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【注目トピックス 日本株】ウイングアーク Research Memo(8):5ヶ年の「中期経営方針」を発表

2022年8月3日 15:48

■今後の見通し

2. 中長期の成長戦略
新型コロナウイルス感染症拡大を受け、企業は働き方改革や新しい環境での競争力強化のため、DXに積極的に取り組んでいる。また、2022年1月にリモートワークやペーパーレスを後押しする改正電子帳簿保存法が施行され、企業間取引に関する文書の電子化が急激に進展している。ウイングアーク1st<4432>は、このような市場の大きな変化をチャンスと捉え、2022年1月に5ヶ年の「中期経営方針」を発表した。「企業のDXを推し進めるデータプラットフォームの実現」を柱に据え、主にクラウドビジネスでの大きな成長を目指す計画である。このプラットフォームをベースに、帳票・文書管理ソリューションはデータを流通させ、企業間取引の変革を実現する「企業間DX」、データエンパワーメントソリューションはデータから価値を引き出し、生産性の向上や新しいビジネスの創出に資する「企業内DX」に取り組む方針である。

当該期間中に同社が達成を目指す目標は、「クラウド成長率40%(2022年2月期~2027年2月期平均)」「リカーリング比率75%(2027年2月期)」「クラウド比率40%(2027年2月期)」「調整後EBITDA 120億円(2027年2月期)」である。

具体的な取り組みは、(1)クラウドビジネスの拡大、(2)リカーリングビジネスの拡大、(3)グループ経営基盤の強化である。

(1) クラウドビジネスの拡大
現在の同社グループの売上収益の大半は、ソフトウェアから生み出されているが、企業のDXへの取り組みが広がる中、迅速な導入が可能で初期コストが低く、他のシステムとの連携が容易なクラウドサービスの市場は拡大している。このような環境の中、同社は2022年1月に発表した「中期経営方針」でクラウドをベースとした「企業のDXを推し進めるデータプラットフォームの実現」を掲げ、2022年2月期から2027年2月期のクラウド売上の年平均成長率40%及び2027年2月期の全社売上に占めるクラウド売上比率40%を目標としている。

・開発体制の強化
同社グループでは、クラウドサービスに関する継続的な新機能の開発や性能向上のため、開発体制の強化を進めている一方で、優秀なエンジニアの獲得はますます難しい状況になっている。最先端技術への積極的な取り組みや働き方改革を進め、エンジニアにとって魅力的な環境を提供するとともに、外部リソースも活用し、柔軟な開発体制を構築していく考えである。

・アライアンスの推進
同社グループが提供するクラウドサービスは、同社グループのみがサービスを提供するのではなく、様々な特徴を持つ企業と密に連携することで、スピーディに包括的なサービスを提供することを目指している。今後もサービスレベル向上のため、様々な企業との連携を行っていく考えである。

(2) リカーリングビジネスの拡大
同社グループは、顧客に対し、1度限りのサービス提供ではなく、継続的にサービス提供を行い、その対価をサービスの提供期間に応じて受け取る「リカーリングビジネス」を推進している。「リカーリングビジネス」の利点は、業績の安定化、業績の予見性の向上、顧客とのリレーションシップの維持などであるが、一方で、顧客の維持管理コストの増加などのデメリットもある。そのため、同社は「リカーリングビジネス」に特化した部署を組織し、離脱防止対策を行うとともに、顧客への追加商材の提案による売上の向上を目指している。2022年2月期における「リカーリングビジネス」に係る売上である「リカーリングレベニュー」の売上全体に占める比率(リカーリング比率)は61.4%であり、安定している。今後も売上の拡大と共に当該比率の向上を目指す考えである。なお、2022年1月に発表した「中期経営方針」では、2027年2月期にリカーリング比率75%を目標としている。

・契約継続率の維持向上
「リカーリングビジネス」は、1度契約した顧客にいかに継続的に利用してもらうかが最も重要となるため、同社グループでは、「契約継続率」をKPIとしている。そして、専門部署にて顧客の利用状況や課題をヒアリングし、きめ細やかな対応を行うことにより、当該数値の維持向上に努めている。なお、2022年2月期における「契約継続率」は93.2%であり、安定している。

(3) グループ経営基盤の強化
同社グループは2013年9月の非上場化以来、経営基盤の強化に取り組み、グループの再編(子会社の統合、非コア事業の売却)、社内基幹システムの再構築、経営管理システムの高度化、各種顧客管理業務のシステム化などを推し進めてきた。今後、「中期経営方針」の目標達成のため、様々なクラウドサービスの立ち上げや強化を行っていく計画となっており、精緻な業績管理が求められる。また、業容拡大を目的としてM&Aで獲得した海外を含む子会社についても、同社グループの経営方針のもと、一体となった管理体制が求められる。同社グループは、これに対応すべく社内のDXを推し進め、グループ各社と密に連携し、タイムリーに経営状況を把握でき、適切な対策を早期に打てる体制の強化に取り組んでいく考えである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 藤田 要)

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