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【注目トピックス 日本株】ピクスタ Research Memo(5):時代と共に取り下ろし市場からストックフォト市場へ

2016年10月11日 16:07

■ストックフォト事業の現況

(3)ピクスタ<3416>のストックフォト市場の状況

a)市場の全体像
「PIXTA」では写真、イラストおよび動画を取り扱っている。中でも現在の中心は写真だ。写真市場は大きく2つある。1つは、特定の目的のためにプロが撮影を行う、撮り下ろし市場だ。言わば注文撮影市場といえる。もう1つは目的を限定しないで撮影された写真素材の流通市場だ。こうした写真素材のことを“ストックフォト”と呼び、「PIXTA」はストックフォトのためのマーケットプレイスということだ。

市場規模としては撮り下ろし市場がストックフォト市場よりも大きいとみられるが、流れとしては、徐々にストックフォト市場が撮り下ろし市場を代替しつつあるとみられる。これがすなわち、ストックフォト市場の成長の大きな原動力となっている。ストックフォト市場そのものを表象するデータは存在していないが、ストックフォト市場の拡大を説明する要因は比較的簡単に見つけられる。

供給側の要因の1つとして高性能のデジタルカメラの普及を挙げることができる。デジタル一眼レフカメラ(統計上はデジタルスチルカメラの“レンズ交換式”で集計)について、カメラの使用サイクルなども考えて直近5年間の累計出荷台数で見ると、2015年末の段階で907万台となった(日本向け出荷台数)。カメラの高性能化で誰もがクリエイターになれる状況が出来上がっており、「PIXTA」の登場でそれが一気に開花したと言えるかもしれない。

需要側にもストックフォト市場拡大を後押しする要因が数多く存在している。そもそも、文字だけで説明するよりも写真やイラストを活用したほうがメッセージ力は強まる。テクノロジーの発達により、インターネットメディアが台頭したほか、伝統的なアナログメディア(書籍、新聞など)もデジタル化が進んだ。デジタル化の最大のメリットは画像コンテンツを低コストで簡単に利用可能となったことにあり、ストックフォトに代表される「PIXTA」で取り扱うデジタル素材へのニーズは将来的にもますます高くなると考えられる。このことを示す具体的な数値としては、インターネット広告市場の推移や、SNSサービスの利用者数などのデータを援用できるだろう。

また、利用者の視点としては、画像・映像を扱う主体が、プロからアマチュアへと拡大したことも指摘できる。供給者についてはカメラのところで前述したが、需要家側においても、ソフトウェアなどの発達で、誰もが簡単に画像を目的に合わせて利用することが可能になっている。このように環境変化と利用者層拡大の2つの軸によって、ストックフォト市場が拡大している状況にある。

b)競合環境
同社と似た事業を手掛ける企業はほかにもある。ストックフォトの販売という意味では、世界的には米国のGetty ImagesやShutterstockが大手に位置付けられるほか、国内企業としてはアマナ<2402>が存在している。ただし、Getty Imagesとアマナはプロによるストックフォト販売を主体としている点で、同社と異なるというのが弊社の理解だ。ストックフォト(及びその他のデジタル素材)市場では、ユーザー層のすそ野が大きく拡大しており、その結果、ニーズもまた多種多様であるため、各社がそれぞれの成長シナリオや事業戦略のもとで共存していくことは、十分可能だとみている。

同社は、当初から「PIXTA」のメインプレイヤーとしてアマチュア(クリエイターとユーザーの双方)を想定していたのに対し、競合他社はプロフェッショナルを基本に、アマチュア(特に、“ハイアマチュア”や“セミプロ”の層)に一部門戸を広げているといった印象を受ける。これは各社の購入価格や購入プランの違いに着目すると理解できるだろう。アマチュアとプロのクリエイターの素材にはそれぞれに見合った需要が存在しているため、どちらが良いという議論はあまり意味がないだろう。現在は、アマチュア対応という点で同社の独自性が際立つ状況となっており、それが同社の安定的な収益拡大につながっていると弊社では考えている。

同社のアマチュア活用戦略が結果的に“参入障壁”につながっている点も指摘しておきたい。アマチュア受け入れは、実は言うほど簡単ではない。写真の受け入れに際して審査を行う必要があり、不特定多数のアマチュア・クリエイターの膨大な投稿を、正確性と効率性を両立させながら処理するのは、ノウハウと技術が必要だ。新規参入業者が同社のレベルに達するまでには相当程度の時間と投資を要するだろう。

同社の分析では、足元の国内のストックフォト市場において、ストックフォト及びその中でのアマチュア層を意識した注力度合いにおいて、競合他社の注力度合いが減じてきている印象を受けるということだ。これが事実であれば、同社にとっては良好な市場環境になりつつあると言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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