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株価が上昇しているのに、ドル円が連動して上昇しない理由

公開日:2017年11月10日 17:00
最終更新日:2020年2月26日

日経平均は続伸するが、ドル円は?

 このところ、日米ともに連日のように株価が最高値を更新。日経平均はバブル崩壊後の高値22666円80銭を更新するなど、目覚ましい上昇となりました。

 かつてであれば株価の上昇に連動する形で上昇したドル円が、現在は114円台をしっかりと超えることができず、膠着したままになっています。これはどういうことなのか、過去の相場を振り返りながら考えましょう。

 2012年秋以来、日本のマーケットはいわゆる「アベノミクス」相場でした。大規模な金融緩和により、行き過ぎた円安を修正し、デフレ脱却・株価上昇を図ろうという政策による相場です。

 ドル円の上昇を見て日経平均が上昇する一方で、株価の上昇に連れドル円も上昇するという、「逆方向の効果」まで現れました。AIを使って売買をするプレーヤーが増え、円と株価の連動性に自然と賭けることが多くなったこともあるでしょう。

 しかし2017年3月頃から連動性が断ち切れています。ドル円は日経平均よりも、米長期金利に連動するようになりました。

 連動性がなくなった大きな理由の1つとしては、2016年7月に実施された日銀によるETF買い入れの増額が考えられます。従来の3.3兆円程度から6兆円へと倍増されたことにより、ドル円が上がっても下がっても、株価はサポートされるという体制(耐性)が作られたため、相関性は薄くなりました。

 もう1つ大きな理由として、2016年9月に導入された、いわゆるYCC「イールドカーブ・コントロール」が考えられます。日本の短期金利はマイナス0.1%程度に固定され、長期(10年)金利も0%近辺で固定されることに。

 こうして日本から“金利が消えた”ことは、「米金利が上昇すればドル円が上昇し、米金利が低下すればドル円は下落する」という変化をもたらしました。

 このような新しい構図となったドル円の今後について考えてみましょう。私、個人としては、最終的には米経済の良好はファンダメンタルズを反映して、米国へ資金が流れ、ドル高になると想定していますが、どうも時間がかかりそうです。ドル円は目先110~115円の間でトレンドのない展開になる恐れもあります。

 円安ドル高へのブレーキの1つとして、貿易の問題もあります。

 トランプ政権が誕生し、米経済は加速した一方で、トランプ政権は「貿易収支」も重要視しています。良好な対米関係を作るために、過度な円安ドル高を避けたいという政権の意向も少しはあり、マーケットが「忖度」している面も感じます。

 もう1点には、日本の経常黒字も見逃せません。日本が年間20兆円前後の黒字となれば、円高圧力として相場に影響してくる可能性もあります。

 それでも、日本のゼロ金利がネックとなり、リスク・リターンを求める日本の資金は必然的に外に流れるものです。多くの生保が、今年はヘッジ付きでないオープンな形での対外債券投資を増やすと言っているのも、そうした理由からでしょう。

 そんなリスク許容度を高めている彼らですが、ドル円の高値圏では慎重な姿勢となっているため、ドル高円安に弾みがつく時期は「よくわからない」という状況です。

 今はレンジ相場と割り切り、上手く対処しながら、“そのとき”を待つしかないのでしょう。


【PROFILE】志摩力男(しま・りきお):慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダー、その後香港にてマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現在も現役トレーダーとして活躍。市場参加者の動向やヘッジファンドの動き、外資系トレーダー等の動きは、メルマガ「志摩力男の実戦リアルトレード」で詳しく配信中。公式サイト(http://shimarikio-official.com/




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