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【注目トピックス 日本株】テクマト Research Memo(2):情報基盤事業、アプリケーション・サービス事業を展開(1)

2022年6月15日 16:02

■会社概要

1. 会社概要
テクマトリックス<3762>は、ニチメン(株)(現 双日<2768>)の営業部門の戦略子会社として設立されたニチメンデータシステム(株)が前身である。このため、技術・ビジネスの両面で優れた製品・サービスを発掘する“目利き力”及び“マーケティング力”、レベルの高い“ビジネスオペレーション力”といった商社で培われたノウハウを受け継ぎ、事業展開を進めていることが最大の強みであり、特長となっている。

同社の連結子会社は、医用画像管理システム及びクラウドサービスの提供及び個人向けPHRサービスを提供するPSPや、その子会社で遠隔画像診断のインフラサービスを提供する(同)医知悟(いちご)及び医療被ばく線量の管理システムを提供する(株)A-Line、また、ネットワークやサーバの運用・監視及びネットワークエンジニアの派遣、IT製品の輸入・販売・サポートを行うクロス・ヘッド(株)、その子会社でネットワークシステムのコンサルティング・設計・構築・保守や運用監視サービス、ネットワークインフラサービス等を展開するOCH(株)(旧 沖縄クロス・ヘッド(株))、システム開発やIT技術者の教育サービス等を展開する(株)カサレアル、金融機関向けパッケージ製品Aprecciaシリーズの設計・開発を行う山崎情報設計(株)の合計7社となる。また、2022年4月にPSPとエムスリー<2413>の合弁会社として、AI技術を用いた医用画像診断支援サービスを提供するエムスリーAI(株)を設立し、持分法適用会社としている。

2. 沿革
同社の創業は1984年で、ニチメン(現 双日)の営業部門の戦略子会社として発足した。1990年に受託開発事業に本格参入し、某大手都銀より為替ディーリングシステムを受注し、金融分野で事業開拓の第一歩を踏み出す。1996年には業務パッケージ事業にも参入し、自社開発品となるCRMパッケージ「FastHelp」の販売を開始したほか、1998年にDICOM※対応医用画像サーバ「Secured DICOM Server(現SDS Image Server)」の販売を開始するなど、アプリケーション・サービス事業にも領域を拡大していった。

※DICOM:Digital Imaging and COmmunications in Medicineの略で、CTやMRI、CRなどで撮影した医用画像のフォーマットと、それらを扱う医用画像機器間の通信プロトコルを定義した世界標準規格。

また、2005年にJASDAQ市場に株式を上場し(現在は東証プライム)、上場で調達した資金を使ってM&Aを推進、事業基盤の拡充に取り組んできた。具体的には、2007年に医療分野の子会社として医知悟を設立したほか、2008年にクロス・ヘッドを連結子会社化、2009年にカサレアルを完全子会社化、2014年にクロス・ヘッドがOCHを完全子会社化している。また、CRM分野での海外展開を目的に、2018年にタイのバンコクに駐在員事務所を開設している。なお、医療分野では2018年にNOBORIを設立し、医療システム事業を会社分割によって同社へ承継し事業展開を進めてきたが、2022年2月に同業のPSPを子会社化し、同年4月にNOBORIを吸収統合する形で新生PSPがスタートした※。

※PSPの株主構成比率は、同社50.02%、三井物産<8031>20.00%、エムスリー18.70%、大日本印刷<7912>11.28%となる。

3. 事業内容
同社の事業は、ネットワーク及びセキュリティシステムの構築、保守、運用・監視サービスを展開する情報基盤事業と、医療分野やCRM分野等の業界及び業務特化型ソリューションサービスを展開するアプリケーション・サービス事業の2つのセグメントで構成される。直近3年間の事業セグメント別構成比では、情報基盤事業が売上収益で65~68%、営業利益で75~82%と過半を占めている。また、営業利益率では情報基盤事業が10%台前半、アプリケーション・サービス事業が1ケタ台後半の水準となっている。情報基盤事業に対してアプリケーション・サービス事業がやや低くなっているが、これはアプリケーション・サービス事業で展開するクラウドサービス等の投資負担が重いためで、償却前営業利益率で見れば情報基盤事業を上回る水準※となっている。また、アプリケーション・サービス事業では新サービスの開発に向けた投資も積極的に行っているため、投資状況によって今後も営業利益率が変動する可能性があるが、趨勢的には売上拡大とともに収益性も上昇していくものと予想される。各事業の内容は以下のとおり。

※2022年3月期の償却前営業利益率は、情報基盤事業が14.9%、アプリケーション・サービス事業が17.0%となっている。

(1) 情報基盤事業
情報基盤事業では、ネットワーク及びセキュリティ分野において独自の目利き力を生かし、北米を中心に高い技術力、競争力、成長力を持つ製品を見極め、単なる製品販売にとどまらずシステム構築から保守サポート、運用・監視サービスに至るまでワンストップ・ソリューションでサービスを提供している。

主に、仮想化ソリューション※1、次世代ネットワーク、セキュリティ、ストレージ等の分野を対象としているが、ここ最近は企業の情報システムに対するサイバー攻撃の増大を背景に、クラウド型セキュリティ対策関連の需要が大きく伸長している。主要取扱製品・サービスとしては、Palo Alto Networksの次世代ファイアウォール※2、F5の負荷分散装置※3、Trellixの不正侵入防御システム、Dell Technologiesのクラスターストレージなどがあり、それぞれ販売一次代理店となっている。いずれも世界で高いシェアを持つ製品となっており、2022年3月期の単体売上収益に占める製品売上構成比ではPalo Alto Networks社製品が最も高く3~4割程度を占めるまでになっている。

※1 コンピュータシステムを構成する資源(サーバ、ストレージ、ソフトウェア等)に関する技術。複数から構成されるものを論理的に1つのもののように見せかけて利用できるほか、逆に1つのものを論理的に複数に見せかけて利用できる技術。
※2 使用されるポート番号やプロトコルなどに関係なく通過するアプリケーションを識別し、それを使うユーザの特定及び制御を行い、さらに幅広い脅威に対するスキャニングを実施することでITネットワーク環境において必要とされる可視化と制御を行うセキュリティシステム。
※3 Webサイトへのアクセス集中による反応の低下やシステムダウンを防止するため、多数のアクセス(負荷)が集中した場合に適切に複数のサーバに振り分ける(分散する)装置。

情報セキュリティ関連市場の拡大が続くなかで受注競争も激しくなっているが、同社は高い技術力に加えて、24時間365日の保守サポート体制、有人による運用・監視サービスなど、ワンストップで高品質なサービスを提供できる総合力を強みとして、民需・官需問わず幅広い顧客層において実績を積み上げている。

連結子会社のクロス・ヘッドは、ネットワークシステムの運用・監視、ネットワークエンジニアの派遣、セキュリティ製品・ストレージ製品の販売、クラウドサービスの導入支援等を行っている。AWS(Amazon Web Services)の認定資格取得者数が約200人と全従業員の過半を占めるまでになっており、2019年5月にはAWSからAPN(AWS Partner Network)アドバンスドコンサルティングパートナー※の認定を取得している。クロス・ヘッドの子会社となるOCHは、データセンター運営やSIerのノウハウと自社クラウド基盤及びネットワーク基盤を生かし、中小企業向けにデータ保護や情報セキュリティなどの自社開発プロダクト、パートナープロダクトサービスをエンタープライズ水準で提供している。

※APNアドバンスドコンサルティングパートナーは、AWSに関する営業・技術体制があり、AWSでのシステムインテグレーションやアプリケーション開発等の実績が非常に豊富なパートナーが認定を受けられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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