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【注目トピックス 日本株】きちり Research Memo(2):首都圏で新規出店を積極化、初めて首都圏の出店数が関西を上回る

2016年10月11日 17:02

■事業概要

きちり<3082>の事業は自社ブランド展開事業とPFS事業に分けられ、現時点では売上高の99%を自社ブランド展開事業で占めている。主な店舗には首都圏、関西で展開するカジュアルダイニング「KICHIRI」と首都圏のショッピングモール・駅ビル内で展開するハンバーグ専門店「いしがまやハンバーグ」などがある。PFS事業で提携した顧客企業のブランドを活用した店舗も含めて、2016年6月末時点の店舗数は17業態、87店舗となっている。特に、ここ数年は首都圏での新規出店を積極化しており、エリア別で見ると2016年6月末の店舗数で首都圏が46店舗、関西圏が41店舗となり、初めて首都圏が上回る格好となった。

主力店舗である「KICHIRI」は女性客を主要ターゲットに、高品質な料理とおしゃれ感を演出した店舗づくり、「おもてなし」の接客を重視することで、関西圏で高い支持を得たあと、2006年より東京に進出を果たしている。出店場所の条件としては、電車の乗降客数で2万人以上の駅で空中階としている。また、平均予算で3,500円前後と比較的低価格帯で若者客をターゲットとした「Casual Dining KICHIRI」と、平均予算5,000円前後で企業の接待ニーズにも対応可能な「新日本様式 KICHIRI」の2つの業態で展開している。

2010年に初出店した「いしがまやハンバーグ」はオーストラリア産の黒毛和牛の血統を引き継いだ黒牛100%使用した人気のハンバーグ専門店で、大型ショッピングモールを中心に出店数が増加している。平均客単価は1,600円とやや高めではあるものの集客力が高く、収益性については「KICHIRI」よりも平均で5%ほど上回る水準となっている。

一方、PFS事業は、ブランド・コンテンツ活用型とクラウドサービス展開型の2つの事業モデルに分けられる。

a)ブランド・コンテンツ活用型
ブランド・コンテンツ活用型とは、健康分野やエンターテイメント、第1次産業分野などで強いブランド・コンテンツを持った企業と業務提携し、外食ビジネスを展開することによって、当該ブランド価値を高めていく新たな販促手法となる。提携先企業にとっては店舗運営を同社に任せることで、店舗運営リスクを抱えることなく、ブランド力の向上が期待できることになる。

店舗運営に関しては、既存のKICHIRIプラットフォームを活用できるため、業務管理コストや食材の仕入コストなどを独力で店舗運営するよりも低く抑えられるほか、ブランド価値訴求型の店舗であるため価格も維持しやすく、一定の収益が見込みやすいビジネスモデルであることも特徴の1つである。

契約内容は一律ではないが、1店舗目については店舗運営コストなどの費用を提携先が負担するケースが多い(同社の売上高としてはプラットフォームの使用料を計上)。また、2店舗目以降は同社が直営店舗として展開していくことも可能となる。提携先企業にとっては店舗を増やして収益を拡大することが目的ではなく、あくまでもブランド価値向上が目的となっているためだ。なお、売上高に関しては、同社が直営で運営する場合は飲食事業に含まれることになる。

ブランド・コンテンツ活用型の例としては、福岡県の農事組合法人である福栄組合が生産する「はかた地どり」のブランド価値向上を狙った地どり専門店「福栄組合」や、イタリアの有名ファッションブランドのオロビアンコと共同プロデュースしたイタリアンレストラン「 Orobianco」などがある。また、2015年1月には長野県と「食を通じた健康長寿の推進」に関する戦略的連携協定を締結し、JR長野駅ビル内に「長野県長寿食堂」を出店するなど、地方自治体からの引き合いも増えている。

b)クラウドサービス展開型
クラウドサービス展開型とは、同社が既に自社で構築しているバックオフィス(会計処理、給与管理等)やバックヤード(仕入・物流システム)、バックアップ企業(銀行や取引企業等)などのプラットフォームを、「外食向けクラウド」として安価な料金で提供するサービスとなる。サービス料金は企業ごとに店舗数やニーズが異なるため、個別対応での料金体系となる。顧客対象としては食材など比較的共通部分が多い付加価値提案型の外食企業となり、規模的には売上高で10億円以上、店舗数15店舗以上であれば同サービスの導入メリットが得られやすいという。

顧客企業は同サービスを利用することによって、食材の共同調達による仕入れコスト低減や店舗の維持運営にかかる業務システムなどのコストが、自社で構築するよりも低減できることになる。ここ最近は人件費や食材、物流コストの上昇により、中小規模の外食企業ではコストの削減が経営課題となっているだけに潜在需要は大きいと言える。2016年6月末時点の契約店舗数は、前期末比約100店舗増の約500店舗と順調に増加している。同事業に関しては自社で利用しているプラットフォームを活用するため、収益性及び安定性の高いストック型のビジネスモデルとなる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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