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【注目トピックス 市況・概況】【フィスコ・コラム】「ノルウェー・モデル」に転機?

2016年11月6日 12:02

英国の欧州連合(EU)離脱で注目されている「ノルウェー・モデル」が、今後転機を迎える可能性が出てきました。ノルウェーでは単一市場参加の枠組みである欧州経済領域(EEA)をめぐる問題がクローズアップされているもようで、もしかしたら来年9月に行われる4年に1度の議会選挙(一院政、169議席)で争点となるかもしれません。


ノルウェーは北海油田に権益を保有する世界でもトップクラスの産油国です。安定的な経常黒字国であり投資先としても人気のようです。しかし、資源国通貨は2014年半ば以降の原油安の影響を受けており、同国も例外ではありません。通貨クローネは2015年半ばには対ドルで6クローネだったのが、2016年はじめにかけて9クローネまで下落。経済成長率も近年は鈍化傾向が続いています。

9月28日に開催された石油輸出国機構(OPEC)非公式会合で主要産油国が供給過剰解消に向け協調減産で合意したことを受け、クローネはいったん回復に転じました。ノルウェー中央銀行は10月27日に政策金利0.50%の据え置きを決定し、景気回復見通しを背景に利下げ観測も後退しています。しかし、産油国による協調体制には疑念が根強いため、原油価格は思惑通りに回復しない可能性もあり、そうなれば再び低成長に戻るでしょう。欧州向けを中心とするエネルギー輸出で得た収益は高福祉の原資でもあります。資源は命綱であるため、輸出先のEUとの関係が重要なのは言うまでもありません。

ノルウェーは1972年のEC、1994年のEUへの加盟について国家主権を理由に2度とも国民投票で否決しています。EU加盟への懐疑的な見方はさらに強まっているもようで、今後も正式加盟は見込めません。ただ、EUとの関係でいえばEEA協定には加盟し、農業と漁業以外はEU加盟国と同様に単一市場にアクセスする権限が与えられています。EU予算も拠出しており、原則的に人、モノ、資本、サービスの移動の自由をEUと共有しています。これが英国のEU離脱問題でよく聞かれる「ノルウェー・モデル」です。

とはいえ、このモデルには政策決定に参加できないという非常に大きなデメリットがあります。英国のEU離脱論議をきっかけに、ノルウェーでもEEA協定をもっと弾力的に運用できるよう変更したいとの機運が高まっているようです。例えば、現在は国民1人当たりのEU予算拠出額が英国の8割程度にのぼるのに、政策決定には影響力がありません。資源安が長期的にわたり続けば情勢は変わらざるを得ず、政策決定における発言力を確保する必要が出てくるのではないでしょうか。

ノルウェーでは2013年9月に実施された議会選で保守党を中心とする中道右派が過半数を獲得し、労働党など中道左派を破って2005年以来、8年ぶりに政権を奪還しました。現政権は親ビジネス路線への軌道修正を打ち出したものの、地元メディアによる直近の支持率調査では3年前に野党に転落した労働党が上回っています。労働党に近い中央党などから、EU離脱交渉を進める英国と連携を深める必要性について議論が広がっているようです。
『吉池 威』

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