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Fラン大学OBが明かす“アホみたいな”中退事情 「彼女ができないから辞めます」

Fラン大学には中退する学生が多いというのは本当か(イメージ。Getty Images)

Fラン大学には中退する学生が多いというのは本当か(イメージ。Getty Images)

 選り好みしなければ、希望者がみな大学に入れる「大学全入時代」が近づいているが、大学への進学率が上昇したのに合わせて、大学を中途退学する人たちも一定数占めるようになっている。そしてそれは、偏差値と密接な関係があるという調査結果もある。

 独立行政法人労働政策研究・研修機構が2015年に発表した「大学等中退者の就労と意識に関する研究」によると、偏差値39の大学の学生の中退率は17.2%。以下、偏差値40~44で16.9%、偏差値45~49で11.5%と、偏差値が上がるにつれ中退率は下がっていき、偏差値65~69で3.0%、偏差値70以上で2.2%となっている(2008年度入学から2012年卒業までの期間)。つまりこのデータからは、偏差値が低ければ低いほど中退率が高くなる、という現実が読み解ける。

 では、偏差値の低い、いわゆる「Fラン」と言われる大学の中退事情はどうなっているのか。OBたちの声から、その実態を探った。

誰かが辞めると自分も辞めたくなる“ドミノ中退”も

 飲食店スタッフの20代男性・Aさんは、自身がFラン大学に進学した理由をこう語る。

「僕は高校までは野球一筋。甲子園常連の強豪高校に推薦で入りました。とはいえ、レギュラーでバリバリ活躍できたわけじゃなく、上のレベルでやるのには限界も感じていた。そうして、進路を決める段階で、やりたいことがわからなくなったんです。特にやりたいこともなく、でも勉強もしたくない。先生には、指定校推薦で行けるところならどこでもいい、と言って入学したのが、いわゆるFラン大学です。僕と同じ体育コースで、仲の良かった同級生は、大体指定校推薦で進学していました」(Aさん)

 高校卒業後、就職するという選択肢もあったが、Aさんは、「働くのはまだ怖かった」と振り返る。

「Fランであっても、“大卒”にはなる。自分が何をしたいのか、探すために4年間をもらった感じです。とはいえ奨学金を借りると返さなくちゃいけないので、親には『学費以上に絶対恩返しするから』と頭を下げて、お金を出してもらいました」(Aさん)

 そして大学に入学したAさんが目にしたのは、講義に出ても一切話を聞かない学生や、すぐに「辞める」と口にする学生たちで、実際、中退した同級生も少なくなかったという。

「先生の目の前で、椅子3つ分を使って横になって爆睡したり、授業中にビールを飲んだり。UNOをしている人たちもいました。寝るにしても酒を飲むにしても、外に行けばいいのに、わざわざこれみよがしにするのが残念ですよね……。

 大学に何をしに来てるかって、友達と群れて安心する感じです。だから最近の学生なんかは、オンライン授業になると、群れられず、大学生でいる意義がわからなくなる。それで誰かひとり知り合いが辞めると自分も辞めたくなる、みたいな“ドミノ中退”が起きてるみたいです」(Aさん)

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