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トルコ中銀は利上げを見送り トルコリラ上昇の条件は?

公開日:2018年7月25日 20:00
最終更新日:2020年2月26日

利上げをしなかったトルコリラが今後上昇するためには
利上げをしなかったトルコリラが今後上昇するためには

 7月24日、トルコ中央銀行は市場関係者の予想に反し、政策金利である1週間ものレポレートを現状の17.75%に据え置きました。

 エルドアン大統領が再選され、大統領が中央銀行へのプレッシャーを強める中、政策金利を引き上げることで中銀の独立性を示すことができるのかどうか試されたわけですが、結局政策は維持され、トルコリラはその日4%近い急落となりました。

 中央銀行と政権との関係性は、いつも話題になります。最近では、トランプ大統領がツイッター上でパウエル議長率いるFRBの引き締め路線を批判しました。トランプ大統領のツイートは常に過激であり、どの程度真剣に受け止めるべきかわからない時もありますが、米大統領という地位は実質的に世界で1番の権力者です。無視できないものがあります。

 では、パウエル議長はどうすべきなのでしょうか。議長の取れる選択肢は事実上1つしかありません。利上げをして、FRBが政治から独立していることを示すしかありません。仮にも、十分な説明もなく政策を維持した場合、パウエル議長はトランプ大統領の「パペット(あやつり人形)」だということになり、米金融市場は大変な混乱となります。

 今回、トルコ中銀は独立性を示す絶好の機会を逃しました。過去の利上げで市場に強い印象を与えたのですが、その「信頼」を少し失ってしまいました。大統領が合理的な政策を取らない場合、今後もトルコからの資金流出が続き、トルコリラが下落し続ける可能性が残ります。

 ただ、今回トルコ中銀は100ポイント(1%)程の利上げが予想されていたのですが、客観的なことを言えば、過去の利上げで、既に引き締め的といえるレベルにはあります。欲を言えば、もう少し引き上げて、国内景気を抑制し、経常赤字を抑えることが出来たら、トルコリラは上昇する可能性が出てくるでしょう(先進国経済と違い、トルコに必要なのは景気後退で、それが確認されるとリラは上昇しやすくなります)。

 トルコの1年先インフレ期待値は11.4%です。何もなければ為替レートが11.4%下落すると市場は見ているということです。ただ、それを十分に補う金利があります。たとえ少々トルコリラのレートが落ちても、それをスワップ金利で補うことができれば「勝ち」です。できれば、あと1~3%程度引き締めがあれば、なお良いでしょう。

 そして、大統領が(表向きのメッセージはともかく)必要以上に中銀の独立性を奪わない、中銀が必要な利上げができる、こうした条件が揃うと、トルコリラはかなり有望です。


【PROFILE】志摩力男(しま・りきお):慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダー、その後香港にてマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現在も現役トレーダーとして活躍。公式サイト(http://shimarikio-official.com/




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