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【注目トピックス 日本株】NSW Research Memo(7):「デジタル変革による社会と企業の持続的成長の両立」を目指す(1)

2022年6月17日 15:07

■中長期の成長戦略

1. 前中期経営計画の振り返り
前中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)の策定に際し、事業環境について日本システムウエア<9739>は、国内景気は海外情勢の影響や消費増税などから減速懸念が色濃くなっており、また、働き方改革の推進や生産年齢人口の減少を背景に、生産性改善の取り組みが急務となると考えた。IT業界としては安定的な成長を見込む一方で、堅調な需要に伴ってエンジニア不足もより一層深刻化し、DX対応と人材リソースの確保を両立していくことが必須であると認識していた。この前提に基づき、同社では景気の波に左右されない価値創造型の強い会社への変革を目指して、強固な事業基盤を築いていくことや、事業成長を図ることに注力するとともに、人材リソースによらない、より自律的なストック型ビジネスの確立にも取り組んだ。そして、「DX FIRST」をスローガンに、顧客のDX実現に貢献することで同社自体の「価値創造企業への変革」を実行していく方針を掲げた。

以上の基本方針及び重点戦略を踏まえ、経営目標としては2022年3月期に売上高を430億円、営業利益を40億円に拡大し、DX関連の売上高100億円規模を掲げた。2021年3月期は、コロナ禍に伴う景気悪化という計画策定時には想定しなかった事業環境であったものの、最終年度の2022年3月期は売上高434億円、営業利益49億円となるなど、目標を全項目で達成した。なかでも、同社が注力するDX関連の売上高は、顧客のDX推進のための基幹システムの入れ替えや小売業向けの無人化システム導入などもあり、目標の100億円規模にまで拡大した。これは、あらゆる業界・業種でDXの認知度・活用度が上昇し、DXシフトが加速したことの裏付けでもあり、コロナ禍に伴う事業環境の変化がDX実現を加速させる契機にもなったと弊社では見ている。

2. 新中期経営計画の概要と重点戦略
同社は2022年5月に、2022年4月から2025年3月の3ヶ年を対象とする新たな中期経営計画を策定した。計画の前提となる今後の事業環境について同社は、コロナ禍を契機としてデジタル化や事業変革の必要性が高まったことから、国内IT市場は着実に成長すると見込んでいる。なかでもDXは、企業規模では大企業のみならず中堅・中小企業まで、業種では製造業だけでなくサービス業・農業等も含め幅広い分野で加速し、今後も市場成長をけん引すると予想し、同社のビジネスもDXを中心にさらなる成長が期待できる事業環境であると見込んでいる。併せて、気候変動や地政学リスク等の不確実性の高まる社会に対応するため、サステナビリティ等社会課題への貢献も重要なテーマとした。

新中期経営計画では、「デジタル変革による社会と企業の持続的成長の両立~技術と知によりお客様とビジネスを共創するSIerへの進化~」を基本方針に、従来の「顧客にDX技術を提供するパートナー」から「企業変革をともに推進するパートナー」へと事業領域を拡大し、事業の成長と変革を加速するとともに、持続可能な社会の実現に向けて取り組む計画だ。この基本方針を実現するために、顧客のビジネス変革、アライアンスパートナー、デジタル技術などに、同社が有するデバイス・組込み開発、クラウド・インフラ技術、業種・業務知識などのナレッジを組み合わせて、「DX FIRST」と「共創」(企業が様々なステークホルダーと協働して共に新たな価値を創造すること)をコンセプトとして掲げて推進していく。

中期経営計画達成に向けた具体的な重点戦略としては、「DX実現による顧客価値の追求」「選択と集中による収益力強化」「将来成長に向けた戦略的投資」を、また重点戦略推進の基盤となる共通戦略として「人材戦略」「パートナー・アライアンス戦略」「デジタル戦略」を掲げている。

同社が推進する重点戦略の概要は以下のとおりである。

(1) DX実現による顧客価値の追求
「事業変革・パートナー」としてのビジネス拡大を目指し、成長期待の大きいデジタル領域で、顧客の事業変革を共に実現することをビジネス化する。顧客企業におけるDXへの動きが進むなか、ソリューションや技術の提供のみならず、変革をともに推進・実現するパートナーとしての役割が求められていることから、これまで取り組んできたIoT・AIサービスをはじめとしたデジタル技術をより一層強化・深化させるとともに、対応領域の拡大を図り、DX実現による顧客価値の共創に取り組む計画だ。

(2) 選択と集中による収益力強化
収益性の高い分野へのリソース集中により、事業基盤を強化する考えだ。ITサービスに対する顧客ニーズは多様化・高度化し、業務効率化を目的としたIT活用だけでなく、企業競争力を高めるための戦略的IT投資へと変化している。このような事業環境の変化に的確に対応し、事業基盤をより一層確固たるものにするため、これまで培ってきた技術・ノウハウをさらに拡充・発展させ同社の強みをさらに伸ばすとともに、成長が期待される分野や収益性の高い分野へリソースを集中し、次への成長に向けた新たな安定的な収益基盤の確立に取り組む計画である。

(3) 将来成長に向けた戦略的投資
新しいソリューション・サービス創出のための技術習得・先行投資を行う。新しいソリューション・サービス創出に向けた新技術習得やナレッジ蓄積、並びに新たな価値創造に挑戦し続ける活力ある人材の確保・育成、将来の事業拡大や事業基盤強化のためのM&Aや他社とのアライアンスなど、積極的な戦略投資を行う計画だ。

以上の重点戦略を推進することで、計画初年度の2023年3月期には、売上高45,000百万円(前期比3.6%増)、営業利益5,000百万円(同1.6%増)、経常利益5,040百万円(同0.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,450百万円(同0.6%減)を目指している。また、計画最終年度の2025年3月期には、売上高50,000百万円(2022年3月期実績比15.1%増、年平均成長率4.8%増)、営業利益率11%を経営目標とした。2023年3月期からスタートした4セグメント制で増収を継続し、おおむね2022年3月期並みの営業利益率を維持することで、増収増益を達成する計画である。これは、同社が3年後の達成を目指す最低限の目標を示した保守的な計画であると考えられ、今後の進捗状況に注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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