マネーポストWEBマネーポスト公式サイト

FX

ドルひとり勝ちの背景 米国の図抜けたファンダメンタルズ

公開日:2018年5月9日 20:00
最終更新日:2018年7月23日

 今年の為替相場を振り返ってみると、年初からドルは下落しましたが、このところリバウンドしてきています。

 ドル円は113円前後でスタートしました。通商問題が激化するに伴いドル円は下げ足を強め、米政府が中国に対し500億ドル相当の制裁措置を発動した3月末には105円割れを示現しましたが、ドル安もそこまで。その後ドルは110円乗せへと急速にリバウンドしています。

 ユーロドルは1.20前後でスタートしましたが、ECBの政策変更を先取りする形で1.25を少し越えたところまでドルは下落、しかし最近欧州の経済統計が悪化していることからユーロドルも根を崩し、現在1.18台まで下げています。

 ドル円もユーロドルも、背景の理由は少し違いますが、ドル安が続くと見られていました。しかし、最近の動きを見るとドルひとり勝ちの様相を呈しています。当初はドルのリバウンドは一時的で、すぐにドル下落トレンドが続くという予想が多かったのですが、多くのアナリストにとって、現在のドルの強さは意外でしょう。

 何が背景にあるのでしょうか

 ドル円相場がリバウンドしたのは、例え貿易問題が激しくなろうと、日本は金利が実質的にゼロで、大きな成長も見込めない。よって、リターンを得るためにはどうしても資金を海外に出さなければならない、そういった理由が一番強そうです。

「貿易問題」VS「経済ファンダメンタルズ」は良好な経済ファンダメンタルズが勝ったということでしょう。

 ユーロドルは少し違います。基本的にECBの政策変更を先取りする格好でユーロドルは買われてきたのですが、最近欧州の経済指標が悪化してきており(特にドイツ)、ついにユーロ上昇に経済がついてこられなくなって来たのではないか?という思惑があります。私自身、ドイツ経済はユーロドル1.60でも大丈夫と思っていたので、意外に早い失速に驚いています。

 ドル上昇の理由が対円、対ユーロで少し違うのかもしれませんが、要するに「米経済が強すぎる」ということなのでしょう。

 1980年代、為替市場を動かしたのは貿易収支でした。米国が赤字を垂れ流し、それをなんとか止めないと行けない、そうした考えがプラザ合意等につながりました。それが1990年台から2000年台になってくると、金利差が為替マーケットを動かすようになってきました。円キャリートレードという言葉が出てきたのも、1990年台後半です。貿易決済の資金より、機関投資家が動かす資金のほうが圧倒的に大きくなったので、金利の影響度が大きくなったのでしょう。

 では、今はどうなのか。「シンギュラリティ」の時代、車や冷蔵庫といったような商品もIT化が進み、米西海岸にあるIT企業群によって我々の生活が一変する、従来の車メーカーが主導権を米IT企業に奪われてしまう、そうした瞬間が来ています。

 車の電気自動車化や自動運転化が進むと、日本の車産業はとてつもない危機に面すると考えられていますが、事情はドイツも同じでしょう。米IT企業の圧倒的技術力がBMWやメルセデスと言った高級車メーカーの生殺与奪をもつ時代が来ています。このとき、ドル高ユーロ安になれば、米IT企業から独企業は主導権を奪うことができるのでしょうか。私にはそうは思えません。

 かつて浜田宏一内閣官房参与は、日銀の金融緩和が足りなかったから円高になり、エルピーダメモリは破産したと言いました。製造業はそうした面は確かにあるでしょう。

 しかし、円安になっていたら「一太郎」は「ワード」に勝っていたのでしょうか。1ドル50円でも200円でも、おそらく我々はワードで文章を書き、グーグルで検索します。どんな為替レートでも、米IT企業が我々の生活を塗り替えて行きます。その意味では、米国のドル高耐性は意外に強いのではないかと思います。

「貿易問題」はあっても、「経済のファンダメンタルズ」がドルをさらに押し上げるのではないかと思っています。

【PROFILE】志摩力男(しま・りきお):慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダー、その後香港にてマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現在も現役トレーダーとして活躍。市場参加者の動向やヘッジファンドの動き、外資系トレーダー等の動きは、メルマガ「志摩力男の実戦リアルトレード」で詳しく配信中(http://fx-on.com/rikio/)。公式サイト(http://shimarikio-official.com/



FX会社アクセスランキング

「シストレ24」は国内の同業者中口座数トップ。搭載されている自動売買プログラムの数も世界NO.1。シストレ黎明期より自社開発を重ねたことで、システムの操作性は高く、サービスも充実している。「マネーポストWEB」限定キャンペーン実施中。詳細は公式サイトにて。

少額から取引でき、メキシコペソ・トルコリラなどの高金利通貨のスワップポイントが高いことも特徴。口座開設者の2人に1人が初心者だが、約定率が強くFX熟練者からも支持を集める。「マネーポストWEB」限定キャンペーン実施中。詳細は公式サイトにて。

「シストレ24」は国内の同業者中口座数トップ。搭載されている自動売買プログラムの数も世界NO.1。シストレ黎明期より自社開発を重ねたことで、システムの操作性は高く、サービスも充実している。「マネーポストWEB」限定キャンペーン実施中。詳細は公式サイトにて。

少額から取引でき、メキシコペソ・トルコリラなどの高金利通貨のスワップポイントが高いことも特徴。口座開設者の2人に1人が初心者だが、約定率が強くFX熟練者からも支持を集める。「マネーポストWEB」限定キャンペーン実施中。詳細は公式サイトにて。

  • 当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。
  • 小学館雑誌定期購読小学館のプライバシーステートメント問い合わせ広告掲載について

    © Shogakukan Inc. 2018 . All rights reserved. No reproduction or republication without written permission. 掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。