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【注目トピックス 日本株】フラベッドH Research Memo(3):現在の3ヵ年中期経営計画で営業利益の倍増を計画(1)

2016年9月30日 7:50

■中期経営計画

○数値目標
現在の中期計画は、2018年3月期までの3年間の伸長率を売上高の11.4%に対し、営業利益が倍増、親会社株主に帰属する当期純利益が2.2倍という数値目標を立てている。2014年3月期は、2014年4月の消費税増税前の駆け込み需要の恩恵を享受したが、2015年3月期はその反動減と消費低迷の長期化および診療報酬改定の影響を受けた。2015年3月期の売上高は前期比5.4%減、営業利益が同38.4%減、当期純利益が同35.2%減の減収減益となった。その水準との比較であるため、2018年3月期の計画値の変化率が大きくなる。ただし、営業利益目標(3,450百万円)は、駆け込み需要のあった2014年3月の2,799百万円と比べても23.3%高い水準となる。収益性の向上と在庫圧縮を図ることで、ROEを2015年3月期の2.4%から5.1%へ高める計画でいる。

○事業戦略と施策
フランスベッドホールディングス<7840>の成長戦略は、1)得意分野の強化策としての「福祉用具貸与事業を中心とした介護事業の深耕」、2)新たな収益機会の獲得のための「介護保険制度に過度に依存しない収益基盤作り」(「リハテック事業」の拡大)、3)安定的に収益を確保できるビジネスモデルへの転換策としての「インテリア健康事業の収益性の改善」の3つを掲げている。

○事業戦略の背景となる人口問題
日本は、世界に類を見ないスピードで高齢化が進んでいる。総人口に対して65歳以上の高齢者人口が占める割合を高齢化率という。世界保健機関(WHO)では、高齢化率が7%を超えた社会を「高齢化社会」、14%超を「高齢社会」、さらに21%を上回ると「超高齢社会」と定義づけている。日本は、2015年に高齢化率が26.7%となり、すでに「超高齢社会」に突入している。国立社会保障・人口問題研究所によると、高齢化率は2020年度に29.1%、2030年に31.6%、2060年に39.9%に達すると推計される。65歳以上の高齢者を支える生産年齢人口(15~64歳)の割合は、かつては1人の高齢者を支えるのが9人の「胴上げ」であったが、2010年に2.8人と「騎馬戦」に、2050年には1.3人と「肩車」に移行することになる。

日本の総人口は、2008年の1億2,808万人をピークに減少に転じた。国民医療費を年齢階級別に見ると、年齢が上がるに従い金額がかさむ。2013年度の人口1人当たりの医療費は、60歳未満が30万円に届かないのに対し、75~79歳の階級では78万3千円と金額がかさむ。「2025年問題」とは、1947~1949年生まれの団塊の世代約806万人が、75歳以上の後期高齢者になることである。国民の3人に1人が65歳以上の高齢者、5人に1人が75歳以上の後期高齢者になる。2015年の認知症の有病者数は517万人とされているが、2020年には675万人に増加すると推定されている。高齢者に占める有病者数の比率が2015年の15.7%から19%へ上昇する。厚生労働省の推計によると、2025年の医療保険給付は総額54兆円と現在よりも12兆円以上増えることになる。

2005年から2025年にかけて生産年齢人口は約16%落ち込み、労働力人口も5~12%程度減少すると見込まれている。一方、必要とされる介護職員数は倍増が予想されている。厚生労働省は、持続可能な制度として「地域包括ケア」という姿をめざしている。在宅療養支援診療所、訪問介護・リハビリなどの医療サービスの提供体制の強化が図れる。目指すところは、できるだけ長く自宅での生活を継続することにある。施設などでの介護人材不足や在宅での老老介護の増加に対応する、労力軽減と省力化につながる福祉用具のニーズが高まることになろう。同社グループは、認知症分野への取組みを厚くし、介護用ベッド、徘徊感知機器、生活動作支援システムやセラピーの用具などの商品を拡充する。「転ばなイス」も同ジャンルに入る商品となる。

2015年の日本女性の平均寿命は87.05歳と世界で1、2位を争い、男性は80.79歳と80歳を超え上位にある。平均寿命とは各年における0歳児の平均余命を指す。2013年の65歳の平均余命は、女性が24.31歳、男性が19.46歳となるため、余命から見た寿命は平均寿命より長くなる。重要なことは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間となる健康寿命との差となる。同社グループは、アクティブシニアと呼ばれる人たちの健康を応援し、毎日をより活動的に過ごすための商品やサービスのブランド「リハテック」に注力している。

日本の総人口が減少するため、日本の市場規模、特に若者向けは減少の一途をたどるものの、高齢者人口が増加するため高齢者を対象とする市場は成長分野になる。同社の事業戦略は、繰り返しになるが得意分野の福祉用具貸与事業を中心とした介護事業の深耕であり、健康寿命の延命を図るアクティブシニア向けブランド「リハテック事業」を育成して介護保険制度に過度に依存しない収益基盤を作ることにある。一方、市場規模の縮小が予想されるインテリア事業は、量より質、すなわち安定的な収益性の維持を追求することになる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

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