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【注目トピックス 日本株】オプティム Research Memo(1):“キラーサービス”を優先し、積極的な成長投資を継続(1)

■要約

オプティム<3694>は、現 代表取締役社長の菅谷俊二(すがやしゅんじ)氏が佐賀大学学生時代である2000年に友人らと起業したAI・IoT技術を得意とするベンチャー企業である。“ネットを空気に変える”がミッションであり、主力の「Optimal Biz」及び「OPTiM Cloud IoT OS」のデファクトスタンダード化を通じて、第4次産業革命の中心的役割を果たす企業を目指している。総スタッフ数(協力会社含む)は645名(2022年4月1日時点)で、その約7割が開発系である。当初から世の中にないサービスを作り出すことを念頭に技術開発を行っており、関連の特許を数多く所有している。広い業界の大手企業が同社のパートナーであり、技術力やポテンシャルは内外からも高く評価されている。2014年に東京証券取引所(以下、東証)マザーズ上場、2015年には同市場1部に昇格し、2022年4月の同市場再編に伴いプライム市場へ移行した。

1. 事業内容
同社の事業は、「Optimal Biz」を主体とする事業(Corporate DX)と、「OPTiM Cloud IoT OS」を活用した事業(Industrial DX)に分けられる。「Corporate DX」は全業種・産業を対象とした社内業務改善・効率化のためのデジタル化を提案する。「Optimal Biz」等の提供を通じて累計18万社以上の顧客基盤を有しているが、この顧客基盤に対して、「OPTiM Contract」「OPTiM Asset」といった新たな提供価値を持つサービスを販売パートナーを活用して提供する。主力サービスであるPC・モバイル管理サービス「Optimal Biz」は、企業向けのスマートフォン・タブレット・パソコン(以下、PC)・IT機器などのセキュリティ対策や一括設定の分野で必要不可欠なサービスで、成長する国内MDM(Mobile Device Management)市場でシェア1位を12年継続している。また、ストック型のビジネスモデルであり、この安定収益が同社の開発投資を支えている。「Industrial DX」は、「OPTiM Cloud IoT OS」を基盤に、個別産業を対象に事業創造のためのデジタル化を推進する。AI・IoTの新プラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」を用いる取り組みとして、各産業とITを組み合わせて、全ての産業を第4次産業革命型へと変化させる「〇〇×IT(〇〇に業種が入る)」を実施している。同社の取り組みとして、建設業界では、2017年には小松製作所<6301>(以下、コマツ)など4社共同で建設生産プロセスの新プラットフォーム「LANDLOG」がスタートした。農林水産業では、2016年に農業分野でドローンを活用した害虫駆除の実証実験に成功している。また、2018年には同社が主導する“スマート農業アライアンス”が全国規模で行われ、米や大豆を始めとする作物が本格的に収穫され始めた。医療分野においては、2016年に遠隔診療サービス「ポケットドクター」、2020年に「オンライン診療プラットフォーム」をリリースした。直近では、(株)メディカロイド(川崎重工業<7012>とシスメックス<6869>の合弁会社)が開発した国産初の手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム」のネットワークサポートシステムに、同社の技術が使われている。

同社は創業来、知財戦略に基づく豊富な技術力及び事業創造力を背景に、常に革新的なサービスを提供し新しい市場を開拓してきた。国内市場ではシェア1位のサービスを複数擁し、豊富なライセンス収益を基盤としたビジネスモデルを確立している。また、近年ではAI・IoT・ビッグデータのマーケットリーダーとして、各産業のトッププレイヤーと強固なビジネスディベロップメントを推進している。

2. 業績動向
2023年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比17.9%増の4,151百万円、営業利益が同0.3%増の573百万円となり、創業来23期連続の増収に向けて順調に折り返した。売上高は、ストック売上(ライセンス収入等)・フロー売上(カスタマイズ開発収入等)ともに順調に推移した。ストック売上では「Optimal Biz」「OPTiM Cloud IoT OS」ともに順調にライセンス数を増やした。フロー売上では、特に医療×IT分野が前期に引き続き好調に推移している。利益面では、前年同期比でフロー売上(カスタマイズ)の割合が増加したことに加え、ソフトウェア償却費が増加したことから売上原価率が上昇したものの、増収効果等もあり販管費率が低下し、営業利益及び経常利益は横ばいとなった。全般的には、将来への先行投資をしっかり行いつつ、一定の収益性(営業利益率13.8%)を維持しており、順調な推移と評価できる。

3. 成長戦略・トピックス
「Corporate DX」で好調なサービスの事例としては、AIを活用した契約書管理サービス「OPTiM Contract」がある。利用前後の効果測定では、作業時間約90%削減、費用約65%削減(いずれも同社調べ)という圧倒的な効果が出ており、費用対効果の高さが優位性につながっている。

「Industrial DX」では、建設・土木分野の3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」がキラーサービスとして充実度を増している。「OPTiM Geo Scan」は、スマートフォンまたはタブレットで土構造物などの測量対象をスキャンすることで、土木現場で求められる高精度な3次元データを生成できるアプリケーションである。従来の光波測量と比較すると、測量時間を最大90%削減することができる。2022年3月には、国土交通省が改定した「3次元計測技術を用いた出来形管理要領」において、国内で初めて要領に準拠したアプリケーションとなった。これにより建設全体のプロセスを通じて一貫して利用でき、業務効率の改善を実現できる。また、周辺機能の強化も進捗している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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