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【注目トピックス 日本株】ナレッジスイート Research Memo(1):国内初となるタレントテック事業の引き合いが好調

■要約

ナレッジスイート<3999>は、中堅・中小企業向けにSFA※機能を中心としたクラウド型統合ビジネスアプリケーション「Knowledge Suite(ナレッジスイート)」を主要サービスとして展開するIT企業である。「Knowledge Suite」(OEM除く)等のSaaSの契約社数は2022年9月末時点で2,600社と右肩上がりに増加中で、サブスクリプション型のビジネスモデルとなっていることが特徴。M&Aにも積極的で、BPO事業を担う(株)アーキテクトコアやDX事業を展開する(株)DXクラウド、ネットビジネスサポート(株)を子会社化している。なお、2023年4月に持株会社体制に移行する予定で、株式移転によって新たに設立するBBDイニシアティブ(株)が同社に代わって東証グロース市場に上場する。同社既存株主の保有株式については、そのままBBDイニシアティブに移行する。

※SFA(Sales Force Automation)とは、営業のプロセスや進捗状況を管理し、営業活動を効率化するためのシステム。

1. 2022年9月期業績実績
2022年9月期の連結業績は、売上収益で前期比28.2%増の3,234百万円、営業利益で122百万円(前期は118百万円の損失)となった。売上収益は2期連続で過去最高を更新し、営業利益は3期ぶりに黒字転換した。DX事業の売上収益が「Knowledge Suite」の伸長に加えて、2021年9月期下期に加わった子会社2社の売上が通年で寄与したことにより、同48.9%増の1,461百万円と大幅増となったほか、BPO事業もシステムエンジニアリングサービス(以下、SES)の好調により同15.0%増の1,773百万円と順調に拡大した。費用面では開発費・外注費が317百万円増加したほか、人件費も積極的な人材採用を実施したことで200百万円増加したが、増収効果で吸収する格好となった。「Knowledge Suite」のKPIについて見ると、契約社数は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で商談期間が長期化する傾向が続いたことで、前期末比11.9%増の2,600社とやや伸び悩んだが、グループSaaSのクロスセル提案に取り組んだことで既存顧客におけるARPA※1が同14.5%増と順調に増加し、2022年9月期第4四半期末のARR※2は前年同期比27.0%増の903百万円となった。

※1 ARPA(Average Revenue Per Account):1契約企業当たりの平均年次経常収益(四半期末時点のARR÷契約企業数で算出)
※2 ARR(Average Recurring Revenue):年次経常収益。「Knowledge Suite」における各四半期末時点のMRR×12倍で算出。OEM及びグループ会社の提供サービスは含んでいない。

2. 2023年9月期業績見通し
2023年9月期の連結業績については、既存事業の順調な拡大に加えて新規事業の立ち上げを加速するなど変動要素が生じるため、レンジで計画を開示している。売上収益は前期比18.5%~25.9%増の3,834~4,071百万円、営業利益は同74.0%~103.0%増の213~249百万円と過去最高業績の更新を見込む。BPO事業については堅調に推移する見通しで、DX事業は一段の成長を図る。「Knowledge Suite」については引き続きグループSaaSとのクロスセルによるARPAの増加と新規顧客開拓に取り組むことで2ケタ成長を目指す。加えて新規事業として開始したタレントテック事業を成長ドライバーとして育成する考えだ。同事業はタレントの肖像をサブスクリプション型で提供する業界初となる広告サービスで、顧客企業は特定のタレントの写真素材を自社のHPやパンフレット等に掲載できる(月額30万円~)。2022年10月に新設したブーストマーケティング(株)で展開しており、既に20~30社から受注するなど反響は良好だが、受注残の解消に追われる状況となっており、体制強化を進めている。

3. 中期経営計画
「中期経営計画2024」(2022年9月期~2024年9月期)の最終年度となる2024年9月期の業績目標として、売上収益で5,048~5,360百万円、営業利益で517~604百万円、売上収益営業利益率で10%台を目指している。DX事業の成長戦略として、「Knowledge Suite」の契約件数並びにARPAの拡大を推進するほか、新規事業等の育成に取り組む。契約件数拡大にあたってはDX事業の営業稼働数※を2022年9月期末の24名から100名体制に増強する計画だ。ARPAの拡大についてはSaaSプロダクトの拡充とCS活動によるクロスセル提案により実現する。プロダクトの拡充に関しては、デジタルレイバーを中心とした営業活動の自律化・業務の自動化を強力に推進する「次世代Knowledge Suite」の構築に取り組んでおり、自社開発だけでなく他社製品の取り扱いも含めて拡充する予定である。当面は投資を行いながら売上目標の達成を最優先に取り組む方針であり、中堅・中小企業のDX支援企業として今後も高成長が続くものと期待される。

※営業稼働数とは入社後、約1年の営業教育・営業活動経験を積んだ営業社員を指す。過去データから、新卒社員の場合は約11ヶ月の教育期間を経て、1人当たりの売上平均値を獲得できるようになる。

■Key Points
・2022年9月期はM&A効果もあり売上収益は過去最高を更新、営業利益も3期ぶりに黒字転換
・2023年9月期は既存事業の成長に加え、新規サービスのタレントテック事業に注目
・事業の収益(シェア)拡大とプロダクト・サービス強化を図り、中堅・中小企業のDX推進により年率30%の売上成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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