FX自動売買には手動で取引する裁量取引とは異なるリスクがある。FX自動売買ならではのリスクを紹介し、それらリスクへの対策法に関しても紹介する。
FX自動売買で注意したい2つのリスク
FX自動売買で注意したいリスクは主に2つある。FX自動売買を利用する上ではこの2点に注意したい。
取引戦略リスク
FX自動売買は、システムがどう取引するかのルール「取引戦略」が収益に直結する要素であり、リスクにも大きく関連する。
取引戦略が悪ければ、損失を被るリスクが高くなるので、FX自動売買を利用する際には取引戦略をまずチェックしておきたい。
取引戦略の良し悪しは、「運用期間」「狙う相場の特徴」「注文設定」などから総合的に判断する。FX自動売買の運用における基礎知識は、FX自動売買で稼ぐ投資家たちの経験をもとにした記事「FX自動売買で稼げない人の行動とFX自動売買で稼ぐコツ・注目ポイント」を参考に。
システムリスク
FX自動売買ツールはFX会社のシステムが取引の注文を出す場合、FX会社内のシステムエラーによるリスクは存在し、例えば予定していた価格で取引できない、ロスカットが発動しないなどのエラーで、損失を被る可能性はある。
MT4など自作型のFX自動売買では自身のPCから注文を発注するため、注文が出ない、取引されないといった不具合は自分で対応しなければならないケースが多い。自作型自動売買は応用性が高いメリットはあるものの、そうしたリスクにも注意する必要がある。
本サイトにて紹介するFX自動売買ツールは、自作型の自動売買ではないので、システムトラブルが発生した場合、FX会社の方で基本的には対応することとなる。
FXの基礎リスク
FXの代表的なリスクも紹介する。FXには主に「価格変動リスク」「金利変動リスク」「流動性リスク」「信用リスク」があり、価格変動リスクは価格が上下することにより損失を被るリスクで、金利の変動リスクは通貨ペアの金利が上下することにより損失を被るリスク。
流動性リスクとは、通貨ペアの売り買いの“しやすさ”を表す流動性によるリスクで、流動性が低下した場合、意図した価格で取引できなくなる危険性が高まる。信用リスクはFX会社の倒産などにより取引できなくなるリスク。FX会社が破綻した場合の資金に関しては、日本の金融庁登録のFX会社は、顧客資金と会社資産とを分別する信託保全を必ず行っているので、返金はされる。
FX自動売買のリスクに影響しやすい2つの要素
FX自動売買のリスクに影響しやすい2つの要素を紹介する。特に「取引戦略」へ大きく影響するため、運用前には必ずチェックするようにしておきたい。
FX自動売買のハイレバレッジはリスク大
FX自動売買のレバレッジは、手動で取引する「裁量取引」より低くすることが一般的。
FX自動売買の運用期間は2~3日程度で完結するよりも、数週間以上の期間で取引することが多い。その間、大きな価格変動があっても、強制ロスカットにならないようレバレッジを低くする。
デイトレードやスキャルピングといった裁量取引では、ハイレバレッジでもトレードするケースがあるかもしれないが、中長期で運用することの多いFX自動売買ではハイレバレッジの運用はリスクを高くする可能性があるので注意したい。
FX自動売買の運用資金(証拠金)もリスクに影響
FX自動売買の運用資金(証拠金)は多く用意した方がいいといわれる。中長期の相場変動を見越して自動売買の取引戦略を作る場合には、少ない運用資金で強制ロスカットになるリスクは避けたい。
必要な運用資金は、注文数や取引量、レバレッジなどの要素から総合的に考える必要がある。最低4000円からOK!などの宣伝も見受けられるが、一般的なFX自動売買を稼働しようとしたら全く足りない金額なので、本当に必要な運用資金はどれくらいなのか、自身で判断するようにしたい。
どれくらいの運用資金で取引すればいいのかについてはFX自動売買の適切な資金に関する考察も参考に。
FX自動売買の簡単なリスク対策4選
FX自動売買のリスク対策は、取引戦略を完璧にすればいうことはないが、それ以外で簡単に実施できるものを4つ紹介する。
FX自動売買では含み損を気にしない
FX自動売買で含み損を抱えるケースは多いと予め認識しておこう。
FX初心者に多いといわれるのが、含み損を抱えたときに動揺して、事前に決めたルールを崩してしまうこと。FX自動売買を中長期で稼働するときは、含み損を抱えるリスクは頻繁に訪れるが、事前に決めた戦略の想定内なら、なるべく気にしないようにしたい。
パニック状態で損切りをした方が損失リスクはかえって増えてしまうというケースもある。
FX自動売買ツールのロットで取引
FX自動売買を始める際には、ツールで設定されているロット(最低取引単位)から取引することもおすすめ。1本あたりの注文における取引量が1000通貨と5000通貨では損益に大きく差が現れる。まずはリスクをなるべく抑えたいという人は、FX自動売買ツールのロットを確認し、なるべく少額で始めるといい。
FX会社の方で用意されているFX自動売買の運用設定/自動売買プログラムの中には、ロットよりも取引量が大きく設定されている場合もあるので、必ず運用前にはチェックしよう。
FX自動売買の稼働前に撤退ラインを決める
FX自動売買を稼働する前に「価格がここのラインを下回ったらすべて決済する」という撤退のラインを決めておくといい。
FXなどの投資は実際にポジションを保有してからは、思いもよらない行動をする可能性が誰にでもある。大きな額の含み損を急に抱えたとき、「もしかしたら価格は戻るかもしれない…」という根拠のない期待にしがみつき、適切な行動ができず、損失リスクは増やし続けるケースも考えられる。こうした余計な損失リスクを抱えないためにも、FX自動売買を止める条件、勝ち逃げするときを稼働前に決めておく方がいいだろう。
レバレッジを下げるために口座資金を調整
レバレッジは口座内の有効資金と注文数、ポジションの損益によって決まる。
ハイレバレッジの状態は、発注済みの注文における必要証拠金と保有ポジションの損益が口座内の有効資金よりも多くなっている状況と考えられるので、レバレッジを下げるためには追加で入金するなどして有効資金を増やす方法もある。
有効資金が少なくなっていくと強制ロスカットのリスクに近づく。先ほど紹介した「撤退ラインを決める」ことにも似ているが、この価格を下回ったら、撤退するもしくは相場状況を考慮して追加入金するなどの対応を予め決めておくといいだろう。
ただし撤退せず追加入金することは、損失リスクを増やすだけの可能性もあるため、FX自動売買に慣れていない人はなるべくその必要がないよう稼働前に撤退ラインの想定をしっかり準備しておきたい。
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