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【注目トピックス 日本株】三和HD Research Memo(6):「三和グローバルビジョン2030」、「中期経営計画2024」をスタート(1)

2022年6月15日 15:26

■中長期の成長戦略

1. 「三和グローバルビジョン2020」の振り返り
三和ホールディングス<5929>の中長期の成長戦略は、長期ビジョンと、その実現に向けた具体的アクションプランとしての中期経営計画の2段構成となっている。これまで2014年3月期に策定した「三和グローバルビジョン2020」を長期ビジョンとし、その仕上げとして「第三次中期経営計画」(2020年3月期~2021年3月期)を推進してきた。しかし、世界的なコロナ禍による、想定していなかった経済環境の悪化に直面した。2021年3月期はコロナ禍対応に追われたことで達成できなかった戦略もあったため、同社グループでは中期経営計画を1年延長し、やり残した戦略の完遂を目指した。その結果、2022年3月期には、売上高は約2,000億円増の4,690億円に拡大し、特に海外売上高は2倍になった。営業利益率は2.3ポイント上昇の7.6%、ROEも4.1ポイント上昇の12.0%などの成果をあげた。ただ、コロナ禍による環境悪化の影響から、売上高を除き、数値目標は未達に終わった。特に、営業利益率の改善は小幅にとどまり、今後の課題として残った。

また、三和グローバルビジョン2020で掲げた4つの基本戦略の達成状況を振り返ると、(1)「日米欧のトップブランド確立」は、日・米で地位を不動のものとし、欧州でもM&A等により成長するなど、各地域で成果を上げることができた。ただ、日・米・欧とも、需要増に伴う供給力の拡大やデジタル化などの課題が残った。(2)「サービス分野の強化」は、グループ全体のサービス売上が640億円に拡大するなど、堅調であった。特に日本では2019年の鈴木シャッター買収もあり、大きく伸びた。欧州も取り組みの成果が出始めているが、米州ではやや遅れている。今後は、サービス分野のスマート化を強化する必要がある。(3)「アジア事業の拡充と新興国への進出」は、アジアではビジネス基盤を作る段階であり、引き続き成長力強化の課題を残した。(4)「グローバル市場の全体最適化」は、グローバルな連携強化を目指したが、期待した成果は出ず、グローバル人材力強化の課題を残した。ただ、グローバル・メジャーを目指して取り組んできた長期ビジョンの下で、主要な戦略は達成できたと総括できよう。

2. 「三和グローバルビジョン2030」、「中期経営計画2024」の取り組み
新たに取り組む長期ビジョンの三和グローバルビジョン2030では、「To be a Global Leader of Smart Entrance Solutions ~高機能開口部のグローバルリーダーへ~」をビジョンとして掲げている。気候変動やデジタル化など、激しく変化する社会のニーズに応える高機能な開口部ソリューションをグローバルに提供するとともに、サステナビリティ経営と人材力強化により全てのステークホルダーから評価される企業グループを目指すものだ。2031年3月期に向けた基本戦略として、(1)「日・米・欧・ア 世界4極体制でのコア事業の拡大、強化」、(2)「防災・環境対応、製品・サービスのスマート化による顧客価値創造」、(3)「デジタル化とものづくり革新による生産性向上」、(4)「M&Aを活用したコア事業強化と新規事業領域への拡大、(5)「サステナビリティ経営によりグローバルに評価される企業グループへ」の5つを掲げる。

長期ビジョンにおける最初の3年を「中期経営計画2024」(2023年3月期~2025年3月期)と位置づけ、気候変動やデジタル化で変化する社会のニーズに応える高機能開口部ソリューションのグローバルリーダーに向けた基盤を確立する。それを実現するための基本戦略として、(1)「日・米・欧のコア事業(シャッター・ドア、サービス)の強化、領域拡大」、(2)「アジア事業の成長力強化」、(3)「防災・環境対応製品の拡充と製品・サービスのスマート化推進」、(4)「デジタル化とものづくり革新による生産性向上」、(5)「サステナビリティ経営の推進」を掲げている。特に、アジアは目指す姿との乖離が大きく、強化のポイントである。また、防災・環境対応製品、あるいはサービスのスマート化やデジタル化も強化の必要がある。

数値目標としては、最終年度の2025年3月期には、売上高5,800億円(年平均成長率7.3%)、営業利益450億円(同8.2%)、SVA190億円、ROIC17.5%、ROE13.5%と、主要指標で過去最高を目標に掲げる。また、自己資本比率51.1%、DEレシオ0.21倍を目標に財務の安全性を十分に確保しながら、キャッシュ・フローと手元資金水準を考慮し、2023年3月期から配当性向を40.0%目安に引き上げる。成長のための設備投資を大幅に増加する一方で、株主還元にも積極的に対応する方針である。

セクター別では、日本は売上高2,760億円(年平均成長率5.3%)、営業利益275.0億円(同4.0%)を、米州(ODC)は売上高1,820億円(同9.4%)、営業利益135.0億円(同17.2%)を、欧州(NF)は売上高990億円(同4.9%)、営業利益62.0億円(同16.4%)を、アジアは売上高160億円(同27.7%)、営業利益8.0億円(同88.7%)の達成を目指す。グローバル・メジャーとして、日本での盤石な地位を確保・拡大するとともに、米・欧・アでの飛躍的な売上高・利益の拡大を目指す意欲的な計画といえよう。中期経営計画の今後の進捗状況に注目したい。

3. 基本戦略(1):日・米・欧のコア事業の強化、領域拡大
顧客ニーズに的確・迅速に対応し、シャッター事業・ドア事業及びサービス事業を含めたコア事業の強化・拡大を図る。第1に、シャッター事業・ドア事業のシェア拡大を目指す。シャッターやドアなどの基幹商品を、住宅事業及び非住宅事業において拡大し、販売価格アップも同時に行う。そして、事業拡大に向けた体制を強化していく。第2に、サービス事業の拡大を図る。サービス事業(修理、メンテ、保守点検など)は、同社のビジネスにとっては非常に重要な部分であり、日本が他地域に比べて利益率が高い理由でもある。これを重点的に伸ばすことで、売上高を2022年3月期の640億円から2025年3月期には760億円まで拡大する。第3に、M&Aを活用した事業強化と領域拡大を目指す。シャッター、ドア事業、サービス事業などコア事業の強化、建具から周辺事業への展開による新しい領域の拡大を目指し、3年間で約200億円をM&Aに投じる計画だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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