクラウスを招聘した(右奥が森下安道氏)

【連載『バブルの王様』第8回】ゴルフ会員権ビジネスを始めた“街金の帝王”森下安道(1932~2021)は、政界にも金主として手を貸していく。その影響力は、やがて“ゴルフ界の帝王”を日本に呼び寄せるほどになっていった。『バブルの王様 アイチ森下安道伝』の8回目、ノンフィクション作家・森功氏のレポートをお届けする(文中敬称略)。

 * * *
 1976(昭和51)年12月の衆議院総選挙で、アイチの森下安道が新自由クラブのために用立てた選挙資金は、3000万円だけではない。山口敏夫はいまも森下に感謝し、こう打ち明ける。
 
「あのとき森下さんにつくってもらったのは、3000万円どころじゃありません。やっぱり選挙にはカネが必要だから、そのあとも何回か手形で用立ててもらいました。1回あたり2000万円くらいだったかな。あの選挙で森下さんに億単位の選挙資金を頼る結果になりました」
 
 党の選対委員長を務めた山口は、選挙の成果について豪語した。
 
「それで、新自由クラブの風が吹いてね、7割がた当選したのです。私は100人擁立すると言っていたんだけれど、結局、河野も西岡も選挙については戦略も資金も頭になかったから、25人しか候補者を立てられませんでした。仮にあのとき、300人擁立していたら、政権を取っていたかもしれませんよ」

 ロッキード事件の金権政治に嫌気がさした多くの国民が、新自由クラブの河野洋平や西岡武夫、田川誠一ら清新なハト派の保守路線を熱く支持した。それはたしかだ。しかし、間もなく革新系の中道政党をつくろうとした河野や田川に対し、西岡や山口は非自民系の新保守政党の色を濃く打ち出そうとしたとされる。挙げ句、執行部の立場が分かれた。路線対立した新自由クラブは、瞬く間に瓦解していく。ただし、山口はそうした政治的なイデオロギーより、政治資金という現実的な観点から、新自由クラブ失墜の問題をとらえているようだ。こう話した。
 
「河野洋平は河野一郎の息子で、田川誠一は三浦半島の資産家のボンボンなんです。河野の父親である一郎は、ロシア大使館の脇にでかいビルをつくって、息子の洋平や太郎は中国の半導体企業でビジネスをしてきた。本当は大変な資産家なのだけれど、彼らはそれを政治に使う価値観がなかったんだね。そういうところで私も苦労しましたよ」
 
 つまるところ、旗を揚げたばかりの新自由クラブで台所事情の面倒を見てくれたのが、アイチの森下だった。山口はそう謝辞を送るのである。

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