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【注目トピックス 日本株】USENNEX Research Memo(9):2022年8月期の業績は期初予想を据え置く

2022年5月13日 16:09

■業績動向

3. 2022年8月期の業績見通し
USEN-NEXT HOLDINGS<9418>は2022年8月期の業績見通しを、売上高220,000百万円(前期比5.6%増)、営業利益17,000百万円(同8.9%増)、経常利益16,000百万円(同8.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,500百万円(同5.7%増)と見込んでいる。期初予想のままだが、第2四半期の売上高の進捗率が51.8%(前年同期49.6%)で、各セグメントで費用が発生しながら営業利益の進捗率が52.1%(同51.7%)であったことを考えると、期初予想のままということ自体が保守的な印象であると弊社は考えている。日本経済に発生している円安や半導体供給不足といったリスクに関しては、コンテンツ配信での海外調達や店舗サービスと業務用システムの機器に使用される半導体でリスクはあるが、影響は今のところ小さそうだ。

2022年8月期のグループ経営方針について、同社は、1)ウィズコロナ/アフターコロナの環境変化への対応と成長トレンドの堅持、2)前倒し達成した前中期経営計画に替わる新中期経営計画や統合報告書の策定、3)人財や従来慎重だったM&Aの強化による非連続成長への挑戦、を掲げていた。1)は、適切な事業ポートフォリオマネジメントを通じてバランスの取れた攻守戦略を継続し、既存事業を環境変化に適応させることで成長トレンドを堅持する考えだが、第2四半期の段階では着実に進捗したと考えている。2)は、新中期経営計画「Road to 2025」と統合報告書を公表済みで、今後はサステナブル戦略につなげていく考えである。3)は、社長発掘プログラム「CEO’s GATE」や内部人材の強化を進めている。M&Aについては新中期経営計画のなかで方向性や資金調達に関して言及されており、これも順調に進捗していると言うことができるだろう。

2022年8月期のセグメント別の業績見通しも期初予想を据え置いている。コンテンツ配信事業が売上高67,000百万円(前期比11.7%増)、営業利益6,900百万円(同20.4%増)、店舗サービス事業が売上高56,000百万円(同0.2%減)、営業利益8,600百万円(同0.1%増)、通信事業が売上高50,000百万円(同3.8%増)、営業利益5,100百万円(同12.5%増)、業務用システム事業が売上高20,500百万円(同8.3%増)、営業利益3,100百万円(同7.0%増)、エネルギー事業が売上高30,000百万円(同7.4%増)、営業利益400百万円(同13.0%増)となっている。

コンテンツ配信事業は、まん延防止等重点措置が2022年3月に18都道府県で解除され対象地域がなくなったことから、新規ユーザーの増加率が鈍化するなど下期はやや逆風になりそうだ。しかし、これに伴ってアフィリエイト向けの費用が縮小すること、第2四半期の微減益の要因となったTVCMの予定がないこと、第2四半期で大幅に積み上がったユーザーの収益がフル寄与することなどから、利益は確保しやすくなると見られる。また、市場の拡大傾向が継続していることから、鈍化も一時的で済むという見方もできる。新たな差別化作品の調達を検討していることもあり、期初予想のままではやや保守的かもしれない。

店舗サービス事業では、まん延防止等重点措置の解除は顧客にとって基本的にプラスであるが、協力金や助成金がなくなること、無利子無担保融資の返済期に入ることから、かえって経営悪化が進む業務店が出てくる可能性がある。ただし、そうした業務店が撤退した後、新たな業務店が入居することが多く、そうした場合は、新店に向けて複数サービス導入の営業を展開する考えであり、わずかながら増益を見込んでいる。

通信事業は、業務店向け自社光回線の拡大を軸に、安定した利益成長によってグループの成長をけん引する見込みである。ただし、通信回線の充足がニューノーマル下の社会・生活の基盤となるため、中小零細のみならず、中小企業向けにも業容が広がっているようで、現在の会社計画ではやや保守的な感がする。

業務用システム事業では、リオープニングと政府の景気対策を背景にホテルの回復ピッチが早まる可能性がある。また、マイナンバーカードリーダーの導入が遅れている病院も、補助金対象事業の完了期限が2023年3月のため、年度末に向けて導入数が急速に増える可能性がある。したがって、通期計画の達成確率は高いと考える。

エネルギー事業でも市場の正常化を背景に増収増益の計画になっているが、足下で燃料調整単価が急上昇していることから、売上が大きく伸びる一方、顧客数の拡大に齟齬が生じる可能性もあり、不透明な状況となってきた。ただし、リスクの低いビジネスのため、連結業績の足を大きく引っ張る可能性は小さいと考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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