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【注目トピックス 経済総合】トランプ大統領誕生後の相場展望【為替市場編】:ドル高円安はまだまだ続く可能性も

2016年11月17日 15:11



トランプ新大統領決定後のドル高円安の進行を見る限り、保護主義政策だけをとってみての円高懸念は行き過ぎであったと考えられる。財政拡大による米国景気の拡大、米国長期金利の上昇に伴う日米長短金利差の拡大に加えて、トランプ氏は企業が海外で儲けた資金を国内に還流させる場合の税率を下げると明言している。
国内還流時まで認めていた延期措置を廃止するとともに、税率を現状の約40%から15%に引き下げること(1回限りで10%を適用)を提案している。これが実現した場合、海外に滞留している現地通貨建ての利益(約2.5兆ドルとも言われる)が、一気にドルに転換されることになる。一時的にドル高円安の流れが急速に強まることになろう。
こうした動きが顕在化するまで、ドル高円安は止まらないとの見方もできるため、これはトランプ氏の政策に伴う日本株のアップサイドリスク、ともなり得よう。

また、トランプ大統領誕生直後の市場混乱はこれまでみられていないことから、米国では想定どおり年内の利上げを行う可能性が高いと見る。また、2017年の利上げは2回程度といったコンセンサスも現状では変化なしとみられ、想定どおりであれば緩やかなドル高円安、米国株高の傾向が予想されることになる。
ただ、現状で好調な経済指標が目立ってきている中、トランプ新大統領の政策であるインフラ投資拡大、輸入関税の引き上げなどが一気に実施されるとなると、インフレが急ピッチで進む可能性もあろう。大統領誕生直後の米国金利上昇は、こうした方向性を示唆しているともみてとれる。
この場合、インフレに対応して実体経済に見合った以上の利上げを余儀なくされる可能性も残る。2017年の利上げ回数見通しの上方修正も短期的には円安進行要因となり得る。

米国の通商政策を考慮してもドル高円安圧力は強いと考えられる中、仮に、トランプ氏が選挙前に示していたような過度な保護貿易主義政策をマイルドにでも変化させていくとすれば、為替の円安傾向は長期化することにもなる。米国の保護主義政策の変更は世界経済への安心感を一段と強めさせることにもなり、リスクオンからのさらなる円安進行も想定される。

(執筆/佐藤勝己~フィスコ・チーフアナリスト)


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