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【注目トピックス 日本株】ウェーブロックHD Research Memo(3):マテリアルソリューション事業とアドバンストテクノロジー事業を展開

2022年6月20日 15:03

■会社概要

2. 事業内容
ウェーブロックホールディングス<7940>は複数の素材(樹脂、繊維、紙、金属等)と各種加工技術(接着、溶着、ラミネート、表面加工、印刷、エンボス加工、編織、蒸着、発泡等)を「組み合わせる」ことで生み出される様々な付加価値製品(農業用及び建設・工事用シート、防虫網、食品トレー容器用シート、金属調加飾フィルム等)の製造・販売を各グループ会社で展開している。

事業セグメントとしては、インテリア事業を譲渡したため、2022年3月期よりマテリアルソリューション事業及びアドバンストテクノロジー事業の2つの事業セグメントで構成されている。2022年3月期の構成比を見ると売上高、営業利益ともにマテリアルソリューション事業が7割強を占める主力事業となっている。

(1) マテリアルソリューション事業
マテリアルソリューション事業では、独自技術による高品質な各種合成樹脂製品(シート、フィルム、メッシュ、ネット等)を建設資材、住宅資材、産業資材、農業資材、日用雑貨、食品包材等の幅広い分野に向け販売しており、業界別・製品群別にビルディングソリューション、インダストリアルソリューション、パッケージングソリューション、リビングソリューション、アグリソリューションの5つのソリューションに営業組織を分けることで、市場の変化に対応した最適なソリューションを提供している。同事業を担うイノベックスの主力生産拠点は古河工場(茨城県)、編織製品については静岡県にあるダイオ袋井工場やダイオ掛川工場で加工生産している。また、その他として、中国やタイの子会社を通じた仕入販売なども行っている。

a) ビルディングソリューション
主な製品として、工事用シート・メッシュといった仮設建設資材や、土木・林業資材として利用される植生網、防草フェンス、また、間仕切用資材となるカーテン・シートシャッター等を提供している。主な販売先は、仮設リース会社や代理店、商社となる。

b) インダストリアルソリューション
主な製品として、建物内で火災が発生した際に煙が拡散するのを防ぐ不燃シートである防煙垂壁や、レインウェア等の原材料として衣料用に特殊配合したシート等を提供している。主な販売先は代理店や商社、加工メーカー等となる。

c) パッケージングソリューション
乳製品、菓子、コンビニエンスストア等の弁当容器など各種食品用パッケージから電子部品用パッケージまで幅広い製品を提供している。合成樹脂を原料とし、顧客ニーズや用途に合わせて賞味期限を延ばす高機能素材や特許技術による環境配慮素材などを用いた製品を開発・提供している。主な販売先は食品メーカーや容器メーカー等となる。

d) リビングソリューション
網戸用の替え網(防虫網)や住宅廻りのネット資材、サッシと組み合わされた網戸として住宅等に設置される防虫網、農園芸用の被覆資材、関連商品などを、主にホームセンターやサッシメーカー向けに販売している。防虫網では国内シェア約7割とトップシェアを握っており、その他の製品についても高シェアを有している。防虫網や園芸用ネット、遮光網等に関しては売上の季節変動が大きく(例年3月から8月がピーク)、また、その年の天候状況によっても需要が大きく変化するため、ホームセンターでは在庫管理が難しい商材として位置付けられている。このため、同社は静岡県内にあるイノベックスの工場敷地内の3分の2を倉庫スペースに充て、生産を通年で平準化しながら在庫を一定量イノベックスで保持しておくことで、シーズンインに向けた顧客店舗への大量発送及び急な受注にも対応可能な物流体制を構築している。ここ数年は海外から競合する低価格商品が入ってくるものの、こうした物流体制は構築できておらず品切れが発生することも多い。製品の品質の高さもさることながら、こうしたサポート体制が充実していることも、同社が高いシェアを維持している要因と考えられる。

e) アグリソリューション
主に農業用向け製品として、遮光・遮熱ネット、防虫網や、保温シート等の各種被膜資材、土壌改良材など幅広く提供している。主な販売先は大手種苗・農薬メーカー、農業資材卸専門店等となる。

(2) アドバンストテクノロジー事業
アドバンストテクノロジー事業は、デコレーション&ディスプレー分野(金属調加飾フィルム、高透明二層シート)、コンバーティング分野、その他に分けられる。

金属調加飾フィルムは、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに特殊金属を蒸着させ、耐候性を保つために表面側にPMMA(アクリル樹脂)シート、下面側にABSフィルムを重ね、ドライラミネート工法※により貼り合わせた6層構造となっている。同フィルムは平面的な形状だけでなく、異型押出成形やフィルムインサート成形、真空成形など様々な加工技術を用いることで立体的な形状にすることも可能となっている。メッキ加工品とは異なり、錆びず、車体の軽量化に寄与するなど環境負荷が小さいだけでなく、電波並びに光の透過性が高いこと、成型性、意匠性にも優れるといったメリットを持つことから、自動車の内外装品向けに採用が拡がっているほか、自動二輪車や家電・雑貨向けの部品内外装向けに製造販売している。

※基材となるフィルムに接着剤を塗布し、乾燥炉で乾燥させた後、別のフィルムと圧着して貼り合せる加工方法。

自動車向けでは国内だけでなく中国や欧米、韓国、南米、ロシア等で販売実績があり、米国には2018年、欧州には2019年に現地に販売子会社を設立し、営業活動を強化している。自動二輪向けでは、エンブレム用としてインドや東南アジアで採用されている。製造拠点は古河工場と名古屋工場の2拠点体制で、フィルムを製造する前工程を古河工場で、シート成型加工を行う後工程を名古屋工場で担当している。

金属調加飾フィルムのうち、自動車外装用の競合としてはオランダの大手化学メーカーであるAkzo Nobel N.V.(アクゾノーベル)が挙げられる。また、金属調加飾フィルムの製法には同社やAkzo Nobelのような金属蒸着法を採用している企業と、転写を採用している企業等がある。転写は量産性に優れるためコストが低いものの、耐候性が弱く自動車の外装用としては別途ハードコートが必要となる場合が多い。

高透明二層シートについては、2021年3月期にスマートフォン筐体向けから撤退し、現在は光学特性の高さや歪みの少なさ、防塵特性等の強みを生かして内装ディスプレイの大型化が進む車載分野(センターインフォメーションディスプレイ(以下、CID)やヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)向け等)での拡販に注力している(同分野では三菱ガス化学<4182>が最大手)。

コンバーティング分野には、医療用湿布の不織布印刷や離型フィルムへの印刷・シリコン処理加工等が含まれ、安定収益源となっている。また、その他として液晶ディスプレー向けの拡散板や食品包材向け開封テープ等の仕入販売を行っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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