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【注目トピックス 経済総合】【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(4):◆膠着感・停滞感がある事業分野に大胆なメスを入れる◆

2016年10月9日 16:15



〇M&A、提携戦略が活発化〇

「座して待つ」イメージのある日本企業の経営戦略が、10月に入って活発化している印象だ。今までも大型M&Aや事業選択、新分野進出などの動きは続き、株式市場でそれなりの取捨選択の評価が行われてきたが、最近の傾向は膠着感・停滞感がある事業分野に大胆なメスを入れるイメージがある。赤字ないしは低収益部門を見直し、収益力を高めようとする姿勢と受け止められる。よく労働力不足が指摘されるが、社内にも余剰人員は居る。そこまで含めた活性化の狙いが感じられる。


10月以降に出た主な記事は以下の通り。

・コカ・コーラ東西、来春統合、生産・流通を合理化。
・資生堂、ライオン、ユニ・チャームが販売分野で提携。共同出資会社を作り、販売状況を把握し販売促進体制に取り組む(花王への対抗)。
・私鉄各社、沿線の空家有効活用事業に相次ぎ乗り出す。
・日立、日立工機と日立国際電気の2事業売却へ。
・損保ジャパン、米企業保険大手を買収、6500億円規模。
・アサヒGHD、英SABの東欧ビール事業買収提案、5000億円超で。
・ヤマハ発動機、ホンダ、国内向け50ccバイクで提携。
・ローソン、三菱UFJFGと組み銀行事業参入。
・富士通、パソコン事業でレノボと事業統合、レノボ主導に。
・キャノン、小型衛星事業、来春に打ち上げへ。


社会的には、東京都の豊洲問題、五輪計画の見直しなどの機運、アベノミクスでの構造改革、さらにロシアやイランなど今までタブー視されてきた国々との大規模プロジェクトの動き、東京五輪に続く大阪万博の動きなど、既存体制の見直しを含む様々な動きが活発化していることが、経営者マインドを大きく刺激している可能性がある。一言で言えば、世の中にウネリ感が戻ってきた点だ。

目先の企業業績や配当などを追い掛けがちな株式市場にとって、評価の難しい面がある。大胆な戦略が日常茶飯事の米国では、短文投稿サイトのツイッターの身売り交渉が伝えられ5.7%高、買収の有力候補とされるセールスフォース・ドット・コムの株価は5.8%下落した。事業再編の効果はある程度時間の掛かるもので、企業評価には中長期の視点も大切になろう。

日本企業がモノを言い始め、行動力を強め始めた印象は、9月22日、中国を訪問した経済界の訪中団が「日本企業が中国から撤退する際の手続き簡素化」を要請した辺りから。中国側が受けたかどうか、具体的な話は出ていないが、中国側では大規模な外資撤退につながる恐れがあると大騒ぎだ。英国EU離脱問題でも安倍政権はストレートな要請を行った。既に成長限界、行き詰まり感がありながら、今までタブー視されてきた分野は多い。小池都政では、早くも都職員の天下り問題が騒がれ始めている。財政問題に抜本的なメスを入れる時、避けては通れない問題だ。成功すれば国などにも連鎖する可能性がある。事業会社にも同様のしがらみがあり、それを断ち切る観点でも事業再編の流れが強まると思われる。


以上



出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(16/10/06号)


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