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【注目トピックス 日本株】ソーバル Research Memo(1):ファームウェアの事業基盤強化と共に多角的な収益構造を構築、更なる成長へ弾み

2016年10月7日 15:30

ソーバル<2186>は、2016年9月30日に2017年2月期第2四半期の連結決算を発表した。主力のファームウェアは堅調に推移したほか、受託開発業務の受注が増加した。さらに、新規技術分野への進出を加速、2015年5月に買収が完了した、アンドールシステムサポート(株)(以下、アンドール)の売上もフルに上乗せされた結果、第2四半期ベースでは2012年2月期以降6期連続の増収となり、過去最高を更新した。利益面は減益となったが、最大の要因は売上も利益率も高い受託開発へのシフトに伴い、人員配置の変更でタイムロスがあった一時的な要因のためであり、第3四半期以降は徐々に利益率が回復すると予想される。

ファームウェアという盤石な事業基盤をさらに強固なものにすると同時に、多角的な収益構造を構築することによって安定的で持続可能な成長を実現する。2017年2月期第2四半期は、投資家にとっても非常に分かりやすいこの基本戦略を着実に前進させた。ファームウェアは、受託開発案件の拡大を進めた。これにより、収益基盤の一層の強化・拡大を図ると同時に人材育成の充実も進めることができた。一方、新規技術分野の拡大も進んだ。IoT向けのクラウドプラットフォームの設計・開発、自動車の自動運転のための統合ECU(電子制御ユニット)の開発・デバックを進めたほか、新たに公共及び教育関連での各種管理システムの設計・開発を受注した。さらに、衛星、ドローン、ビッグデータ、医療の各分野でのシステム開発も受注した。多角的な収益構造への転換に努力した結果、特定顧客依存の収益構造からの脱却も進んだ。これら新規技術分野はいずれも既存の技術と親和性が高い上に、今後の市場拡大が期待できる分野であることから、技術の蓄積を行いながら、着実に事業拡大を図っていく方向性もはっきりしてきた。

一方、同社にとっての課題は、長年の悩みである人材確保であろう。インターンシップを頻繁に開催、昨年秋以降も採用活動を行ったが、4月の新卒採用は計画どおりの人数を確保できなかった。エンジニアは人手不足の状況であることから、同社の努力だけでは解決できない側面があり、課題解決の根本策はまだ見えない。ただ、同社は採用に関して質を最重要視しており、これを犠牲にしてまで人員を確保するつもりはない。また、同社は定着率が高く、連結の社員総数は確実に増えている。ノウハウの共有も進み、効率的に案件をこなせる体制も整っている。独自の教育体制も充実しているため、早い時期から新卒は収益貢献できる体制にもある。人材確保の難しさが同社の収益拡大のボトルネックになる可能性は否定できないものの、このような複数の対応策を駆使していけば、業績拡大の大きな妨げになるほどの深刻な問題ではないと考えていいだろう。

主力のファームウェアが盤石な事業構造であるため、焦点となるのは、更なる成長に向けての見通しだろう。具体的には、新規技術分野の収益貢献、つまり、事業の多角化がいつ、実現するかということが大きな関心事となる。2017年2月期通期の見通しは、当初予定に変更はない。増収増益予想となっているが、利益の伸び率は低く見積もられている。事業の多角化実現のために新規の取り組みに対して、利益確保よりも技術の蓄積や、新規顧客の獲得を優先することにしているためである。2018年2月期以降に関しても、収益貢献の見通しに関するコメントはない。ただ、増収増益を確保しながら多角化を進めるという方針を明確に打ち出している点には注目すべきだろう。その裏には、盤石な既存事業が存在し、その収益の範囲内で新たな投資を進めるという堅実経営の姿勢がはっきりと現れている。新規技術分野の収益化に期限を設定しない分、時間にとらわれない着実な取り組みが期待できると考えられる。2017年2月期通期の業績見通しに関しても、この予想はいわば、必達目標であり、下振れる可能性は低いと見ていいだろう。

また、増益率が低めであるからこそ、同社は株主への積極的な還元を行う姿勢を強めている。第2四半期に行われた自社株買いもその1つである。

これらは、株主・投資家への重要なメッセージである。株主・投資家にとっては今後の成長の実現だけを期待すれば良いという銘柄であり、会社側も成長の時間軸を明示しない分、足下ではできる限りの還元策を講じている。そういう意味で、中長期的な投資先として引き続き目の離せない銘柄と言えるだろう。

■Check Point
・新規技術分野では、自動車と医療分野が着実に進展
・17/2期は増収増益を見込む
・事業の多角化を図る。まずは利益確保よりも技術の蓄積や、新規顧客の開拓に注力

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)

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