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【注目トピックス 日本株】シノケンG Research Memo(3):投資用の土地付き木造アパート販売のフロントランナー(2)

2016年10月3日 7:43

■シノケングループ<8909>の会社概要

d)不動産賃貸管理事業
ストックビジネスの中核となる事業。(株)シノケンファシリティーズにおいて、賃貸住宅の入居者募集、家賃回収及びメンテナンス等、賃貸住宅経営を全面的にサポートする賃貸管理事業を行っている。また、管理物件に関して売買が発生し、売買仲介に関与できた場合、売買仲介手数料は当該セグメントに計上される。2016年6月末の賃貸管理戸数20,070戸のほとんどが、同社グループが開発したアパート、マンションだが、若干、他社が開発した物件の管理も行っている。管理戸数20,070戸のうち、アパートが約16,000戸、マンションが約4,070戸のもよう。2015年の平均入居率は97.1%、2016年上期の平均入居率は97.5%と高水準を持続している。

このほか、(株)シノケンアメニティが東京で、(有)マンションライフが名古屋圏において、マンション管理事業(管理組合からの受託)、ビル管理事業を展開しており、清掃や設備点検などを行っている。マンション管理戸数は2016年6月末で4,457戸(前期末比752戸増)。

e)金融・保証関連事業
(株)シノケンコミュニケーションズにおいて、家賃の滞納が生じた場合に、滞納家賃を立替える家賃滞納保証業務を行っている。2015年12月期末の家賃滞納保証件数は13,955件(前期末比2,155件増)、保証残高は8.1億円(同1.5億円増)。延滞率は0.52%と非常に低位に抑えられている。新規の入居者には必ず加入してもらうため、アパート、マンションの販売に伴い着実に増加している。保証件数が賃貸管理戸数よりも少ないのは、約10年前に当該事業を開始する以前に入居してからまだ入れ替わっていない入居者がいるためで、時間の経過とともに賃貸管理戸数に近付いていくはずである。

以前は、同社グループからアパートを購入しようとする個人顧客が自己資金と金融機関からの融資だけでは購入資金が不足する場合に、同社から不足分を貸付けるバックアップローンを行っていた。近年は金融機関の不動産融資姿勢が非常に緩和しているためバックアップローンの必要性が薄れていることから、ここ4~5年は新規の融資実行がなく、融資残高は2016年6月末で2.7億円に過ぎない。

また、50%を出資する子会社のジック少額短期保険(株)においては、同社グループが販売したアパート、マンションの入居者向けに家財保険を販売している。

賃貸住宅の入居者やオーナーのニーズをくみ取り、2014年7月には同社独自商品である「孤立死原状回復費用保険」や「ストーカー対策費用保険」などの特約が付帯できる新たな家財保険「生活安心総合保険」の販売を開始した。高齢化社会の進展により賃貸住宅オーナーにとって高齢単身者の受入れは避けて通れない時代になっているが、従来の保険では孤立死した被保険者の法定相続人しか保険金を請求できず、身寄りがない場合には賃貸住宅オーナーが費用を全額負担せざるを得なかった。「孤立死原状回復費用保険」(特約)では、賃貸住宅オーナーを被保険者とすることでこの問題をクリアした。高齢単身者にとってもこの特約に加入することにより賃貸住宅への入居が容易になるため、社会的意義の高い保険と言える。

f)介護関連事業
担当事業会社は(株)シノケンウェルネスとその完全子会社である(株)フレンド及び(株)アップルケア。シノケンウェルネスが介護事業の統括会社となっている。

東京と福岡で3棟のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を保有、運営しているほか、大阪、東京でグループホーム6棟を主として保有、運営しており、2017年6月には福岡で新たにグループホームを開設予定。東京と福岡でデイサービスも展開している。2016年1月にそれまで提携先だったアップルケアの株式を取得し、完全子会社としたことにより、新たな介護サービスとして訪問介護、居宅介護支援が加わった。

また、既存の若年層向け賃貸マンション、アパートの空室をリニューアルし、24時間介護サービスの付いた高齢者向け賃貸住宅とする「楽らくプラン」というサービスを展開している。有料老人ホームに入所するのに比べ格段にリーズナブルで、生活の自由度も高く、このビジネスモデルは2013年度グッドデザイン賞を受賞した。

このように幅広い要介護度に対する多様なサービスをワンストップで提供できる体制が整ってきており、今後、収益機会が広がっていくことが期待される。

g)その他の事業
当該事業の中心となるのは、LPガス供給販売。そのほとんどは当社グループが販売したアパート、マンションの入居者に対するもの。担当する事業会社は(株)エスケーエナジー、(株)エスケーエナジー名古屋、(株)エスケーエナジー東京に加え、2016年4月に新設した(株)エスケーエナジー仙台であり、福岡、名古屋、東京、仙台の4拠点で展開している。2016年6月末のLPガス供給世帯数は16,908世帯(前期末比1,339世帯増)。アパート販売の進捗に伴い着実に増加している。

(3)ビジネスモデルの特徴と強み

a)「土地がなくても、自己資金が少なくても、アパート経営ができる」という業界の常識を覆すビジネスモデルの先駆者
アパート経営と言うと地主が相続税対策や遊休資産の活用のために行うものというイメージが強く、実際、大手ハウスメーカーや大東建託<1878>などでは地主に対し、そのような提案をし、アパート建築を請負っている。こうしたなか、同社では土地を持たず自己資金も少ない普通のサラリーマン、公務員層を主要ターゲットに、老後に向けた資産形成の一手段として土地付きアパートを提案するという業界の常識を覆す独自のビジネスモデルで事業を展開してきた。

地主向けのアパート建築請負も地主から特に要望があった場合などに限り行っているが、年に数棟程度に過ぎない。経営資源の効率活用の観点から、同社から地主に積極的に営業をかけることはしていない。

b)約26年のトラックレコードを背景に競争優位性を維持している
土地から購入して果たしてアパート経営が成立するのかという疑念が持たれるところだが、創業来約26年にわたり、同社グループが供給してきた3,000棟以上のアパートで経営破綻を起こしたことは一例もない。高い入居率を維持してきたこと、アパートローンは変動金利だが、創業来、総じて低金利が続いてきたことなどによる。高い入居率を維持できてきたのは、1)大都市圏の市街地で駅から10分圏内で賃貸需要が確実に見込めるエリアに限って物件供給をしてきたこと(売上高拡大のために立地条件を緩めることをしなかった)、2)若年層に訴求するデザイン性に優れた物件を供給してきたこと、3)狭小地や変形地などを生かすプラニング力に優れ(木造はプレハブに比べ土地の形状に合わせて設計しやすい)、比較的用地を安く取得してきたこと、4)大手ハウスメーカーに比べ建築費が格段に安いこと(戸当たり建築費は400万円程度)、5)大手ハウスメーカーに比べ建築費が安いことから競争力の高い家賃設定が可能なこと、などによる。

居住用の住宅ローンと異なり、アパートローンについては、借り手の信用力だけでなく販売会社の実績を金融機関は重視する傾向がある。こうした約25年のトラックレコードを背景に、2014年から年収が500万円程度あれば、頭金ゼロ(全額ローン)、融資期間35年、金利2%程度という破格の好条件でのアパートローンの利用が可能になっている。金利などの融資条件はアパート経営の上で非常に重要である。

土地付きアパート販売の競合会社としては、2015年12月に東証マザーズに上場したインベスターズクラウド<1435>や、比較的大きな未上場企業、シノケングループからスピンアウトした社員が起業した小規模な会社などかなり増えてきているが、フロントランナーとしての実績を背景にしたアパートローンの融資条件の優位性、狭小地や変形地におけるプラニング力などで競争優位性は高いと言える。

また、同社では一旦、用地を自ら取得するのに対し、インベスターズクラウドは自らのB/Sを通さず仲介の形で投資家に土地を紹介している。B/Sを通すビジネスモデルの方が、当然資金負担は重くなるが、1)迅速な用地仕入れができる、2)用地を分筆して複数棟開発するなど柔軟な企画が可能、3)顧客投資家がアパートローンの審査を否認されたような場合、その後の対応が容易、などの利点がある。

c)コンプライアンス重視のプル型の営業スタイル
投資用マンションの営業スタイルは、業界では電話営業が一般的。2011年2月に投資用マンション開発を行う上場他社が執拗な電話勧誘を繰り返していたとして国土交通省から業務停止処分を受けたことからもわかるように、電話営業は消費者とのトラブルを引き起こしやすい。

また、地主向けのアパート建築の営業スタイルは、訪問営業(飛び込み営業)が基本であり、これも過去、度々メディア等で批判にさらされてきた。

同社は営業スタイルの面でも業界では特異で、創業時からアパート販売において電話営業は行わず、セミナーやCMなどによるプル型営業を貫いてきた。投資用マンション開発の旧日商ハーモニー(現シノケンハーモニー)は2003年7月に同社が買収するまでは電話営業が主流だったが、同社が完全子会社化してからは完全にプル型営業に転換している。

同社からアパート、マンションを購入した顧客の満足度は高く、販売物件数の約3割が既存顧客のリピート、紹介となっている。営業に関してコンプライアンス面の不安は乏しいと言える。

d)フロービジネスでの販売に連れて自動的にストックビジネスが積み上がる
介護関連事業以外のストックビジネスの収益は、フロービジネスでの販売に連動して自動的に積み上がる仕組みになっている。

足元は金融機関の積極的な不動産融資姿勢などを受け、フロービジネスが高い伸びとなっているため、ストックビジネスの収益のウエイトは低下しているが、着実に積み上がっている。リーマンショックのような金融市場の激変などが起きた場合にはストックビジネスが業績の下支えとなるだろう。

また、ストックビジネスの柱である不動産賃貸管理事業では、高い入居率を維持しており、これがフロービジネスの営業においてプラスに働く(リピートや紹介につながるなど)といった好循環を生んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 堀部 吉胤)

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