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【注目トピックス 日本株】アップル Research Memo(6):2016年12月期第2四半期は一時的要因で大幅減収減益

2016年10月3日 16:13

■アップルインターナショナル<2788>の業績動向

(1) 2015年12月期 業績

前期は、後半に2度上方修正をするほどの好業績であった。期初予想と比較すると、売上高で58.9%、営業利益で144.0%、経常利益では294.1%増加した。実績は、売上高が前期比37.5%減の25,460百万円、営業利益が同2.4倍の1,322百万円、経常利益が1,339百万円、当期純利益が1,273百万円となった。前期比で大幅な減収となったのは、中国事業に関連する子会社が、連結対象から持分法適用へ異動したためである。収益性を高める手立てを講じたものの、期初予想以上に業績が好転したのは事業環境によるところも大きかった。今期は、中期経営計画の延長上に業績予想を置いたことから、期初から減収減益の予想であった。

(2) 2016年12月期第2四半期業績

2016年12月期第2四半期の業績は、期初予想に対して未達となった。期初予想比では、売上高が29.0%減、営業利益が50.1%減、経常利益が63.0%、四半期純利益が77.7%減であった。期初予想では、前年同期比で売上高が12.6%減、営業利益が13.1%減、経常利益が29.1%増、四半期純利益が59.3%増としていた。営業利益が落ち込むのに対して、経常利益が増えるのは、営業外費用に計上される支払利息が減少することと、持分法による投資損失がなくなることを想定していたためである。2015年12月に、連結子会社であるアイ・エム自販の全株式を譲渡することを予定していたが、1月に実行され、今第2四半期に株式譲渡に伴う特別利益102百万円が発生した。

a)タイの自動車物品税の改定-2016年前半の販売不振を引き起こす
今第2四半期の業績悪化の主因は、短期間の急激な円高による中古車輸出事業の不振による。そのうえ、2016年1月に、主要仕向地先であるタイで自動車物品税が改定され一時的な混乱が起きた。従来は、排気量と車種で税率が決まっていたが、新たにCO2の排出量が加味された。そのため、エコカーの税率は引き下げとなったが、それ以外の車種は総じて増税となった。増税前の駆け込み需要が2015年末にかけて発生し、その反動により2016年の1月−3月は前年同期比でマイナスとなった。

為替が、短期間に円高に振れたことも災いした。6月に円=米ドルレートは、2013年11月以来の100円割れになった。昨年末の為替レートを今年6月末と比較すると、対米ドルで13.2%、対タイバーツで11.5%、対シンガポールドルで9.9%の円高となった。タイが税制改正のため販売不振に陥ったため、シンガポールへの輸出に注力し、円高にもかかわらず輸出を伸ばした。円高になっても、一定の水準にとどまれば対処のしようがあるが、急激に変動している場合は、消費者の様子見や支払い遅延を引き起こすことがある。仮に円ドルレートが1米ドル当たり105円程度で落ち着けば、昨年より円高でも正常なビジネスに戻ることが可能である。

主要な中国子会社が連結対象から外れたため、日本と中国に事業区分を分けていたセグメント情報はなくなった。国内事業を仕向地別で海外輸出事業と国内事業に分けると、2016年12月期第2四半期の売上高は海外輸出事業の構成比が61.6%、国内事業が38.6%、調整額-0.3%であった。国内事業は前年同期比9.9%増加したのに対して、海外輸出事業は同54.4%減と半減した。

b)貸借対照表-自己資本比率が81.6%へ上昇
貸借対照表は、中国関連の子会社が連結対象から外れたため、大幅にスリム化した。2016年12月期第2四半期の総資産は、前期末比902百万円減少し8,202百万円となった。有利子負債は、同484百万円減の2,103百万円となった。短期借入金を1,854百万円減らす一方、長期借入金を1,102百万円増やした。1年以内返済予定の長期借入金を加えた流動負債の有利子負債は1,587百万円減少した。流動比率は前期末の161.2%から394.4%へ上昇した。一方、自己資本は、前期末比908百万円増の6,690百万円へ増加した。自己資本比率は前期末の63.5%から81.6%へ上昇し、財務の安全性がさらに高まった。

c)キャッシュ・フロー計算書
2016年12月期第2四半期末の現金及び現金同等物は2,337百万円と前期末比738百万円増加した。営業活動によるキャッシュ・フローは510百万円の支出となった。たな卸資産の増加801百万円が主な要因であった。投資活動によるキャッシュ・フローは、関係会社株式の売却による収入268百万円があったことから、423百万円の収入となった。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少による支出1,230百万円、長期借入金による収入1,600百万円などにより、266百万円のプラスになった。

(3) 2016年12月期通期予想-期初予想が据え置かれた

2016年12月期の通期予想は、第2四半期実績が期初予想を大幅に未達となったものの据え置かれた。これは、下期に上期の不足分を無理して埋め合わせようとするものでなく、上期の下方修正の要因が依然として残っているためであり、予算の修正作業が難しい。

期初予想は、売上高が前期比32.3%減の17,232百万円、営業利益が同34.7%減の863百万円、経常利益が同32.1%減の910百万円、当期純利益が同44.9%減の702百万円である。今期の予想は、前期の期初予想(売上高16,018百万円、営業利益542百万円)に対して増収増益の実現を目指した。

1米ドル当たり123円まで進んだ円安傾向も、今期に入って6月には100円割れの円高となった。また、中国の経済成長の鈍化の影響を東南アジア諸国が受け、消費者が1、2クラス下の車種を選ぶ現象が見られる。最大の問題は、タイの自動車物品税の改定と併せて輸入税が見直されていることで、規定が定まっていないことだ。この点がクリアーされれば、ビジネスが動き出すとみている。

タイの国内四輪車販売台数は、2012年に実施された自家用車の初回購入支援策により2013年前半まで好調であった。2014年は、ファーストカー購入支援の反動減、政情混乱、農産物価格の下落が影響して、年間販売台数が前年比33.7%減の88万1,832台となった。2015年は79万9,592台、前年比9.3%減少した。干ばつと農産物価格下落に伴う購買力低下、金融機関の自動車ローン借り入れ条件の厳格化などで不振が続いた。タイ工業連盟(FTI)は、自動車物品税の改定により、2016年の国内自動車販売台数を前年比2.5~6.2%減となる75万~78万台と予想している。4年連続の減少の見込みだが、減少幅は小さくなりそうだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

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