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【注目トピックス 日本株】前澤給装 Research Memo(4):売上高は回復基調となり堅調、業務効率化により銅価格高騰の影響を最小限に抑制

2022年6月13日 15:04

■業績動向

1. 2022年3月期の業績概要
前澤給装工業<6485>の2022年3月期の連結業績については、売上高が28,789百万円(前期比4.8%増)、営業利益が2,139百万円(同16.6%減)、経常利益が2,287百万円(同14.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,498百万円(同19.7%減)となった。売上高は全体的に回復基調となり、堅調に推移した。一方、利益面では原材料価格の急速な高騰等の影響を受け、減益となった。

主要原材料である銅の建値については、2020年12月(85万円/トン)より上昇が始まり、2021年5月には119万円/トンを記録した。2022年3月期4~9月平均が109.2万円/トンと前年同期(67.4万円/トン)を大幅に上回ったことを受け、2021年10月1日出荷分より製品全般10%以上の販売価格改定を実施した。

事業セグメント別の動向は以下のとおり。

(1) 給水装置事業
コロナ禍前の水準には達していないものの、底堅い配水管布設替工事の需要や住宅需要に下支えされ、売上高は前期比3.9%増の15,453百万円(調整額を各事業へ配分)となった。一方、セグメント利益については、主要原材料である銅の価格が前期を大幅に上回る水準で推移したことなどから調達コストが上昇し、同11.0%減の4,333百万円となった。耐震性や施工性に優れた製品の提案活動にも注力した。

(2) 住宅設備事業
新設住宅着工戸数は底堅く推移しており、給水・給湯配管システム関連部材等の販売が増加したことから、売上高は前期比6.2%増の10,882百万円(調整額を各事業へ配分)となった。一方、販売構成の変化もあり、セグメント利益は同5.8%減の1,956百万円となった。ハウスメーカーなど販売チャネルの拡大に注力するとともに、空調設備向け製品の販売展開や、連結子会社の前澤リビング・ソリューションズとの分担整理による営業活動の効率化などを進めた。

(3) 商品販売事業
樹脂商品の販売が増加したことから、売上高は前期比4.2%増の2,452百万円、セグメント利益は同578.3%増の120百万円となった。

2. 主な取り組み
同社は、収益基盤のさらなる拡大やコロナ禍に進めた業務効率化などを継続することにより、持続的な成長の実現とより一層の企業価値の向上を目指した。具体的には、前澤リビング・ソリューションズとのシナジーが挙げられる。全国展開している同社ネットワークを活かし、販売地域を拡大したほか、同社の製造技術と融合させることでコストダウンを実現した。なお、これまでの取り組みとしては、グループ内の営業効率化のほか、暖房設備店に対する給水・給湯部材の拡販、西日本地区ガス会社への温水マットの拡販、東北地区ヒートポンプメーカー向け温水マットの販売体制強化などがある。

また、(1) 給水装置事業の積極的展開及び(2) 住宅設備事業の拡大を事業方針として推進した。

(1) 給水装置事業の積極的展開
低層アパート向け製品及び配水ポリエチレン管用製品など、顧客ニーズに合わせた新製品の開発を推進。低層アパート向け製品の開発については、2階建ての低層階アパートの構成比が住宅着工数の10%で安定推移していることが背景にある。メータ廻りの省スペース化ニーズが高まっていることから、複数の水道メータ廻りのユニットを一体化した複式メータセット「まとメータ2連・3連」を発売したほか、「まとメータ4連」を開発、製品化した。また、配水ポリエチレン管用製品の開発については、止水栓関連製品の各事業体に応じた要望が高まっていることが背景にある。

(2) 住宅設備事業の拡大
これまでの管材商社を通じた営業に加え、ハウスメーカー、パワービルダー、工事店向けの販売活動を強化している。また、同社及び子会社の技術を活かし、新たに進出した非住宅物件への販路拡大を目指し、空調設備向け製品やロードヒーティング向け製品の販売を強化した。

3. 財務状況と経営指標
2022年3月期末の資産合計は前期末比1,579百万円増加し、45,619百万円となった。このうち流動資産は同1,975百万円増の31,806百万円となった。これは主に現金及び預金が316百万円、電子記録債権が365百万円、有価証券が299百万円、棚卸資産が779百万円増加したこと等による。固定資産は主に投資有価証券が減少し、同396百万円減の13,813百万円となった。負債合計は同360百万円増加し7,989百万円となった。このうち流動負債は同375百万増の7,121百万円となった。これは主に未払法人税等が160百万円、未払消費税が358百万円減少した一方で、買掛金が757百万円、電子記録債務が116百万円増加したこと等による。固定負債は同15百万円減の867百万円となった。純資産合計は、主に利益剰余金が995百万円増加したこと等により、同1,218百万円増加し37,630百万円となった。利益剰余金は2016年3月期(23,721百万円)から増加が続いており、安定して当期純利益を積み上げていることが窺える。

経営指標について、自己資本比率は82.5%(前期末は82.7%)と引き続き高い水準を維持している。また、流動比率は446.7%(同444.1%)、固定比率は36.7%(同39.0%)と改善傾向にあり、手元流動性についても問題ない。

2022年3月期のキャッシュ・フローについて、営業活動によるキャッシュ・フローは1,061百万円の収入となったが、これは主に売上債権及び未払消費税等が減少した一方で、棚卸資産が増加したこと等による。投資活動によるキャッシュ・フローは207百万円の支出となったが、これは主に投資有価証券及び有形固定資産の取得による支出等による。財務活動によるキャッシュ・フローは708百万円の支出となったが、これは主に自己株式の取得による支出及び配当金の支払額の増加等による。これらの結果、2022年3月期末の現金及び現金同等物は前期末比197百万円増加し13,546百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

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