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相続税が払えない時にマイホームを守る3つの方法

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マイホームを守るにはどうすればよい?(イメージ)
マイホームを守るにはどうすればよい?(イメージ)

 同居していた母を亡くしたAさんは土地と家を相続した。母も祖父から相続した古い家だ。それから約1年後、税務署から「相続税の決定通知書」が届いた。開いて驚いた。

「貯金も乏しいし、こんな金額とても払えない」

 だが、納税しなければ差し押さえられてしまう。

 昔は田舎だったが、近くに駅ができて開発が進み、地価の評価額が高騰したような地域ではよくあるケースだ。とくに2015年に相続税法が改正されて課税対象が一気に広がった。相続税はかからないと思い込んで無申告のままだと、目をむくような相続税額を請求される。家を売って支払うしかないのだろうか。住宅ジャーナリストの山本久美子氏が語る。

「まず土地評価額が5分の1になる相続税の『小規模宅地等の特例(*注)』で税金が安くならないかを確認すべきです。同居していたのであれば、ほぼ間違いなく適用されると思われますが、この特例は税務署に申告しなければ受けられません」

【*注/330平米以下の宅地を、被相続人と同居している親族が相続する場合に対象となる。マンションの場合は専有面積】

 それでも税金がかかる場合は、相続税の「延納」手続きがある。現金で一括納税できない人のための制度で、最高20年の分納ができる。

 ただし、延納には最高で年6%の利子がかかる。評価額が高い土地であれば、相続した土地を担保に銀行からお金を借りて税金を払ったほうが金利が低い場合もある。

 いずれも収入から返済しなければならないが、収入がなくてそれも難しいという場合、“最後の手段”として物納がある。

 現金のかわりに現物、つまり土地の一部(相続税相当分)を国に納めるのだ。だが、その際の地価は実勢価格より低く計算されるが、これなら家と土地を全て失うことはない。

(*週刊ポスト2018年5月18日号)

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