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【注目トピックス 日本株】Iスペース Research Memo(8):成長シナリオの蓋然性が高まればEV/EBITDA倍率も再評価される可能性

2022年6月22日 15:08

■同業他社比較

アフィリエイト運営会社の大手はインタースペース<2122>のほかファンコミュニケーションズ、アドウェイズ、バリューコマース、リンクシェア・ジャパン(株)(楽天グループ<4755>の子会社)の4社が挙げられる。売上高の規模はその他の事業も展開しているため各社ばらつきがあるものの、同社も含めた5社合計のアフィリエイトサービスにおける業界シェアは6割弱、うち同社は1割弱のシェアと見られる。

同業他社の特徴について見ると、ファンコミュニケーションズは2021年3月時点で「A8.net」のパートナーサイト数が約308万サイト、稼働広告主ID数で3,377件となっており、パートナーサイト数では業界最大規模となっている。中小企業向け広告ビジネスを長く提供しており、EC分野の依存度が比較的高いことが特徴だ。業績面では、スマートフォン向け広告サービス「nend」の事業縮小に加えて、アフィリエイトサービス「A8.net」もコロナ禍で低迷が続いており、2022年12月期第1四半期の営業利益は前年同期比6.6%減益となった。通期では前期比3.9%増と7期ぶりの増益に転じる見通しとなっている。

アドウェイズはモバイル向け比率が7割弱(対国内広告売上高)と高く、ゲームや電子コミック系に強みを持つ。特に、ここ数年は機械学習によるスマートフォン向けアドネットワーク広告配信サービス「UNICORN」の売上が大きく成長しており、収益を伸ばしている。損失が続いていた海外事業についても、2021年12月期に黒字化した。2022年12月期第1四半期の業績はアフィリエイト広告の取扱高が減少したものの、「UNICORN」やエージェンシー事業の拡大により増収増益となった。2022年12月期見通しについては前期が9ヶ月変則決算のため伸び率は不明なものの、堅調に推移するものと予想される。

バリューコマースは業績好調が続いている。マーケティングソリューションズ事業(アフィリエイトサービス)に加えてECソリューションズ事業が高成長を続けており、直近は営業利益の約7割をECソリューションズ事業で占めている。2022年12月期第1四半期業績は両事業とも前年同期比2ケタ増収増益となった。マーケティングソリューションズ事業の業種別売上構成比は金融分野が4割と最も高く、そのほかは幅広い業種をバランスよく手掛けている。第1四半期はEC分野と金融分野が好調で事業利益率も約20%の水準となっている。2022年12月期業績も2ケタ増収増益が続く見通し。2022年3月末のマーケティングソリューションズ事業のパートナーサイト数は77万サイト、広告主数(ID数)は1,196件となっている。

これら上場企業のなかで、同社の2022年9月期の営業利益率は13.6%の見通しとなっており、ファンコミュニケーションズやバリューコマースと比較して低くなっている。これは海外事業がまだ先行投資段階で収益化していないことや、メディア運営事業においても育成段階のメディアが多いことが要因と考えられる。ただ、これらは今後の取り組みによって改善していくほか、生産性の向上も期待できることから、利益率の上昇余地は大きいと弊社では見ている。

株価指標について見ると、同社の株価(2022年6月6日終値)は2022年9月期の予想PERで10.0倍、EV/EBITDAで1.13倍と大手4社のなかでもっとも低い評価となっている。EV/EBITDAとは企業を買収する場合に、買収コスト(時価総額+有利子負債−現金及び預金・有価証券)を期間収益(営業利益+償却費)の何年分で回収できるかを簡易的に指標化したものとなり、倍率が低いほど買収コストを短期間で回収できることを意味している(=時価総額が過小に評価)。これらの株価指標が低いと言うことは、株式市場での成長期待が低いことの裏返しでもあるとも言える。なお、EV/EBITDAについてはファンコミュニケーションズも4.07倍と低く、業績好調な2社が10倍前後で評価されていることから、二極化した状態になっている。とは言え、同社の業績は直近で増収増益に転じており、2023年9月期には過去最高を更新する可能性も出てきている。インターネット広告事業において海外事業の収益化、メディア運営事業では「ママスタ」に続く収益柱となるメディアの育成など、中長期的な成長シナリオが描けるような蓋然性が高まってくれば、株式市場での評価も変わってくるものと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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