“Trend is your friend” 「トレンドはあなたの友達」
公開日:2017年9月6日 19:00
最終更新日:2020年2月26日

表題は有名なマーケットに関する諺です。トレンドに乗って利益を得ると言うのがトレードの基本だと思います。そうであるならば、如何に簡単な、トレンドのあるマーケットを見つけてくるか、これがトレード収益を決定するのではないでしょうか。
私がこれまで目にしてきた海外のトレーダーは、トレンドフォローワーが圧倒的に多い。対して(私の印象ですが)日本人トレーダーは「逆張り派」が多い。これは国民性の違いとも言えるほど、違うように感じます。
下がったら買い向かい、上がったら売り仕掛ける。もちろん、これは重要なトレードの方法です。しかし、この逆張り的発想では、上昇トレンドを売り目線で見たり、下落トレンドを見ても「どこかで買ってやろう」的な目でしか見ることが出来ず、結局トレンドに乗れないということになりがちです。
では、現在、為替市場を見渡してどの通貨に、比較的簡単な「トレンド」があるのか?
まず、ドル円はどうでしょうか。
今年のドル円マーケットは、108円~115円のレンジ内の動きに収まっています。はっきり言って難しいマーケットでした。
これはトランプ大統領という、政治経験のない、これまでにないタイプの大統領が登場し、米国政治の行方が読めなくなってきていること、そして北朝鮮問題が緊迫化していることが大きな理由でしょう。
ただ、そうした問題があるからトレンドがないという見方もできますが、これまでドル円は2012年秋の「アベノミクス」導入以来、よく動いてきました。
昨年も「トランプラリー」がありました。動いたものは収束し、収束していたものは動き始めます。ドル円は次第に「収束期」に入る感じがします。
ドル円とは対象的に「収束期」から抜け出しつつある通貨ペアがあります。それはユーロドルです。
過去2年半ほど、1.05~1.15レンジで収まっていましたが、これを上抜けしてきました。9月7日(この原稿が出る翌日)にECB理事会を控え、ユーロ高に対する牽制が出るなりして、ユーロ上昇は抑えられるのではないかとの見方が市場では優勢です。
もちろん、マーケットがどうなるかは断言できませんが、仮にECB理事会でテーパリング先送りや、ユーロ高牽制的な内容があったとしても、ユーロの上昇を支えるファンダメンタルズは簡単には変わりません。ECB理事会の内容を精査しつつも、ユーロを売りで取ろうと考えるのではなく、下落するところがあれば買って上昇トレンドに乗る意識が必要なところではないかと思います。
ユーロ以外の通貨では「カナダドル」が有望でしょうか。カナダのファンダメンタルズが改善し、今後も高めの成長が見込まれます。経済の改善した「ユーロ」と「カナダ」、今年後半もこの2つの通貨に注目したいです。
【PROFILE】志摩力男(しま・りきお):慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダー、その後香港にてマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現在も現役トレーダーとして活躍。公式サイト(http://shimarikio-official.com/)
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