
トラリピは自動発注系・リピート系自動売買の元祖。近年は同様のサービスも多く現れたが、草分け的存在であるトラリピについて、特徴や設定の参考情報まで解説する。
トラリピとは
トラリピ(トラップリピートイフダン)は、FX会社のマネースクエアが提供するツール。「買い注文」と「決済注文」を同時に複数設置でき、取引が一度完了しても、再度同じ価格で注文が設置されるため、自動で何度も売買が行われる。
例えばトラリピで1ドル=100円から1ドル=120円まで1円おきに買い注文を設置した場合、1ドル=100~120円の間で価格推移する限り、自動で「買い⇒決済」という取引が行われる。トラリピはよく動きそうな価格帯に注文を仕掛けることがポイントとなる。
トラリピのメリット
中長期のFX運用が可能 | トラリピで幅広い価格帯に注文を仕掛ければ、中長期でコツコツ利益を狙うことも可能。トラリピは1本あたりの注文を1000通貨の少額で取引することもできる。 |
FX初心者でもわかりやすいツール | トラリピはFX初心者でもイメージがつきやすいように、どの価格帯に注文を仕掛けるかという最初の設定画面は、ビジュアルでイメージがつきやすいようになっている。 |
感情に左右されにくい | トラリピは「注文をどの価格帯に配置するか」という初期設定を終えれば、後の取引はすべて自動。チャートや価格レートを頻繁に見る必要もなくなり、欲や感情に振り回されにくくなる。 |
為替相場の特徴に適した設計 | 為替相場は、長い目で見れば「レンジ相場7割:トレンド相場3割」で推移するといわれる。トラリピは7割を占めるレンジ相場で力を発揮するよう設計されていることも特徴。 |
トラリピのデメリット
運用必要資金は裁量取引より多め | トラリピで中長期の運用を行う場合、裁量取引より運用に必要な資金が多くなることも。1本の注文でも取引できる裁量トレードとは異なり、トラリピのような自動売買は、注文を複数本仕掛けることが基本となるため。 |
短期トレードよりは中長期向き | トラリピは短期的に利益を狙うよりは中長期向き。短期的にトレードすることも可能だが、直近で変動しやすそうな価格帯を予想する必要があり、FX初心者はハードルが高いと感じるかもしれない。 |
裁量取引よりスプレッドは広い | トラリピは裁量取引を提供する会社のスプレッドよりも広い。トラリピを提供するFX会社の方で注文を発注したり、注文を設定どおりに仕掛け直したりという作業が行われるので、その分の手数料が発生していると考えられる。 |
トラリピ初心者は「設定」をどう考える?
トラリピで自動売買を行う際、どのように取引するかという「設定」を決める必要がある。トラリピの設定について簡単に紹介する。
トラリピの設定とは?

マネースクエア「トラリピ」の設定画面
トラリピは「取引する通貨ペア」など6項目ほど設定を決めると、運用がスタートする。どの価格帯に注文を配置するかという設定は、上の画像のように、チャート画面で過去の価格推移を見ながら、チャート上で決めることも可能。
トラリピの設定は「どの通貨ペア」で、「買いもしくは売り注文」を「どこの価格帯」に「何本仕掛けるか」を決めるイメージ。
【トラリピ設定項目】
- 取引する通貨ペア
- 「買い注文」or「売り注文」の選択
- どの価格帯に注文を仕掛けるかの設定
- 1本あたりの注文における取引量
- 配置する注文の総数
- 利益確定の金額
- 決済トレール、ストップロスの設定
初心者向け「トラリピの設定や運用」の参考記事
トラリピ利用者へのインタビュー記事があるので、FX初心者にはトラリピの設定や運用のコツを参考にすることもできるだろう。
トラリピでAUDNZD(オージーキウイ)は狙い目?

2013年夏以降、一定の価格帯でAUDNZDは推移
トラリピには「レンジ相場で効果を発揮する」というメリットがあるが、近年レンジ相場で推移している通貨ペア「AUDNZD(豪ドルNZドル、オージーキウイとも呼ばれる)」は注目を集めている。
上のチャート画像のとおり、AUDNZDは2013年夏以降、一定の価格帯に収まったレンジ相場で推移している。ポンド系の荒れる通貨ペアとも異なり、比較的穏やかな価格推移をここ数年はしているため、FX初心者でもレンジ相場が得意なトラリピで狙えそうと感じられるだろう。
こうしたレンジ相場が長く続いている通貨ペアはトラリピの設定を考えるとき参考にしやすい。
トラリピで大損する原因と大損回避の対策
トラリピでは、含み損が大きく膨らむ、強制ロスカットされたなどで、大損したという話も耳にする。トラリピで大損する原因と大損回避の対策法について考察する。
トラリピで損するケースと原因
トラリピで損する主なケースと原因を3つピックアップする。
注文を仕掛けすぎた | 注文を多く仕掛ければ、収益チャンスは多くなるものの、想定とは逆の方向に相場が動いた場合、抱える損失の割合も増える。相場が1度急変動しただけで、予想以上の損を抱えて強制ロスカットということも……。 |
取引額を大きくしすぎた | 1本あたりの注文取引額が大きすぎると、狙える利益は増えるものの、リスクも増える。取引額の最少は1000通貨だが、自己資金に見合わない通貨量に増やすしぎると、強制ロスカットへの道も早くなるため注意が必要。 |
運用資金が少なすぎた | トラリピは自身で注文をひとつひとつ発注する裁量取引より、少し多めに資金を用意するケースがほとんどだろう。裁量取引よりも注文を多数発注することが多いこと、レンジ相場狙いで含み損を抱えても相場の戻りを待つことが多いこと、中長期の相場変動を考慮する必要があるなどから運用資金は多くなりがち。 |
大損回避に役立つ「トラリピ運用試算表」
トラリピで大損を回避するための対策は、「自己資金に見合った注文数で運用する」こと。すぐに強制ロスカットとなるような運用では利益を確保する前に損を被りFXから退場を余儀なくされる少なくないだろう。
トラリピ初心者は「1本あたりの注文取引額を大きくせず(初期は最少取引単位の1000通貨でもOK)」「注文数を多くし過ぎない」ような設定で、自己資金に余裕を持たせた設定がいいだろう。
自分の設定に対して、どれくらいの資金を用意すればいいのかを考える際には「トラリピ運用試算表」を活用できる。運用設定を入力すれば、いくらでロスカットになるか一目でわかる。
トラリピの手数料一覧
主要通貨のスプレッド(買値と売値の差)
※2019年6月6日の夕方に計測したが、スプレッドは常に変動。
ドル/円 | 4銭 |
ユーロ/円 | 4銭 |
ユーロ/ドル | 4pips |
豪ドル/円 | 5銭 |
NZドル/円 | 4銭 |
ポンド/円 | 5銭 |
ドル/円 | 4銭 |
ユーロ/円 | 4銭 |
ユーロ/ドル | 4pips |
豪ドル/円 | 5銭 |
NZドル/円 | 4銭 |
ポンド/円 | 5銭 |
取引手数料
売買することでの外付け手数料は無料。
口座開設費・口座管理費/維持費
口座開設にかかる費用や口座開設後の管理費/維持費はすべて無料。
入出金手数料
入金手数料 | 出金手数料 |
---|---|
クイック入金:無料 |
無料 |
トラリピ 基本情報
最少取引単位 | 1000通貨~ |
最低証拠金(資金) | 約4000円※ |
通貨ペア数 | 14通貨ペア |
信託保全 | 対応 |
スマホアプリ | iPhone/Androidあり |
クイック入金 | 対応 |
(※)ドル/円の最低証拠金を1ドル=100円で計算した場合
最少取引単位 | 1000通貨~ |
最低証拠金 (最低取引資金) |
約4000円※ |
通貨ペア数 | 14通貨ペア |
信託保全 | 対応 |
スマホアプリ | iPhone/Androidあり |
クイック入金 | 対応 |
(※)ドル/円の最低証拠金を1ドル=100円で計算した場合
トラリピのデモトレードは?
トラリピにデモトレードは用意されていない。口座開設は無料なので、口座開設後に取引画面を見たり、口座開設者限定コンテンツ、セミナーに参加することは可能。
トラリピ-カンタン口座開設方法
WEB申込フォームから必要情報を入力
下記ボタンから「公式サイト」へ飛び、「口座開設」のボタンを押す。口座開設申込フォームで住所・氏名などをWEB上で入力。
本人確認書類・マイナンバーを送付
本人確認書類(運転免許証・保険証など)とマイナンバー(通知書もしくはカード)を送付。スマホにより「顔」と「顔写真付き本人確認書類」を撮影し送る「スマホで最速、本人確認」であれば、最短当日で口座開設が完了する。
また、本人確認書類はPCからのWEBアップロードや郵送でも可能(取引ID・PWが簡易書留で届くため、口座開設完了は最短2~3営業日)。
審査完了後、取引ID・PWがもらえる
審査を無事通過し、口座開設が完了すれば、取引画面にログインするために必要なIDとPWが送付される。あとは入金を行うことで、取引をスタートできる。
トラリピを提供する会社の情報
会社名 |
株式会社マネースクエア |
本店所在地 | 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー |
登録番号 |
金融商品 取引業者登録 関東財務局長(金商)第2797号 |
創業 | 2002年 |