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仮想通貨の将来性は? 基本となる3つの機能から考える

仮想通貨の将来性は?

 2018年の仮想通貨市場は「コインチェック騒動」から慌ただしく始まった。それにつられたかのようにビットコイン価格は暴落。昨年末230万円台だったのが、2月には64万円まで下落した。

 勢いに冷や水を浴びせられた仮想通貨業界の今後に、暗雲立ち込めたかのように思えるが、「仮想通貨の3つの機能が将来性を期待させる」と、IFTA認定のアナリストで投資家として活躍する天空の狐さんは言う。

「3月に行われたG20(20か国財務相・中央銀行総裁会議)では、仮想通貨を『暗号資産』と表記し、『金融・経済の効率化に寄与する可能性を有す』との共同声明を発表しました。さまざまな問題は抱えながらも、国際社会として仮想通貨を認め始めています」(天空の狐さん「」内、以下同)

 仮想通貨=ビットコイン、ビットコイン=投機、というイメージが一般的になりつつあるが、仮想通貨にもいくつか種類がある。それぞれどのような役割を持ち、我々の生活に寄与するのだろうか。

「仮想通貨は大別すると、(1)積立資産、(2)決済手段、(3)ネットワークの3つの機能があります。認知度の高いビットコインは(1)積立資産としてゴールド、つまり金のように扱われるでしょう」

 ビットコインは発行の上限枚数が2100万ビットコインと決められており、2140年には限度に達すると予測されている。金と同様に市場に流通する量が決まっていれば、希少性から市場価値が形成され、資産としての役割をビットコインが持つようになるという。

「(2)の決済手段になり得るのは『ビットコインキャシュ』などです。ゆくゆくは日常的に使用されることとなり、クレジットカードにとって替わる存在になっていくと思います」

 ビットコインキャッシュは2017年8月にビットコインからハードフォーク(新しい仕様として分裂)するかたちで誕生。同月にはSBIホールディングスの関連会社がビットコインキャッシュのマイニング(採掘)を行うと発表した。金融業界大手の会社がビットコインキャッシュのシェアを握ることとなれば、認知や利用者増の広がりも早いかもしれない。

「(3)のネットワークは、価値の移転を記録する『イーサリアム』、『リップル』などが役割を果たします。これらはスマート・コントラクト(仲介不要の自動契約)として我々の生活を大きく変革させるでしょう」

 イーサリアムやリップルはプラットフォームとしての機能を持つ。株式や不動産、車などさまざまな局面で、第三者の仲介を必要とする売買契約が存在する。今後は仲介者不要で自動的かつスムーズに契約をすることが可能となる、それが「スマート・コントラクト」。既存のあらゆる資産が仲介者不要で素早く売買契約が進むこととなれば、我々の生活は激変するだろう。

「仮想通貨による生活がインターネットやスマートフォンと同様に普及することも考えられます。私たちは今、歴史的瞬間を目の当たりにしているのかもしれません」

【PROFILE】天空の狐:IFTA国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト、ESTA名誉会員(日本人で唯一)、MT4・MT5自動売買&裁量フルタイムトレーダー。ドイツ企業INTALUS.日本代表を経て、ドイツ金融アルゴリズムTradesignal日本代表に。テクニカル分析やアルゴリズム・ストラテジー開発に従事。メールマガジン「天空の狐 ビットコイン&グローバルマーケット」「ビットコイン&グローバルマーケット ミニ版」にて、マーケットレポートを配信中。Twitter:@firmamentfox