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米中貿易戦争は激化の予感 盤石に見える米国株も潮目が変わるか

公開日:2018年6月27日 20:00
最終更新日:2020年2月26日

米中貿易摩擦が激化すれば、好調な米国株にも影響か

 トランプ大統領が次々と関税引上げ等の制裁措置をとり、「貿易戦争」前夜の状況です。このままいくと7月6日には、先日ホワイトハウスが発表した中国からの対米輸出品500億ドル(当初は340億ドル)に対し25%の追加関税がついに適用されます。

 しかしその割に、市場は落ち着いています。新興国市場は少し荒れていますが、先進国市場は安定しており、VIX指数もドル円の変動率も極めて低位にあります。

 おそらく多くの市場関係者は、トランプ大統領の「口撃」は結局、中間選挙前のブラフであり、どこかの時点で妥協点を見つけると、予定調和的に考えているからでしょう。

 今年のマーケットを振り返ると、年初の時点で「今年は貿易が焦点となる」と予想する人はある程度いました。税制改革が昨年12月に成立しましたので、次は貿易問題だろうと。実際、多くの人もぼんやりとそう考えていたと思います。しかし3月にトランプ政権が対中国制裁措置として対米輸出品500億ドルに25%の追加関税を発表するまで、これほどまでに激しい問題になろうとは、想像してなかったと思います。

 すかさず中国が対抗措置を発表したので、米国もさらに1000億ドルの追加制裁と、次々と対抗措置が対抗措置を呼ぶ循環に入り、問題は拡大していきました。それでも、多くの人はまだ「プロレス」と思っています。7~8月に問題は拡大していきながらも、秋の米中間選挙手前では劇的な「落とし所」に収まり、それで選挙を戦うのだろうな、と。

 しかし、プロレスは相手側もシナリオ通りに動いてこそ、プロレスです。トランプ大統領の好き放題の「口撃」は、相手側の臨界点を超えてきている感じがします。

 先日、中国が「預金準備率」を0.5%引き下げてきました。国内景気が少し軟調になっており、それに対処するためです。おそらく、あと数回「預金準備率」の引き下げがあるでしょう。中国は明確に「金融緩和」に舵を切り始めました。米国が「金融引き締め」局面にあり、中国が緩和局面にあれば、米ドル上昇/人民元下落は極めて自然に見えます。

 中国は、貿易戦争の対抗手段の一つとして「人民元安」を使うことはないだろうと、多くのエコノミストは予想しています。少しずつ「自由に流通する通貨」にして、多くの人に将来的に使ってもらおうと中国政府は考えているはず、というのが理由です。しかし、金融政策の方向性が違えば、人民元安は決して変な動きでもなんでもありません。

 チャートから判断するに、オフショア人民元(CNH)は対ドルで7.0の方向に行くように見えます。2016年後半、資金流出が収まらず、かなり苦労して中国政府は人民元安を押さえ込みましたが、今回もそのレベル、場合によればもっと人民元安は進むかもしれません。

 上海株の動きも不穏です。2015年のバブル崩壊の後遺症が続いていますが、割れないと想定されていた3000ドルを割り込んできたので、まだまだ下がりそうです。

 人民元と上海株のチャートから想起されるのは、貿易戦争がまだまだこれから激しくなるということです。中国経済は確かに少し内需が弱くなってきています。そうであるなら、人民元ショートに賭けてもいいですし、先進国通貨で表現するならば、豪ドルショートということになるでしょう。豪ドル円は80円をしっかり割れてきますと、76円、その後は72~3円ぐらいのサポートゾーンがターゲットになってきます。

 また、貿易戦争が本格化するならば、今は盤石に見える米国株も下落する可能性が高まります。毎年8~9月は米国株が軟調になりやすい時期です。米中間選挙前、夏に向けて、マーケットが変調をきたす、それに対する備えが必要に思われます。


【PROFILE】志摩力男(しま・りきお):慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダー、その後香港にてマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現在も現役トレーダーとして活躍。公式サイト(http://shimarikio-official.com/




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