マネーポストWEBマネーポスト公式サイト
FX運用ガイド> マネーポスト FX通信> 米中貿易問題は、豪ドル/円の潜在的な売り圧力になる

FX

米中貿易問題は、豪ドル/円の潜在的な売り圧力になる

2018年4月13日 20:00

豪ドル/円が安値圏で推移している背景は
(写真:アフロ)

 3月1日に、トランプ米国大統領が、鉄鋼とアルミニウムに対して、輸入関税を課すことを発表した。このニュースを材料に、米国株式市場が下落し、外国為替市場では、「リスク・オフ(リスク回避)」の思惑が強くなり、その結果として、「円買い」に強く反応した。

 豪ドル/円のチャートを見ると、このニュース(米国の輸入関税)の発表後に、「豪ドル売り円買い」が進み、それまで、83円台、84円台程度に推移していた豪ドル/円は、81.50アラウンドに急落した。

 81円台ミドルの安値を付けてからは、いったん大きく急反発(急上昇)し、84円台にまでリバウンドしている。トランプ米国大統領の輸入制限に対して、楽観的な雰囲気が広がり、米国株式市場が持ち直したからだ。

 しかし、この輸入制限が、米中の貿易戦争に拡大する懸念が出ると、再び「豪ドル売り円買い」が進んで、再度、安値を更新して、3月下旬に、豪ドル/円は、80円台を付けた。3月下旬に80円台を付けてからは、安値圏で上下動を繰り返した豪ドル/円だが、習近平主席が、米国に歩み寄る姿勢を見せると、4月中旬になって83円台を回復している。

何らの具体策が示されている訳ではない

 豪ドル/円の値動きに関しては、上記の通りだが、米中の対応を、もう少し詳しく述べてみよう。

 トランプ大統領が3月22日、中国による知的財産権侵害などに対して、最大で年間600億ドル相当の中国製品に25%の追加関税を課すと発表すると、中国は翌日の3月23日、対抗措置を発表した。

 アメリカが中国に課した鉄鋼、アルミニウム製品への追加課税に対して、中国はアメリカからのワインや豚肉などに対して高関税を課すとした上で、4月2日には128品目にわたるアメリカからの輸入品リストを発表し、30億ドルに関しては実行し始めた。

 中国の強硬な姿勢で、マーケット(株式市場、外国為替市場など)には、不安心理が広がった。

 しかし、習主席は4月10日の講演で、「中国の市場環境はこれから大幅に改善し、知的財産は強力に保護される。中国の対外開放は全く新しい局面が開かれる」と述べ、市場開放に向けて努力する姿勢を表明。中国の対米貿易黒字(=米国にとっては対中貿易赤字)に関しては、「貿易黒字を追求しない」として輸入拡大に努力するとした。

 これに対して、トランプ大統領はツイッターで、「習主席による思いやりのある言葉」とこの発言を評価した。すると、今度は、マーケットに、安心感が広がり、株価の上昇を招き、豪ドル/円には、「豪ドル買い円売り」が出た。

 結論を言えば、その時々に流れるニュースに、敏感に反応し、一喜一憂している状態だ。個人的な見解だが、習主席の発言は、リップサービス的であり、努力することを述べたに過ぎない、と考えている。つまり、何らの具体策を示した訳でもなく、まだまだ予断を許さず、である。

豪ドル/円が相対的な安値圏で推移している背景

 ここで、もう少し突っ込んで考察すると、豪ドル/円に関しては、「リスク・オフ(リスク回避)」ばかりが問題ではないだろう。

 オーストラリアが、鉄鉱石や石炭・ボーキサイト(アルミの原料)の原産国であることを考えると、「米国の鉄鋼とアルミニウムに対する輸入関税」は、「豪ドル売り円買い」の材料とも言える。

 それから、今回の米国の輸入規制のターゲットは、第一が中国と考える。中国の対米輸出が減る場合は、中国はオーストラリアからの原材料の輸入を減らすことになると予想される。つまり、米中の貿易問題は、豪ドル/円の潜在的な売り圧力になるのだ。

 そういった事柄を包括的に織り込んで、トランプ大統領が輸入制限を発表して以降の豪ドル/円が、相対的な安値圏で推移しているのではないか、と危惧している。

(2018年04月11日東京時間20:00記述)

◆松田哲(まつだ・さとし):三菱信託銀行、フランス・パリバ銀行、クレディ・スイス銀行などを経て、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ・ディーラーとして活躍。現在は松田トラスト&インベストメント代表取締役として外国為替や投資全般のコンサルティング業務を行う。HPは「松田哲のFXディーラー物語」(http://matsudasatoshi.com/)。メールマガジン「松田哲の独断と偏見の為替相場」も発信中。

数百円から外貨の自動購入 「積立FX」のメリットや特徴を紹介
スワップが業界最高水準の「FXプライム」 口座開設者の60%超が初心者ながら、億トレーダー注目の取引環境も
【2018年4月更新】豪ドル・NZドルのスワップポイントが高いFX会社を比較
【2018年4月更新】南アフリカランドのスワップポイントが高いFX会社を比較

FXプライムbyGMO
(選べる外貨)

トルコリラのスワップが高い
メキシコペソのスワップが高い
GMOグループでサーバーが安定

詳細

ヒロセ通商
(LION FX)

高金利通貨のスワップが全般高い
食品キャンペーンが大人気
オリコン満足度ランキング-3年連続1位

詳細

セントラル短資FX
(FXダイレクトプラス)

日銀とも取引のあるグループの一員
トルコリラのスワップが高い
多彩な取引サービス

詳細

シストレ・自動売買の取扱いFX会社を比較 運用のコツや特長も解説
2~3万円で試しにシストレを始める方法
【ゼロから解説】はじめてのシストレ
FX初心者こそシストレ ビギナーにありがちな4つの失敗をカバー
シストレ24
トライオートFX
iサイクル注文
  • 当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。
  • 小学館雑誌定期購読小学館のプライバシーステートメント問い合わせ広告掲載について

    © Shogakukan Inc. 2018 . All rights reserved. No reproduction or republication without written permission. 掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。