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【注目トピックス 日本株】DLE Research Memo(5):お手軽エンタテインメントを短納期・低コスト・大量プロデュースし高収益獲得

2016年11月4日 16:20

■ビジネスモデル

(1) IPビジネス

ディー・エル・イー<3686>の最大の特徴である「ファスト・エンタテインメントモデル」について説明する。

現代は、世界規模でのインターネットの進歩・拡張、スマートフォン・タブレットなどスマートデバイスの急速な普及、ソーシャルメディア、動画配信・投稿サイトなどの新たな成長メディアの興隆等、メディア環境が大きく変わってきている。このような中、人々は、スマートデバイスを使い、最適メディアを選択し、「いつでも、どこでも、すぐに」楽しめる「手軽なエンタテインメント」を求め、SNSを使って即時に情報や感動を共有する傾向が強くなっている。同社の事業は、ファスト・フードやファスト・ファッションのように手軽なエンタテインメントを提供するもの、つまり「スキマ時間に楽しめ、容易に共有できるショート・コンテンツを、短納期かつ低コストで」提供するものであり、その特徴と高収益の仕組みについて説明する。

a)特徴
1) PDCAサイクルの高速回転によるコンテンツの継続的進化
視聴者の声や消費者の動きを吸い上げ、すぐに企画・制作に取り入れることで世の中のニーズに合った作品・仕掛けをプロデュースすることで、飽きを防ぎ、ヒットする確率をアップさせている。

例えば、月曜日に番組を放送したとすると、即日SNSやネット上でその反応(ビッグデータ)を収集し、ユーザーが何を期待しているか、また逆に何が期待の裏をかくのか、などといったことを分析する。加えて、その時々の旬な話題なども踏まえ、よりユーザーの関心を引き、拡散を誘発するような内容にシナリオを書き換える。これを次の月曜日に放送し、またその結果を収集し分析するというPDCAサイクルを繰り返すことで、常に“今”求められるコンテンツへの進化を図っている。

このようにコンテンツの瞬発的変化を可能にするのは、同社自身がIPオーナーであり、急な変更に許諾を要しないこと及び社内に持つ独自の制作システムによるものである。

2)小さく産んで大きく育てるローリスク・ハイリターンモデル
ニッチなメディアにローリスクで参入し、熱狂を作り育て、やがてマスメディアに成長させ、ハイリターンを狙うのが同社ビジネスの特徴であり、先に挙げた「パンパカパンツ」がその好例である。この成功もあり、同社の共同パートナーとなるニッチメディアは、日本全国のテレビ局、企業、自治体、SNSプラットフォーム、シネマコンプレックスなど国内外の多数の業種に広がっており、今後も第2、第3の「パンパカパンツ」の誕生が期待される。

なお、同社の強みによって実現している当該モデルだが、通常ニッチなメディアでのキャラクタービジネスは非効率で採算が合わないとされるため、参入障壁は高いものとなっている。

3) IPポートフォリオの持続的成長
同社では様々なIPを成長させ、それぞれ収益力を向上させることで、特定のIPに依存しないポートフォリオを作り出している。主力IPである「秘密結社 鷹の爪」は順調に成長しているが、同社全体の売上に占める割合は2013年6月期の57%から2015年6月期は40%へと低下している。特定IPへの依存度は低下しており、売上構成における安全性は上昇している。

なお、単にIPを作り出すこと自体は個人でも可能であり、参入障壁は低いといえる。しかし、そのIPがヒットするかどうかは奇跡に近く、ましてや再現可能性は極めて低いといえる。一方、同社はTV局や映画館へも作品を供給できる量産力及び品質担保力と、先述したニッチメディアパートナーとの共同モデル構築などターゲットとなる視聴者へ確実にIPをリーチ・拡散させることができる「熱狂を生み出すプロデュース力」によってヒットの再現可能性を高めることに成功している。

b)高収益の仕組み
ファスト・エンタテインメントモデルの高収益の仕組みについても説明する。

1)セールスプロモーションにおける複合展開による単価向上
広告主にとってセールスプロモーションの手法として、従来のTVCMでは消費者にリーチできない、また、一般的なインターネット動画広告では自社商品・サービスのアピールをする前にスキップされてしまうといった悩みがある。一方、同社のインターネット動画広告はクライアントの商品・サービスをキャラクターを使い、わかりやすくかつ面白く伝えることで、視聴のハードルを下げ、再生視聴時間を伸ばすことに成功している。

同社はインターネット動画広告だけに限らず、連動した各種施策(TVCM、交通広告、イベント等)のノウハウの蓄積を活かし、案件のほとんどについて複合展開を提案している。顧客にとってはメリットが大きく高単価での提案が可能であり、同社の高収益に寄与している。

2)多メディア・多チャンネル時代のマスマーケットアプローチ
従来のように夕食時に親子が同じTV番組を見る時代から、個人がそれぞれのTVで好きな番組を見たり、スマートフォンで動画を楽しむ時代となっていることに適応するため、短納期・低コスト・大量生産可能という同社の強みを生かし、同一IPでも各セグメントのターゲット別にエピソードを変えるなど、きめ細かくコンテンツを提供している。このため、単一コンテンツでの提供に比べ、低リスクで幅広い層へのアプローチを可能とし、短期間での認知度向上を実現させている。つまり、みんなが「どこかで見た」と思っている同社IPを使ったコンテンツは実は各個人の趣味・嗜好にカスタマイズされているものである。同社は各セグメント層の積み重ねによってIP自体の認知を幅広い層に広げることに成功している。

3)自社で完結したビジネスモデル
同業他社と異なり、同社はIPの企画開発から映像制作、二次展開及び海外展開までをすべて自社で完結している。これにより、迅速かつ幅広い事業展開が可能で、結果として高収益を上げている。

つまり、次々と誕生するインターネット動画配信サービスなどの新メディア、SNSなどのインターネットサービス、VR/ARなどの新しいテクノロジーといった環境変化への適応力を高めるため、従来の業界の壁に縛られないビジネスモデルを構築している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)

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