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【注目トピックス 日本株】フォースタ Research Memo(5):好調な事業環境を背景に成長トレンドが継続も、人材関連投資の影響で減益見込み

2022年6月22日 15:15

■今後の見通し

1. 2023年3月期業績の見通し
2023年3月期連結業績予想についてフォースタートアップス<7089>は、売上高で2,800百万円(前期比19.2%増)、営業利益で570百万円(同5.4%減)、経常利益で570百万円(同6.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益で400百万円(同13.3%減)を見込んでいる。好調な事業環境を背景に成長トレンドを継続し増収となる一方で、過去最大規模の採用など積極的な人材関連投資を行う影響により、減益の見通しとなっている。人材確保・人材育成の推進に向けた施策としては、「流入の増加」「採用力の強化」「人材育成」を掲げ、これらを着実に実行していくことで過去最高となる50名の純増を目指している。一方、足元のマクロ環境の変化としては、政府による国家戦略の重要な柱として、スタートアップエコシステム強化が掲げられている。政府は「スタートアップ育成5か年計画」の策定、(一社)日本経済団体連合会(以下、経団連)は「スタートアップ躍進ビジョン」を公表しており、具体的施策の状況によっては、同社の業績予想に対してプラスの影響を与える可能性がある。このように、事業環境は好調であり、人材関連投資を中心とした成長投資を継続することで、さらなる成長を目指していく。

ヒューマンキャピタリストやエンジニアのほか、高いスキルを有したトップタレントなど、幅広い分野での人材確保は同社にとっての課題であることから、社内外の教育研修を通じた育成を含め、人材強化を推進していく。人員増や人材育成は売上規模拡大や1人当たり生産性向上に直結する要素であることから、これらの取り組みを通じて同社のトップラインは中長期的に伸長すると弊社では見ている。

2. ベンチャーキャピタル・起業家とのネットワークに起因する強み
イノベーションの創出源泉となる新たなテクノロジーは移り変わりが激しく、その結果としてスタートアップ企業の人材ニーズも大きく変動する。スタートアップ企業に人的資源を最適配置するには、スタートアップ企業自体だけでなく、成長産業に対する広範かつ深い理解が重要である一方、情報のキャッチアップコストや候補者とのマッチングコストが高いという特徴がある。また、スタートアップ企業は大手企業と比較して平均年収帯域が低い傾向にある。この領域で収益性の向上を図るためには、スタートアップ企業に関連した幅広い情報収集力や企業側・候補者側双方をマッチングさせる仕組みが必要と同社では考えている。

このような課題を解決するために同社は、ベンチャーキャピタルや起業家等と密な連携を行う情報収集ネットワークを構築している。ベンチャーキャピタルは投資背景等のスタートアップ企業に関する客観的な情報を保有しており、起業家は企業の将来的な展望や起業背景等の内面的な情報を保有していることから、ベンチャーキャピタルや起業家と緊密に連携することで、スタートアップ企業に関する様々な情報のタイムリーなキャッチアップが可能となる。具体的には、複数のベンチャーキャピタルと定期的に情報を交換するほか、起業家との勉強会を定期的に開催するなどしている。

同社では他社のデータベースも活用しており、すべてが内製化されてはいないものの、これらの強みを背景に同社事業の模倣困難性は高くなっている。上記の強みは同社が創業期から築いてきた、ベンチャーキャピタルやスタートアップ企業との取引の積み上げがベースとなっている。また、スタートアップ関連市場が拡大するにつれて同社は取引をさらに積み上げ、多種多様な情報がデータベースにアップデートされる。このようなフローを通じて、同社の強み・独自性・模倣困難性はさらに高まると弊社では見ている。

3. 「STARTUP DB」の活用
国内のスタートアップマーケットの特徴として、スタートアップ企業に関する客観的な情報の不足があると同社では考えている。この課題に対し同社では、スタートアップに関する客観的な情報を収集した統一データベース「STARTUP DB」を無料(一部有料)で公開している。「STARTUP DB」では、スタートアップ企業の事業内容や役員情報、資金調達情報、登記簿情報から算出した想定時価総額などを掲載しており、マスコミとも連携して情報を積極的に発信している。掲載企業数は13,000社超(2022年4月末時点)で、国内最大級の成長産業データベースとなっている。

同社内では「STARTUP DB」の公開情報に加え、ベンチャーキャピタル・起業家とのネットワークを通じて収集した情報を基に、独自のアルゴリズムを用いて各スタートアップ企業を数値化し、この情報を整理・序列化することで社内データベースとして蓄積している。そのうえで、特に成長性が高いと考えるスタートアップ企業(以下、有力スタートアップ企業)に対して優先的に人材紹介サービスを提供している。

また、同社のエンジニア組織も強みの1つである。社内のエンジニア組織である「TechLab.」は、スタートアップ企業を支援する「STARTUP DB CLUB」、大企業向けデータ提供サービスの「STARTUP DB ENTERPRISE」の提供のほか、社内のヒューマンキャピタリスト向けに「業務支援ツール」、転職者向け転職支援ツール「TALENTSHIP」の開発にも従事している。同社は人材・資金面でのスタートアップサポートがメインであるものの、ベースにあるのは社内のテクノロジーであり、技術力の向上も積極的に図っている。

4. 事業環境
足元の事業環境の変化のうち、スタートアップ企業の経営環境に影響を及ぼし得るリスク要因には、米国の利上げやウクライナ情勢などによる金融情勢の変化、グロース市場における株価水準の低下などが挙げられる。しかし、ベンチャーキャピタルにおける資金需要やファンドの待機資金は過去最大であり、上位2割と目される競争力のあるスタートアップ企業には、大型の資金調達が国内外から集まる状況である。日本においては特に顕著であり、2022年に入っても国内外より多くの資金が流入してきている。同社は、競争力のあるスタートアップ企業に対して集中的に支援を行うことで、業績の成長を伸ばしていく方針だ。なお、足元の2022年4月から5月の受注実績も堅調に推移していることから、これらの事業環境の変化が業績へ与える影響は軽微と弊社では見ている。

また、政府がスタートアップの支援を国家戦略の重要な柱として掲げたことは、同社にとって大きな追い風である。2022年6月には「スタートアップ育成5か年計画」が発表される予定であり、スタートアップ企業が力強く底上げされる可能性を秘めている。また、経団連からは「スタートアップ躍進ビジョン」が公表されており、5年後までに起業数10倍、ユニコーン企業数100社・デカコーン企業2社以上を成長目標に据えた。これらの方針に関する具体的施策の状況によっては、同社の業績予想に対してプラスの影響を与える可能性が高いと弊社では見ている。

政府が公表した骨太方針では、スタートアップの他にグリーンやデジタルを掲げており、そのすべてがテクノロジーとイノベーションに関わるものとなっている。官民連携により強力に支援する方針であり、イノベーションに大きく関わる事業を手掛ける同社にとって千載一遇の追い風となることが予想される。だからこそ、当面は売上高成長にフォーカスし、人材への成長投資を行い成長フェーズに向けたマネジメントシステムの構築に注力する。同社のトップラインの増加は、より多くのスタートアップ企業の支援に直結しており、日本社会の未来へも大きく貢献していくものと弊社では考える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)

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