マンション単価相場

不動産データベース「レインズ」に登録済みの物件について価格と戸数を月単位でまとめている情報サイト「マンスリーレポート (今年10月号)」を見てみると、今年9月に神戸市で取引された中古マンションの成約㎡単価は約30.9万円/㎡という結果に。

この数字は、同期間における阪神間エリア(尼崎市・西宮市・芦屋市・宝塚市・伊丹市など)の約33.9万円/㎡と比べるとやや低い水準となっており、兵庫県その他エリアの約20.9万円/㎡と比べると大きく上回る水準となっています。

神戸市は人気のエリアというイメージがありますが、意外にも面積が広く山間部で形成されている部分も多いため、同じく人気エリアの西宮市や芦屋市などで構成される阪神間エリアよりも単価が低くなっているのでしょう。

一方で海沿いの市街地エリアに所在する中古マンションの場合、商業施設や交通施設などが充実していることから神戸市全体の単価よりも高い水準で取引されています。

神戸市の中古マンション市場動向

神戸市における中古マンション市場動向については、コロナ禍の影響を受けたことによって4・5月の成約件数は通常のおよそ半分まで激減する事態に陥りました。しかし、6月以降は今まで通りの成約件数に回復しており、9月に関しては前年同月比の＋2.3％という変動をみせています。

また、成約単価については、成約件数と同様に4・5月の間は単価下落がみられたものの、6月以降は右肩上がりで回復しています。9月に関しては少し落ち込みましたが前年同月比と比べると変動はないため、今後の動向に不安が残ることは少ないでしょう。

近畿圏のエリア別中古マンションにおいて、神戸市は大阪市に次ぐ成約件数を記録しており成約単価についても良好な動向で推移しているため、神戸市は中古マンションの売却にあたって売却しやすいエリアといえます。

中央区の需要は非常に高い

神戸市内で最も栄えているエリアとして「中央区」が挙げられます。中央区には三ノ宮駅や神戸駅などの主要駅があり、駅前には多数の商業施設や各種店舗が建ち並んでいることから単身・ファミリー世帯を問わずして高い需要が認められます。

実際、直近1年間において中央区の中古マンションの成約件数は東灘区に次いでの件数で、ファミリー世帯用のマンションだけではなく単身者向けのマンションも多数取引されています。そのため、中央区に所在するマンションを売却する場合、最寄り駅から多少距離がある弱点があったとしても需要の高さからそこまで大きなマイナス要因には繋がらないといえるでしょう。

その一方で、中央区以外のエリアでは住宅街や山間部などが広がる地域特性を持っているため、最寄り駅までの距離や中央区までのアクセス面といった利便性が重視されやすくなります。

築年数より間取り・面積が重要

一般的に、築年数が浅ければ建物と室内の状態が良いので買い手からの人気は高くなりますが、築年数が浅いとその価値の分だけ価格が高くなるものです。そして、一定の築年数が経過したマンションはその経年劣化に伴って価格も安くなる傾向があるため、最初からある程度の築年数が経過したマンションを希望する買い手も多数存在します。

もちろん、地域によっては築年数の程度に応じて敬遠される可能性はあるものの、神戸市のような都市エリアであればその心配はあまり必要ありません。近畿レインズで確認したところ築20年を超えたマンションの成約件数も多く、神戸市において築20年前後の中古マンションは一定の需要があるといえます。

また、神戸市中心部は単身者の数が地方に比べて多い傾向があるため、1Kや1LDkタイプの間取りで程良い面積の部屋が好まれて取引されやすく、ファミリー世帯でも60～80㎡程度のマンションが中心的に取引されています。

信頼できる不動産会社を見つける

マンション査定を受ける際は、1社ではなく複数の不動産会社から査定を取るようにしましょう。その理由としては、査定内容には不動産会社によって差があり、マンションの査定価格にも影響することがあるからです。

複数の不動産会社の査定内容を聞いて相場を把握し、さらに不動産会社ごとの査定根拠を聞いて適正な評価を出しているような信頼できる不動産会社を見つけることが大切です。