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【注目トピックス 日本株】神戸物産 Research Memo(1):原材料価格上昇を増収効果やコスト低減効果で吸収し、業務スーパー事業の成長続く

■要約

神戸物産<3038>は農畜産物の生産から製造加工、小売販売まで自社グループで行う食の製販一体企業として国内トップ企業である。食品スーパーの「業務スーパー」をフランチャイズ(以下、FC)展開しているほか、外食・中食事業やエコ再生エネルギー事業も手掛けている。店舗の徹底的な「ローコストオペレーション」と自社グループ商品の開発・生産技術力、輸入商品調達力を強みとし、顧客ニーズに合う商品をベストプライスで提供し続けることで成長を続けている。

1. 2022年10月期の業績概要
2022年10月期の連結業績は、売上高で前期比12.4%増の406,813百万円、営業利益で同1.9%増の27,820百万円と過去最高業績を連続更新した。原材料費や人件費、運送費の増加を増収効果で吸収した格好だ。円安進行による輸入商品の仕入コスト上昇分については為替予約などである程度ヘッジでき、経常利益は期初計画を上回って着地した。主力の業務スーパー事業は、「業務スーパー」の店舗数拡大(前期末比57店舗増の1,007店舗)に加えて、直轄エリア※の既存店(以下、既存店)向け商品出荷額が堅調に推移し2ケタ増収となった。同期間における食品スーパー業界全体の既存店売上高は1%強の減少となっており、「業務スーパー」の商品力や集客力の高さが改めて確認される結果となった。

※直轄エリアは、関西2府4県(淡路島除く)、関東1都3県、九州(鹿児島県、沖縄県除く)及び北海道で、それ以外は地方エリアとしている。

2. 2023年10月期の業績見通し
2023年10月期の連結業績は、売上高で前期比8.2%増の440,000百万円、営業利益で同6.8%増の29,700百万円と増収増益が続く見通し。円安進行による輸入商品のコスト上昇や原材料費及び光熱費高騰の影響が続くことを前提としている。為替レートは140円台/米ドルを前提としており、現状の130円台/米ドルで推移するようであれば営業利益の上振れ要因となる。また、原材料価格の上昇については、値上げと合わせて材料配合の見直しを行うなどコスト削減を進めることで吸収していく方針だ。ナショナルブランド(以下、NB)商品の値上げが相次いでいることから、同社プライベードブランド(以下、PB)商品の価格優位性は高まっており、2023年10月期も既存店向け商品出荷額は堅調に推移するものと予想される。事業別では、業務スーパー事業の業績前提として「業務スーパー」で前期末比40店舗増を計画している。また、外食・中食事業は店舗数の拡大により増収が続く見通し。エコ再生エネルギー事業は2022年6月に稼働した発電所が通年で寄与することもあり、2ケタ増収増益を見込んでいる。

3. 中期経営計画
同社は3ヶ年の中期経営計画の業績目標として、最終年度となる2024年10月期に売上高4,100億円、営業利益320億円を掲げていた。売上高には1年前倒しで達成する見通しだが、今後の経済情勢が不透明なことから見直しは行っていない。市場環境が悪化するようなことがなければ、営業利益も含めて達成可能な水準と弊社では見ている。同社は成長戦略として、引き続き業務スーパー事業における店舗数拡大とPB商品の拡充による持続的な成長を見込んでいる。「業務スーパー」の出店余地としては1,500店舗程度までは可能と見られ、成長余力は依然大きい。事業規模の拡大に合わせて物流体制の見直しも進めており、2025年頃に開設予定の食品加工工場には物流機能を持たせることも検討している。外食・中食事業は、店舗数拡大による事業規模拡大を目指している。外食事業では焼肉オーダーバイキングの「プレミアムカルビ」が好調で、オペレーション体制を確立した後にFC展開により出店ペースを加速していく。中食事業は「馳走菜」が好調で、2023年10月期に100店舗を突破する見通し。2022年12月にはドラッグストアへの出店も行い、さらなる店舗数の拡大が期待できる。外食・中食事業は先行投資により損失計上が続いていたが、2023年10月期に収支均衡水準となり、2024年10月期以降は利益貢献してくると予想される。

■Key Points
・原材料価格高騰や円安の影響を増収効果とコスト削減効果で吸収し、過去最高業績を連続更新
・コスト上昇に耐えられる筋肉質な収益体質を構築し、2023年10月期も増収増益を目指す
・業務スーパーの出店余地は依然大きく、当面は1,200店舗を目標に、長期的には1,500店舗を視野に入れる

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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