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トランプ大統領による貿易戦争 金融市場へ及ぼす影響は?

公開日:2018年3月14日 19:00
最終更新日:2018年7月23日

「貿易戦争」が為替相場にもたらす影響は?

 年初からの金融マーケット混乱の1つの理由として、米国のインフレ懸念がありました。

 トランプ税制改革が実現し、米国は完全雇用下で猛烈な財政刺激がなされることになります。米国にインフレがくるかも知れない、その恐怖感から米長期金利上昇、米株価の乱高下、ドル下落となりました。しかし、先日の米雇用統計で平均賃金の伸びが抑制化されていたように、インフレ懸念は少し過剰だったのではないかとの見方が広がり、今は落ち着きを取り戻しています。

 マーケット混乱のもう1つの理由は、少しやっかいです。それはトランプ大統領が仕掛けようとしている「貿易戦争」です。

 多くの市場参加者は、これはあくまで中間選挙のためのポーズであり、本気で「貿易戦争」をするわけではない、と考えています。関税をかけて良いことなど、あまりありません。相手の国も同じ様に「報復関税」をかけてきた場合、関税のかけあいになり、結局誰の得にもなりません。

 欧州や中国等は、実際に米国が関税を引き上げてきた場合に備えて、既に数多くの報復措置を検討済みとしています。

 過去の事例として、第2次世界大戦前に行われた「貿易戦争」は結局、関税の引き上げ競争となり、互いの成長率を鈍化させ、対戦の遠因となりました。第2次大戦以降、国際的な場では、自由貿易堅持が常に誓われています。

 お互いの関税の引き上げ競争から成長鈍化という道筋だけではありません。それは米国が債務国だという事実からくるものです。

 米経済は近年、経常赤字が続いても何の問題もなく回ってきました。発展途上国であれば、資金が取れなくなり、金利上昇が避けられないところです。

 米国は他国からの資金流入が十分以上にあり、グリーンスパン元FRB議長はかつて米長期金利が低い水準のままに留まっていることを「Conundrum(難問)」と表現しました。

 だが難問でもなんでもない、米貿易赤字の反対側にいる貿易黒字国の中国がしっかりと米国に資金還流をしていたからです。中国以外にも、日本や他の産油国等もしっかりと資金還流していました。投資先はどうしても米長期債になるので、それゆえ米長期債の金利が低いままに抑えられたのでした。

 しかし、米国が中国に対し敵対的な関税を課したらどうなるでしょうか。中国は「敵国」として扱われているわけですから、おいそれと簡単に米国へ資金還流するわけにはいかなくなり、米国への資金還流はストップすることになります。

 ストップするのみならず、既存のポジションを売り払い他に持っていく可能生も出てきます。そうなると当然、米長期金利は上昇することになります。

 それを(親切にも)警告したのが、今年1月10日に流れた「中国当局者、米国債の購入の減額、中断を推奨」のニュースです。このニュースは翌日SAFE(State Administration of Foreign Exchange、国家外貨管理局)によって否定されましたが、火のないところに煙は立ちません。敢えて、意図的に、中国はそのニュースを流したのだと思います。少し先の未来を見据えた戦いが既に始まっていたのです。

 中国は、米国が貿易戦争を仕掛けることを事前に予想して、警告しました。もし本当に貿易戦争を仕掛けたら、中国から米国への資金還流はストップし、米長期金利は上昇、金融マーケットは混乱に陥ると。

 ゲーリー・コーン(元)国家経済会議議長ならば、こうした中国の意図に気付いているはずです。しかし、コーン氏、ティラーソン氏といった「国際派」はトランプ政権内からいなくなりました。

 これで、トランプ大統領は好き放題出来ることになります。

 トランプ大統領は、これから先予定通り、対中国貿易戦争を本格的に始めるのでしょう。共和党内にも反対派はいますが、その声はかき消されています。保護貿易主義と金融マーケット、面白い動きを今後見ることができそうです。

【PROFILE】志摩力男(しま・りきお):慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダー、その後香港にてマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現在も現役トレーダーとして活躍。市場参加者の動向やヘッジファンドの動き、外資系トレーダー等の動きは、メルマガ「志摩力男の実戦リアルトレード」で詳しく配信中(http://fx-on.com/rikio/)。公式サイト(http://shimarikio-official.com/



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