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【注目トピックス 日本株】TOKAI Research Memo(4):2023年3月期第2四半期は減益となるも、売上高は過去最高を更新(1)

TOKAIホールディングス<3167>の2023年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比8.4%増の104,110百万円、営業利益で同18.6%減の4,253百万円、経常利益で同54.0%減の2,432百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同93.5%減の147百万円となった。売上高は継続取引顧客件数の増加に加えて、エネルギーの仕入価格に連動した販売価格の上昇、法人向け情報通信事業等の拡大により2期連続で増収、過去最高を更新した。2023年3月期第2四半期末における継続取引顧客件数は前期末比約49千件増の3,242千件となり、前年同期の純増数26千件を上回るペースで増加した。

営業利益は、LPガスの仕入価格高騰の影響や顧客獲得費用の増加等により減益となった。ただ、会社計画に対してはエネルギー事業を中心に売上高で約11億円、営業利益で約7億上回ったものと見られる。経常利益が大幅減益となったのは、ベトナムでLPガス販売事業を行う持分法適用関連会社※のコロナ禍による業績低迷を受け、のれんの減損処理を実施したため、約17億円の損失を計上した。持分法投資損失全体では、1,963百万円と前年同期比で1,856百万円の増加となっている。また、特別損失として投資有価証券評価損314百万円及び固定資産除却損401百万円を計上したこともあり、親会社株主に帰属する四半期純利益についても大幅減益となった。

※2020年6月にベトナムの大手LPガス販売事業者の一角であるPETRO CENTER CORPORATIONの子会社であるMIEN TRUNG GAS JOINT STOCK COMPANY(LPガス卸売事業)及びV-GAS PETROLEUM CORPORATION(LPガス卸売業、容器製造業)に各45%出資した(出資額約21億円)。

(1) エネルギー事業
エネルギー事業の売上高は前年同期比21.9%増の44,053百万円、営業利益(間接費用等配賦前営業利益となり、決算短信とは算出方法が異なる。以下、同様)で同32.2%減の1,330百万円と増収減益となった。計画比ではエネルギー価格高騰の影響により、売上高で約22億円、営業利益で約6億円の上振れになったと見られる。

LPガス事業の売上高は前年同期比17.0%増の35,946百万円となった。顧客件数が前年同期比34千件増の731千件となったことに加えて、仕入価格に連動した工業用ガスの販売価格上昇が増収要因となった。顧客件数は前期末比で16千件の増加と前年同期と増加ペースは同等となった。内訳を見ると既存エリアで7千件増、新規エリアで9千件増といずれも増加した。計画比では1千件の下振れとなったが、M&A及びアライアンスによる獲得件数が計画を2千件下回ったことが要因である。コロナ禍の影響で交渉期間が長期化する傾向となっているためだ。一方で、中止・解約は計画どおりとなり、新規獲得は計画を1千件上回るなど順調に推移した。

販売量については前年同期比で3.0%減となった。家庭用は同1.7%増となったものの、前期まで販売していた特定顧客向けの販売がなくなった影響で産業用が同9.1%減と減少したことが響いた。ただ、同取引の利幅は薄く利益への影響は軽微であった。全体の販売価格は前年同期比で約2割上昇したことになるが、大半は産業用の上昇によるもので、家庭用の価格上昇率は新規エリア等での顧客獲得を推進するため戦略価格で販売したこともあり小幅な上昇にとどまった。

都市ガス事業の売上高は前年同期比49.0%増の8,106百万円となり、顧客件数は同5千件増の72千件となったが、増加分の大半はT&Tエナジーの契約分と見られる。このため増収要因の大部分は、原料費調整制度による販売単価の上昇によるものとなっている。

営業利益の増減要因について見ると、増益要因として顧客件数の増加で4.1億円、その他経費の削減効果で3.0億円、減益要因として仕入コスト高騰の影響で10.6億円(価格転嫁分7.4億円を控除後)、平均気温の上昇(前年同期比0.2℃上昇)による販売量減少の影響で2.8億円があった。また、計画比での上振れ要因としては、家庭用LPガスの仕入コストが想定を下回ったことや小売料金の価格改定効果に加えて、コスト削減に取り組んだことなどが挙げられる。

(2) 情報通信事業
情報通信事業の売上高は前年同期比3.1%増の26,078百万円、営業利益は同3.5%減の2,320百万円とおおむね計画どおりの進捗となった。

コンシューマー向け事業については、売上高で同1.8%減の12,026百万円と減収傾向が続き、EBITDA(営業利益+減価償却費)も、顧客獲得件数の増加により一時的に顧客獲得コストが膨らんだことで、同54.3%減の396百万円と減益に転じた。2022年9月末の顧客件数は、従来型ISP等が前年同期比28千件増の414千件、光コラボが同19千件増の358千件、「LIBMO」(格安SIMサービス)が同8千件増の62千件となった。このうち従来型ISP等については2022年3月期第4四半期よりPC遠隔サポートサービスの契約件数(36千件)を加えたことが増加要因となっており、実質的には減少傾向が続いている。光コラボについては2021年10月より大手携帯キャリアと提携し、携帯ショップ経由での顧客獲得が進んだことに加えて、従来の販売ルートである家電量販店での顧客獲得も増加した。なお、大手携帯キャリアとの提携分については光通信サービス部分の売上が除外されるため、売上高への貢献度は低く、売上高が減少した要因となった(売上総利益への影響はない)。「LIBMO」については、デジタルマーケティング等の顧客獲得コストを積み増したことに加えて、競合サービスで通信障害が発生したことなどもあって顧客件数が順調に増加した。なお、第2四半期だけで見るとコンシューマー向け事業の売上高は前年同期比0.2%増の6,065百万円と若干ながら増収に転じており、2018年3月期以降続いた減収トレンドがようやく下げ止まった状況となっている。

法人向け事業は売上高で前年同期比7.6%増の14,052百万円、EBITDAで同7.8%増の3,536百万円と増収増益基調が続いた。ストック型のクラウドサービスが順調に成長しているほか、受託開発案件の旺盛な受注を背景に増収となった。

営業利益の増減要因を見ると、法人向け事業が増収効果で3.2億円の増益となったほか、顧客件数の増加によりコンシューマー向け事業が0.8億円、「LIBMO」が0.1億円それぞれ増益となったが、顧客獲得費用が4.9億円増加したことにより全体では若干の減益となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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