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【注目トピックス 日本株】泉州電業 Research Memo(3):2021年10月期は銅価格急騰、需要回復で51.8%の営業増益

2022年1月7日 15:03

■業績動向

1. 2021年10月期の連結業績
(1) 損益状況
泉州電業<9824>の2021年10月期の連結業績は、売上高92,463百万円(前期比24.5%増)、営業利益4,743百万円(同51.8%増)、経常利益5,004百万円(同47.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,583百万円(同52.4%増)となり、売上高と親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を更新した。期中の平均銅価格は1,012千円/t(前期比48.8%増)であった。

増収の最大の要因は銅価格が上昇したことであるが、半導体製造装置向けや、工作機械向けなどに加えて自動車業界向けが回復したことから実需も堅調に推移した。また子会社群も好調であり、特にエヌビーエス(株)とアシ電機(株)が連結業績に大きく寄与した。銅価格が上昇したことから売上総利益率は低下したが、増収により売上総利益は前期比15.3%増となった一方で、販管費の伸び率が2.5%にとどまったことから営業利益は大幅増益となった。

営業利益の増減要因を分析すると、増益要因としては銅価格の上昇を含めた増収による増益(売上総利益の増加)が1,843百万円、コロナ対策による旅費交通費及び通信費の減少が25百万円、減価償却費の減少が16百万円などで、減益要因としては、運賃及び荷造費の増加66百万円、給与及び賞与の増加20百万円、賞与引当金繰入額の増加76百万円、退職給付費用の増加6百万円、その他費用の増加44百万円などであった。

期間中の設備投資額は409百万円(前期223百万円)、減価償却費は572百万円(同588百万円)であった。投資の主な内訳は、沖縄物流センター関連20百万円、土地取得200百万円など。

(2) 財務状況
2021年10月期末の資産合計は、前期末比16,588百万円増の83,990百万円となった。流動資産は同16,668百万円増の60,333百万円となったが、主に現金及び預金の増加7,873百万円、受取手形及び売掛金の増加5,017百万円、電子記録債権の増加2,678百万円、商品の増加1,069百万円などによる。固定資産は同79百万円減の23,657百万円となったが、主に減価償却費増や除却による有形固定資産の減少486百万円、投資有価証券の増加による投資その他資産の増加417百万円などによる。

負債合計は前期末比14,112百万円増の41,104百万円となった。流動負債は同14,163百万円増の38,426百万円となったが、主に支払手形及び買掛金の増加13,770百万円、未払法人税等の増加562百万円などによる。固定負債は同50百万円減の2,678百万円となったが、主に退職給付に係る負債の増加109百万円、その他固定負債の減少124百万円などによる。純資産合計は、主に当期純利益の計上による利益剰余金の増加2,885百万円などにより、同2,476百万円増の42,886百万円となった。

(3) キャッシュ・フローの状況
2021年10月期の営業キャッシュ・フローは、9,397百万円の収入となったが、主な収入は税金等調整前当期純利益5,109百万円、減価償却費572百万円、仕入債務の増加13,756百万円などで、主な支出は売上債権の増加7,661百万円などであった。投資キャッシュ・フローは63百万円の収入となったが、主な収入は有形固定資産の売却386百万円、保険積立金の解約342百万円などで、主な支出は有形固定資産の取得363百万円、保険積立金の積立350百万円などによる。財務活動によるキャッシュ・フローは1,742百万円の支出であったが、主に自己株式の取得1,000百万円、配当金の支払い697百万円による。

この結果、2021年10月期中に現金及び現金同等物は7,775百万円増加し、期末残高は25,496百万円となった。

2. 2021年10月期の商品別概況(単体ベース)
商品別の状況(単体ベース)は以下のとおりであった。

(1) 機器用・通信用電線
取扱商品の中では比較的付加価値が高く、銅価格の変動の影響が少ない商品である。売上高は29,353百万円(前期比20.8%増)となった。半導体製造装置関連が期を通して堅調に推移したことに加え、下半期には工作機械向けや自動車関連向けも回復した。

(2) 電力用ケーブル
主に建設用(ビル、工場、病院及び学校等の大型施設など)に使われる電線であるが、競争も激しく利益率は低い。オリンピック関連等は既に竣工済みの一方で、住宅・建設関連で回復が見られたが、数量ベースではほぼ横ばいで、銅価格の上昇により売上高は30,995百万円(同28.2%増)となった。

(3) 汎用被覆線
主に電力用より細い電線で、住宅などに用いられる。傾向は電力用ケーブルと同様で、期の後半に回復傾向が見られた。加えて銅価格の影響を受けやすいので、売上高は8,872百万円(同28.5%増)となった。

(4) その他電線
主に中小メーカー向けの銅裸線の販売であるため、販売価格はほぼ銅価格にスライドする。末端での需要そのものは低調であったが、銅価格の上昇から、売上高は4,552百万円(同52.4%増)となった。

(5) 非電線
電線以外の商品が含まれる。各種の加工品、付属品、周辺機器などで、主要製品はソーラー関連の部品及び加工品※とワイヤーハーネス関連だが、銅価格の影響は比較的小さく相対的に利益率の高い部門である。半導体関連向けや太陽光関連、小型コネクターが比較的堅調であった。売上高は13,126百万円(同17.8%増)となった。

※ソーラー関連は、ケーブルだけの場合は「電力用ケーブル」に、コネクター及び加工品が付いた場合は「非電線」に区分けされている。

(6) 子会社の状況
会社は「近年は連結決算において子会社の貢献度が大きくなってきている」と述べているが、2021年10月期においても子会社の健闘が大きかったようだ。個別の業績動向は開示されていないが、国内・海外子会社8社が黒字化(利益計上)しているとのこと。特に半導体製造装置関連を扱うエヌビーエスと自動車の製造ライン向け制御盤等を扱うアシ電機が好調であった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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