FX自動売買5つのデメリットと3つのメリットを紹介
公開日:2018年3月1日 8:00
最終更新日:2021年6月16日
FX自動売買のデメリットやメリットをまとめたので、FX自動売買を利用するかどうかの参考にしてほしい。また、FX自動売買のメリット・デメリットを把握した上でも悩む人は、FX自動売買トレーダーやFX会社などの取材から見えた「FX自動売買を選ぶ人」「FX自動売買に向いていた人」の傾向をまとめたのでこちらも参考に。
FX自動売買の5つのデメリット
【FX自動売買の5つのデメリット】
- 自動売買は急変相場での対応力に難あり
- 自動売買の方が資金を多く用意するケースも
- 自動売買の設定を探す労力
- 自動売買用のリスク管理方法を覚える手間
- 自動売買の方が取引コストは高い
FX自動売買のデメリットは裁量取引と比較した場合、主に5つ考えられる。自動売買のデメリットは裁量取引で補える点もあるが、裁量取引に潜むデメリットを自動売買のメリットが補うこともある。
裁量取引と自動売買のそれぞれのメリットを活かせるように、相場の展開や状況に応じて取引方法を使い分けるという方法も検討できる。
自動売買は急変相場での対応力に難あり
FX自動売買は中長期の運用期間を見込み、目先の相場変動を考慮しないケースも多い。目先の相場で短期的に利益を狙う場合は、FX自動売買より裁量取引の方がトレードしやすい場合もあるだろう。
例えば1ドル=110円近辺で、ドル円が推移しており、1ドル=100~120円の値幅で中長期に利益を狙う自動売買を稼働させた場合、相場が1ドル=110円から1ドル=112円に急騰して「収益チャンスがありそう」と感じていても、自動売買の設定を変えて、その急騰相場をトレードすることはないだろう。
急騰しようとも急落しようとも、事前に決めておいたルールを崩さず自動売買で取引を行うことは、欲や感情に惑わされた失敗を防げるメリットはあるものの、直近の相場から柔軟に短期的に利益を狙うチャンスは見逃してしまう可能性がある。
自動売買の方が資金を多く用意するケースも
FX自動売買は、中長期の運用を目的とした場合、用意する資金は裁量取引よりも多くなる可能性がある。どれほどの違いがあるのか、裁量取引のトレード例も挙げながら紹介する。
FX自動売買と裁量取引で用意する資金量の違い
例えば1ドル=110円のとき、ドル円で1000通貨の買い注文を1本出すなら、レバレッジ10倍で約1万円の元手が必要となる。
一方、自動売買では10本や20本といった複数で注文を出すケースもあり、同様の価格でドル円10本の1000通貨による買い注文を出すなら、約11万円の元手が必要となる。
FX自動売買で資金を多めに用意する理由
FX自動売買は「多くの注文を使う」戦略が多く、裁量取引の短期トレードより、注文数が多い分、資金を多めに用意する必要がある。短期の裁量取引ではレバレッジ上限25倍のギリギリで取引することはあるかもしれないが、自動売買は中長期の運用を目的とする場合が多いため、レバレッジを低くし、資金多めのトレードスタイルを目指すケースが散見される。
自動売買の設定を探す労力
発注系・リピート系のFX自動売買では「運用の設定」を探すために時間を要する場合もある。どのような自動売買の設定で運用するか、FX初心者の中には、すぐ決められない人もいるだろう。
中長期の運用では自動売買の設定がシンプルな場合もある
中長期に1ドル=75~125円の幅で利益をコツコツ狙うような自動売買を運用する場合、その値幅に買い注文を並べるといった方法で始めることもできる。こうしたシンプルな自動売買の運用であれば、初心者でも理解はしやすいかもしれない。
短期~中期の運用では相場予想が必要
3か月や6か月といった短期~中期の期間で、自動売買を運用したいと考える場合、その間の相場展開をある程度予想する必要がある。
先ほどの1ドル=75~125円幅で長期の自動売買を稼働させるよりも、短期・中期の運用の方が価格変動幅は狭くなることが多く、上昇するのか・下落するのかといった予想に加え、どれくらいの価格まで移行するかといったことも想定する。
短期よりの自動売買は、こうしたリスク管理の面で運用前に考えることが多くなるため、自動売買初心者にとっては煩わしいと思えるかもしれない。
自動売買用のリスク管理方法を覚える手間
FX自動売買ではツールの特性を把握した上で、それぞれのツールに応じて、リスク管理の方法が異なる。各ツールの特性とリスク管理方法を覚える手間はあるかもしれない。自動売買ツールのリスク管理方法に関して、簡単に紹介する。
発注系・リピート系のリスク管理
発注系・リピート系の自動売買は、10本以上の注文を発注し、細かく収益チャンスを拾おうとする仕様。この自動売買で最も注意したいリスクは、「注文を仕掛けた価格帯」または「想定する値幅」から外れて、価格が推移すること。
例えば1ドル=108円で推移しているドル円に対し、1ドル=105~110円の間に買い注文を仕掛けて運用していたところ、1ドル=104円以下まで暴落した場合、多額の含み損を抱えた状態になる。
発注系・リピート系で勝てない人は、こうしたリスク管理を疎かにしてしまうことが原因と思われるため、十分注意したい。
シストレ系のリスク管理
シストレ系自動売買は、FX会社が提供する「自動売買プログラム」に取引を一任する方法。自動売買プログラムが今の相場に適応しているかが勝敗を左右する。
シストレ系自動売買の損失額は、自動売買プログラムの過去実績から想定することもできるが、今後の相場もその損失額で収まるとは限らない点には注意したい。
自動売買の方が取引コストは高い
FX自動売買の方が裁量取引に比べ、取引コストは高い。ただし多少取引コストが発生したとしても、裁量取引より自動売買の方が自分の取引スタイルとして合い、利益を狙えそうなら、その方が良いだろう。取引コストを削るため、裁量取引でトレードして負けてしまっては本末転倒だろう。
FX自動売買3つのメリット
【FX自動売買の3つのメリット】
- 自動売買は規則正しいFXトレードを実現しやすい
- 自動売買は他人のトレード方法を真似しやすい
- 自動売買の稼働後、やることは少ない
FX自動売買のデメリットを紹介してきたが、反対に自動売買のメリットもチェックする。
自動売買は規則正しいFXトレードを実現しやすい
FX自動売買は、「買う」「売る」という取引をシステムに任せることができ、そのシステムは一定のルールに従って取引を行う。
人間のように「今、取引すれば儲かるかも?」「ちょっと危ない雰囲気だから取引をやめよう」といった感情や欲によって、投資行動を変更することは100%ない。
マニュアルでトレードするとき、こうした感情によって、「規則正しいトレードを妨げられた経験がある」もしくは「自分は欲に流されてしまいそう…」という心配を抱えるなら、自動売買にメリットを感じやすいだろう。
自動売買は他人のトレード方法を真似しやすい
FX自動売買は、他のトレーダーが行っている自動売買の方法を真似しやすい。マニュアルトレードの場合、勝てるトレードルールを探した上で、感情や欲に流されず、そのルールを実行し続けることが求められる。FX初心者の中にはこれは高いハードルと感じる人もいるだろう。
その点、FX自動売買は「他のトレーダーが使っている同じ売買プログラムを選ぶ」もしくは「勝ち組トレーダーの取引設定数値をそのまま使う」ということを行えば、簡単にトレード方法は真似できる。
ただし、真似をしたところで、勝っていたときと同じ相場条件でないと、同じような利益を上げることはできないので、何も考えず、実績がある方法を真似すればいいとは誤解しないよう注意したい。
自動売買の稼働後、やることは少ない
中長期のFX自動売買なら、稼働させたのち、相場のチェック、収益チャンスに備えるなどの手間はない。
マニュアルトレードの場合、為替相場が動きやすいヨーロッパ時間・ニューヨーク時間(日本時間夕方~朝方)に、取引チャンスが訪れるまで待つこともある。一般的な会社員の場合、こうしたトレード生活を実践できるとは限らない。
FX自動売買は稼働前の準備はあるものの、稼働後はマニュアルトレードのような手間が少ないので、会社員でも始めやすいといえる。
FX自動売買を選ぶ人、FX自動売買に向いている人の例
FX自動売買のメリット・デメリットを把握した上でも、FX自動売買を利用しようか悩む人は「FX自動売買を選ぶ人」「FX自動売買に向いていた人」を参考にすることもできる。FX自動売買トレーダーやFX会社などの取材から見えた傾向を下記にまとめた。下の項目に当てはまったとしても、あくまでFX自動売買を検討するの参考として考えてほしい。
本業が忙しくFXトレードに時間をかけられない人
メリットの項目でも紹介したとおり、FX自動売買は稼働後の手間は裁量FXに比べ少ないため、本業が忙しい人、主婦などにも選ばれる傾向があった。
指定したルール通りに取引を行うため、パソコンやスマホで、為替レートを頻繁に確認し、トレードチャンスを逃さないようにしないといけないということもないのはメリットだろう。
FXトレードの方法がいまいち理解できない
裁量FXではチャートの見方・分析方法を学び、トレード手法を確立する必要がある。ネットの記事や書籍からそうしたトレード方法に関する情報を見ても、いまいち理解できない、トレードテクニックが上達しないという人もいるだろう。
こうしたテクニックをFX自動売買では必要としない。FX自動売買は再現性が高いこともメリットで、過去に利益を出せた運用方法が簡単に再利用できる。それが今後の相場でも活用できそうなら、その運用方法を手軽に真似できるため、裁量FXよりも始めやすかったという声は聞く。
裁量FXでうまくいかなかった人
FX自動売買を選ぶ人の中には裁量FXでうまくいかなかった人、利益が出せなかった人も多いといわれている。
裁量FXは自動売買よりも柔軟性が高く、日本のFX会社は低コストで取引できるメリットはあるものの、メンタルコントロールや資金管理の能力などが求められる。裁量FXの取引環境ではうまく利益を残せなかった人が、自動売買を始めてから勝てるようになったというケースもある。
トレード環境や向き不向きは人それぞれなので、今裁量FXでうまく取引できていない人は自動売買を検討するということもできるだろう。
トレードルールを破ることが多かった人
FXトレーダーは、自己資金の何%の損を被ったらトレードを止める、この価格帯まで動かない限り新規注文はしない、などのルールを事前に決めて取引することが多い。
しかし、それらのルールを紙に書いてPCディスプレイに貼っていたとしても守れないという人はいる。訓練することでトレードルールを守れるようになるケースもあるが、FX自動売買を活用することでその弱点を補おうとする人もいた。
FX自動売買は事前に決めたトレードルールに沿って自動で取引することが可能で、スマホやPCを開かずFX取引から距離を置くことができる。FXを見ないようにすることで、予め決めていたトレードルールを破れないよう対策することも可能だ。
FX自動売買に任せ、取引を忘れる方が利益を出せた
「トレードルールを破ることが多かった人」の項目と似ている点もあるが、FX自動売買に取引を任せることで、投資していたことを忘れるぐらいの方が利益を出せたという人もいる。
荒々しく値動きする相場を目の前にすれば、取引チャンスを逃すまいと焦ってトレードしたり、まだ耐えられると含み損を抱えたまま我慢する、など通常では考えられない行動をする可能性がある。
投資のそうした怖い側面を自動売買でうまく回避することで、利益を残せた人もいる。
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