FX自動売買大損の例と原因、大損を避けるための基本と具体策も紹介
公開日:2018年3月2日 8:00
最終更新日:2021年6月16日
FX自動売買は「始めるまでの手間が少ない」「取引のためにPCに張り付く必要がない」といった特徴があるものの、自動売買の仕組みをよく理解せず始めては大損する可能性もある。FX自動売買での大損リスクを抑えるために注意したい点をまとめたので、紹介する。
- 1.FX自動売買大損の例と原因
- 2.FX自動売買で大損しないための3つの基本
- 3.FX自動売買で大損を避けるための具体策5選
- 4.稼働前に確認!FX自動売買の大損リスクを高める可能性のある行為
【目次】
FX自動売買大損の例と原因
FX自動売買でなぜ大損するのか? 損してしまった具体例と原因を紹介する。
FX自動売買のプログラムが今の相場とかみ合わず大損
プログラムを利用する「シストレ系FX自動売買」では、取引を任せたFX自動売買のプログラムが、相場に合わず大損するケースは多い。「過去の相場では利益を上げていたから」と、そのプログラムを使っても、自分が稼働させているときに必ず勝てるとは限らない。
FX会社やFX自動売買の情報を提供するサイトの中には、「プログラムを稼働させれば儲かる」「初心者でも安心」などと誤認させるような伝え方も散見されるため、ユーザー自身が自動売買プログラムの利用方法を間違えないように注意するほかない。
利用したFX自動売買の設定が悪いため大損
注文方法を指定する「自動発注・リピート系自動売買」では、注文方法の設定が悪かったため、大損することは多い。
FX自動売買の設定が悪いとは、「今の相場ではうまく取引されない設定」「資金とリスクが見合っていない設定」などであり、自動発注・リピート系自動売買の運用において最も重要なポイントとなる。
自動発注・リピート系のFX自動売買は、コツコツ稼げることが特徴で、「年利5%~10%は儲かる」など、もっともらしい文句だけを信じて利用してしまう人もいるという。そうした人はFX自動売買の設定をしっかりチェックすることが抜けてしまい、大損してしまったということもあるだろう。
FX自動売買で大損する原因はユーザーの誤解?
FX自動売買の中でメジャーな「シストレ系」「自動発注・リピート系」における大損の例を紹介してきたが、どちらも大損の原因はユーザーの自動売買への理解不足という点も関係していると考えられる。
儲かった利益額だけではなく、「そのFX自動売買はどう利益を上げたのか」という経緯や戦略まで確認した上で、稼働するか検討したい。
雑誌やWEBサイトで儲かったと言っているのだから自分も儲かると誤解し、知識不足のままFX自動売買を始めると、大損するリスクを上げることになるだろう。
FX自動売買で大損しないための3つの基本
【FX自動売買で大損しないための3つの基本】
- 自動売買の仕組みを理解
- 自動売買ツールの特性を理解
- 各自動売買のリスク管理を把握
FX自動売買で大損しないためにまず押さえておきたい基本を3ピックアップした。自動売買の特性やツールを理解することが、大損しないための対策に繋がる。
FX自動売買の仕組みを理解
自動売買で大損しないためには、自動売買の仕組みを理解し、リスク・リターンのバランスを把握した上で運用を検討すべき。自動売買での大損はそうした理解不足も原因のひとつだろう。
自動売買は「発注系・リピート系」「シストレ系」と2種類あり、それぞれ細かい仕様は異なる。自動売買の運用を検討するなら、「FX自動売買の仕組み」を把握した上で臨みたい。
FX自動売買ツールの特性を理解
自動売買を実践するための「ツール」は、各社で使い方や特性が異なる。「簡単」「少額」「手数料が安い」という点で選ぶだけでは、大損に繋がる可能性もある。
自動売買の仕組みを簡単に把握したのち、「最新のFX自動売買ツール」から好みの自動売買を探してみるといい。自動売買ツールの選び方も紹介している。
FX自動売買のリスク管理方法を把握
自動売買と手動の裁量取引とでは、リスク管理の詳細は異なる。
元手資金に見合わず「1回の取引で狙う利益額を大きくする」「狭すぎる値幅で細かく取引」することは、裁量取引と同じくNGだが、損切りや取引期間などの考えは異なる点がある。大損を回避するためにも自動売買のリスク管理方法を運用前に把握しておきたい。
【FX自動売買リスク管理の参考記事】
FX自動売買で大損を避けるための具体策5選
【FX自動売買で大損を避けるための具体策5選】
- 相場観がない初心者は中長期の運用を検討
- 無理な取引量で稼働させない
- 極端に狭い注文間隔で運用しない
- 自動売買プログラムを放置しない
- 過去の相場でどう利益を獲得したかチェックする
FX自動売買で大損を避けるために、基本の3つを押さえた上で、その他にどうすればいいのか。ここでは大きな損を被らないための対応策を5つ挙げる。
相場観がない初心者は中長期の運用を検討
目先、相場はこう動くだろう、○○の結果次第ではトレンドが変わるなどの「相場観」がない初心者は、短期ではなく中長期の自動売買を検討した方がいいだろう。
長期で運用する自動売買の中でも、初心者が運用イメージをつかみやすいのは「自動発注・リピート系」の大きなレンジ相場を狙うタイプ。自動売買ツールの中でも、トラリピやトライオートFXではこうしたレンジ相場狙いの自動売買が可能だ。
無理な取引量で稼働させない
1本あたりの注文に対する「取引量」を少額の1000通貨単位ではなく、10000通貨、10万通貨と多めの設定にして、自動売買を始めた場合も、大損に繋がりやすい。
取引量を大きくすると、儲ける金額は多くなるが、損する額も同様に大きくなる。取引量を大きくする場合は、用意する資金も取引量に応じて、多くする必要があるが、資金量はそのままで運用する失敗談もよく聞く。
元手資金を多く用意すれば、リスク・リターンのバランスは崩れないが、少ない資金のまま取引量を大きくすると、ハイリスク・ハイリターンの運用になってしまう。
自動売買ビギナーは、取引量は少額の1000通貨単位で始めてみて、数か月経ち自動売買に慣れてきたころに、取引量のUPを検討するという方が賢明だろう。
極端に狭い注文間隔で運用しない
「自動発注・リピート系」においては、注文を配置する間隔が狭すぎると、リスクが大きくなり、大損に繋がる可能性がある。
注文間隔を狭く、大量の注文を仕掛けると、損を抱えた場合は含み損の額も多くなり、想定外の相場変動が起きれば、強制ロスカットに陥りかねない。
注文間隔を狭めることは戦略として悪いわけではないが、短期向けの運用戦略になることが多いため、初心者向きでないといえる。「基本的にほったらかしでもOK」という自動売買を始めたいなら、注文は10銭、15銭程度の狭い間隔で置かない方がいいだろう。
自動売買プログラムを放置しない
「シストレ系」の運用では、取引を任せる自動売買プログラムを放置する人もいるが、これも大損に繋がる可能性がある。
自動売買プログラムはそれぞれ得意・不得意の相場があり、稼働させていた自動売買プログラムの「不得意の相場」に移行したにもかかわらず、その自動売買プログラムをそのまま放置していたら、損ばかり積み上げてしまうだろう。
自動売買は、取引の手間はなくなるが、運用におけるメンテナンスは必要となるので注意したい。ただし、長期の自動発注・リピート系の自動売買においては細かく確認する必要はないため、運用戦略に応じて対応するか決めるといい。
過去の相場でどう利益を獲得したかチェックする
「シストレ系」の自動売買プログラムや「自動発注・リピート系」の自動売買設定が、過去の相場でどう利益をあげてきたのか、をチェックしておこう。
過去の相場で利益をあげていた自動売買は、今後もその相場が続くなら、利益をあげられる期待は高くなる。反対に損をするときは、利益をあげられていた相場とは異なる展開で今の相場が推移している可能性がある。
1か月、3か月、6か月など特定期間における過去の相場に対して、自分が稼働させようとしている自動売買がどう利益を獲得していたかを確認するだけでも、自分の自動売買が、本当に稼げるのかどうかをある程度検証できるだろう。
また、自身で売買プログラムを用意するMT4などを活用する場合、「詐欺ソフト」を購入したりしないよう注意したい。
稼働前に確認!FX自動売買の大損リスクを高める可能性のある行為
FX自動売買では良かれと思ってやったことが、大損リスクを高めることに繋がることもある。ここではFX自動売買の大損リスクを高めるかもしれない行為を紹介する。
複数の自動売買を稼働させリスク分散
FX自動売買を複数稼働させることは、リスクを高めてしまう可能性もある。
例えばドル円のFX自動売買と豪ドル円のFX自動売買を稼働させるなど、通貨ペアを複数運用することでリスク分散を目指すという方法を検討する人もいるが、クロス円同士で複数の自動売買を稼働させてもドル円が主な値動き要因なら、リスク分散としての効果は薄い可能性もある。
リスク分散は異なる値動きをする商品や銘柄に投資することで効果を得られるが、その点を理解せず「リスク分散は複数の商品に投資すればいい」と誤解して行うと、逆にリスクを増加させる要因となりえる。
リスク分散に関してはその効果を自身でしっかり把握できない場合は不用意に行わない方が賢明だろう。
FX自動売買の状況を定期的に必ずチェックする
FX自動売買の状況を定期的にチェックするかの必要性は、稼働させる自動売買のタイプに応じて異なる。
例えば長期目的で自動発注・リピート系の自動売買を稼働させるなら、定期的に管理画面を開き、取引の状況を確認する必要がないケースもある。頻繁に管理画面をチェックすることで注文を追加した方がいいのか、など逆に不安を抱く人もいるだろう。一方で、定期的に状況をチェックした方がいいと思われるのは、シストレ系自動売買や短期目的に自動発注・リピート系を稼働させる場合。相場状況に応じてすばやくプログラムの変更や設定の変更を検討しなくてはならない。
このように利用するFX自動売買のタイプに応じて「状況のチェック」の必要性は変わるため、自身が運用するFX自動売買はどういった戦略で稼働後にどのような対応をすればいいのか、稼働前に確認しておきたい。
FX自動売買はパフォーマンスをメインに比較
FX自動売買の取引実績などを確認し、優劣を判断することも悪くはないが、パフォーマンスだけを確認して、FX自動売買を比較することは避けたい。FX自動売買を始めたばかりのユーザーの中には「パフォーマンスが良い=今後も稼げる」と誤解する人もいるかもしれない。
FX自動売買は稼働させる戦略と今後の相場がマッチしているか、も重要なポイントなので、パフォーマンスと共にどのような自動売買戦略だったのか、その設定内容や取引履歴を確認することも忘れないようにしたい。
FX自動売買のパフォーマンスだけを比較し、焦って運用をスタートしてしまえば、大損するリスクは高まってしまうだろう。
リスク対策で「とりあえず取引量を少額」で稼働
1本あたりの注文の取引量を10000通貨などから1000通貨の少額にすることで、1つの注文あたりの損失額を減らすことはできるが、注文数が例えば100本など利用する自動売買ならまた話が違う。
FX自動売買の総合的なリスクは、1本あたりの注文の取引量、注文数、損切り幅と共にどんな相場を攻めるかといった運用戦略から想定する。FX自動売買の「少額だから低リスク」などの謳い文句は「○○のケースならそうとも言える」という条件付きの場合が多い。
1本あたりの注文における取引量を1000通貨などの少額にすればリスクは低いだろうと思い自動売買を稼働させたが、気が付いたら大量の注文が成立しており、しかも含み損も抱えていたら、どう対処すべきか分かわからなるという可能性もある。
気づいたときには大損していたという事態を回避するため、FX自動売買の仕組みや運用戦略に関してはしっかり理解しておきたい。
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