フェイスブックなどのSNSが生む仮想通貨の可能性
公開日:2019年5月30日 20:00
最終更新日:2019年5月31日

IFTA認定のアナリストで、株や仮想通貨・FXの投資家としても活躍し、ヘッジファンドとも交流の深い「天空の狐」さんが、注目ニュースをピックアップ。今の株・為替・仮想通貨相場について解説する。
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フェイスブックの新仮想通貨
イギリスBBCが、世界最大SNS交流サイト「フェイスブック」は2020年に新仮想通貨「グローバルコイン」を発行する予定、と報じた。
「グローバルコイン」の登場で、仮想通貨の利用者が増加すれば、仮想通貨市場の価格安定に寄与し、市場価値を高める効果に期待できる。フェイスブックの利用者は世界で約20億人、現状の仮想通貨ウォレット利用者の数、約3000万人との差を考えれば、仮想通貨の利用者が増えるのは必至だ。
「リスクオフの仮想通貨」が増える可能性も?
仮想通貨を投機対象として考えている人もいるだろうが、プロのヘッジファンドの中にはリスクオフの資金逃避対象として取り扱うこともある。リスクオフでは市場が冷え込み、株式などからゴールドのように現物資産に資金が移動する。
なかでもビットコインは上限発行枚数が2100万枚と決められており、ゴールドと同様に市場に流通する量が決まっているため、希少性から市場価値が形成され、資産としての役割を果たすようになる。
仮想通貨の利用者が増加することは、投資市場における今までの資産配分の傾向を変革させる可能性も秘めているのだ。
SNSから生まれた仮想通貨の可能性
今後もSNSなどの利用者が多く集まる「交流サービス」から仮想通貨の誕生が予想される。
人の行動・生活様式の変化に応じて、新たな価値が創造される。人々の交流から物々交換に始まり、経済活動と利便性を求めて、法定通貨が誕生した。現代人の交流の多くはインターネットを介した方法に移りつつあり、なかでも利用者の多くを集めるSNSから新たな通貨が誕生することは不思議ではない。
ブロックチェーン技術を介した仮想通貨による透明性の高いネットワークにより、お金の流れが見えやすくなるため、SNSで生まれた新通貨は新たな経済を生み出すことにも繋がるだろう。
【PROFILE】天空の狐:IFTA国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト、ESTA名誉会員(日本人で唯一)、ヘンリー・ビジネス・スクール ヘッジファンドプログラム修了。PythonMT4・MT5自動売買&裁量Aiトレーダー。ドイツ企業INTALUS.日本代表を経て、ドイツ金融アルゴリズムTradesignal日本代表に。テクニカル分析やアルゴリズム・ストラテジー開発。ヘンリー・ビジネス・スクールヘッジファンド・プログラムのアドバイザーを従事。オルタナティブ投資のメディア「ALTS Investor Media」でもマーケットレポートを配信中。Twitter:@firmamentfox